『ウィキッド』2部作が堂々の完結である。11月21日~23日の北米映画週末ランキングは、『ウィキッド ふたりの魔女』(2024年)に続く後編『ウィキッド 永遠の約束』が初登場No.1に輝いた。
同名人気ブロードウェイ/ミュージカルの第2幕を映画化した本作は、シンシア・エリヴォ演じる“西の悪い魔女”エルファバと、アリアナ・グランデ演じる“善き魔女”グリンダが、再び力を合わせて脅威に向き合う物語。前作キャストが復帰し、ジョン・M・チュウ監督も続投した。
『ウィキッド 永遠の約束』写真:Photoshot/アフロ
北米オープニング興行収入は、週末3日間で1億5000万ドル。2025年公開作品としては『マインクラフト/ザ・ムービー』に次いで年間第2位……ということは、実写版『リロ&スティッチ』や『スーパーマン』『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』といった強豪をおさえてのロケットスタートだ。
初動成績の数字そのものは事前の予測通りだが、前作『ウィキッド ふたりの魔女』の1億1,250万ドルを抜き、舞台作品の映画版として歴代記録を更新。ミュージカル映画としては『ライオン・キング』(2019年)と『美女と野獣』(2017年)に続く歴代第3位となった。
なお、ユニバーサル・ピクチャーズ作品としては『ジュラシック・ワールド』(2015年)の2億880万ドルに次いで歴代第2位を記録している。
前作『ウィキッド ふたりの魔女』は北米中心の興行だったが、本作はもはや世界規模のイベント現象となっていることに注目だ。
海外78市場のオープニング興行収入は7604万ドルで、全世界興行収入は2億2604万ドル。前作の世界初動を1億ドル近く上回る大ヒットだ。特にイギリスでは2440万ドルを稼ぎ出し、11月のオープニング成績の歴代記録、および舞台作品の映画版としての歴代記録をともに更新した。
ちなみに北米興行のポイントは、男女比は男性29%・女性71%と、圧倒的に女性中心の観客動員となったこと。前作ファンを劇場へ確実に誘導し、女性客をしっかりとつかんだことが成功の要因だ。
原作舞台の時点で第2幕は比較的地味な印象で知られていたため、映画版も観客の反応は未知数だったが、蓋を開ければ観客の支持はきわめて大きい。Rotten Tomatoesでは批評家スコア70%に対し、観客スコアは95%。映画館の出口調査に基づくCinemaScoreでは前作と同じ「A」評価であり、前作と同じく息の長い興行となることが期待される。
