B級映画の殿堂「アサイラム」が製作し、“空からサメが降ってくる”というあまりにも突飛な設定でソーシャルメディアを中心に大熱狂を巻き起こした「シャークネード」シリーズ。そのシリーズ第7作『Sharknado Origins』が製作されることが明らかになった。「Variety」が報じている。
メキシコ湾で発生した複数のハリケーンが、海中からサメを吸い上げたままロサンゼルスの街へ上陸。類稀なる正義感と身体能力の持ち主であるフィン・シェパード(アイアン・ジーリング)が、愛する家族と元妻エイプリル(タラ・リード)を守るために地上へと降り注ぐサメたちと死闘を繰り広げる第1作『シャークネード』(13)から始まった本シリーズ。
元々はケーブルテレビ局「Syfy」での放送向けのテレビ映画として製作されたが、あまりの反響の大きさから急遽劇場公開もされ、さらに突拍子もない展開のオンパレードとなる続編が立て続けに製作。舞台をニューヨークへ移し、フィンとサメの再戦が繰り広げられる『シャークネード カテゴリー2』(14)に、各地で複数発生する“シャークネード”に宇宙から立ち向かう『シャークネード エクストリーム・ミッション』(15)。
【写真を見る】竜巻に乗って空から降るサメに、チェーンソーで応戦!相棒はサイボーグになった元妻…時空も大気圏も超えるなんでもアリのB級展開に世界中が大熱狂[c]Everett Collection/AFLO
核燃料を飲み込んだ“ヌークリアネード”から放たれるサメに、フィンとサイボーグ化したエイプリルと挑む『シャークネード4』(16)、日本やイギリスなど世界各地でシャークネードが発生する『シャークネード5 ワールド・タイフーン』(17)、そして太古の世界を舞台に繰り広げられた『シャークネード ラスト・チェーンソー 4DX』(18)で大々的なフィナーレを迎えた。
いずれも世界中でカルト的な人気を獲得し、またたく間にサメ映画ブームが到来。同じアサイラム製作の『トリプルヘッド・ジョーズ』(15)から、ハリウッドメジャースタジオによる「MEG」シリーズなど、アメリカはもちろん日本やアジア圏でも無数のサメ映画が製作されるように。また、大の映画フリークとして知られる漫画家の藤本タツキが「チェンソーマン」のなかでオマージュを捧げていることも有名な話だ。
新作は、フィンとエイプリルの若き日が描かれる前日譚!(画像は『シャークネード4』より)[c]Everett Collection/AFLO
さて、そんな「シャークネード」シリーズ。前作で完結したと思われていたが、今回の報道によれば最新作はタイトルが示す通り第1作の前日譚になるという。10代の頃のフィンとエイプリルが夏のビーチで出会い、たちまち惹かれ合う。そんなロマンティックなシチュエーションのなかで突如として空が暗くなり、巨大な漏斗雲が発生。そして海からサメが劇的に噴出する、シャークネード誕生の瞬間が描かれていくのだとか。
メガホンをとるのは、これまでのシリーズ全作を手掛けてきたアンソニー・C・フェランテ監督。キャストについては後日発表されるとのことで、シリーズの顔であるジーリングとリードの参加は不明。年内に撮影をスタートさせ、公開は2026年夏を予定。今度はどんなトンデモ展開が見られるのか。完成と日本上陸が待ちきれない!
文/久保田 和馬
