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Reuters

掲載日

2025年11月24日

英国の化粧品ブランドLushは、撤退から約20年を経てインドに再参入し、同国で急成長する高級美容市場の取り込みを目指していると、同社の上級幹部がロイターに語った。

英国のLush店舗の店内英国のLush店舗の店内 – Photo: Sandra Halliday

同社はベンガルールに拠点を置くBilberry Brandsとライセンス契約を結び、まずはオンラインでの展開から開始し、その後に実店舗へと拡大していく。先進国市場での成長が鈍化するなか、エスティ・ローダーから日本の資生堂に至るまで世界の美容ブランド各社がインドでの存在感を強めており、同国の高級美容市場は2035年までに現在の5倍、40億ドル規模に拡大すると見込まれている。

「小売の購買体験は大きく変わりました。欧米ブランドが格段に増え、人々の認知も高まっています」と、Lushの共同創業者ロウィーナ・バード氏はインタビューで述べ、こうした認知の広がりはインドにおけるインターネット利用の拡大が背景にあると説明した。

Bilberry Brandsの創業者ヴィシャル・アナンド氏によると、拡大初期の18〜24カ月で、Lushとそのパートナーは全国の有力モール25カ所に打診したうえで、ニューデリー、ムンバイ、ベンガルールなどの主要都市に出店することを目指すという。

1995年創業で、水に溶ける発泡性の香り玉「バスボム」で知られるLushは、世界50カ国超で850店以上を展開している。2024年6月30日までの年度の売上高は約6億7,500万ポンド(8億8,736万ドル)で、前年度比5%減となった。

今回の再参入は、7月に英国とインドの間で締結された自由貿易協定を受けたもので、繊維製品からウイスキー、自動車に至るまで関税が引き下げられ、英国産の化粧品やトイレタリーに対する最大22%の関税は段階的に撤廃される。

Lushは、同国向けの350種類超の製品の大半を英国の工場から輸入する一方、フェイスマスクなどの「フレッシュ」アイテムの一部はインド産の原料を用い、現地で製造するとバード氏は述べた。

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