魔女エルファバ役のシンシア・エリヴォ、『ウィキッド 永遠の約束』より 写真:Giles Keyte/Universal Pictures

記録破りのスタートを切った『ウィキッド 永遠の約束』

ユニバーサルの大作『ウィキッド 永遠の約束』は、現地時間11月21日(金)の北米興収ランキングで4,115館から6,870万ドル=約107億4,000万円※(うち3,080万ドルは先行上映分)という圧巻の数字を叩き出し、北米で1億5,100万ドル超(約236億円※)、世界で2億2,800万ドル(約356億円※)規模の記録破りのオープニングが確実視されている。観客の支持も熱く、シネマスコアは最高評価のA、Rotten Tomatoesでも96%という高いスコアを獲得している。

(左から)アリアナ・グランデ、シンシア・エリヴォ、映画『ウィキッド 永遠の約束』より 写真:Giles Keyte/Universal Pictures(左から)アリアナ・グランデ、シンシア・エリヴォ、映画『ウィキッド 永遠の約束』より 写真:Giles Keyte/Universal Picturesアリアナ・グランデ、シンシア・エリヴォ、映画『ウィキッド 永遠の約束』より 写真:Giles Keyte/Universal Pictures

『ウィキッド 永遠の約束』は、映画監督ジョン・M・チュウが手がけるブロードウェイの名作ミュージカルおよび原作小説の二部作映画化の第2章であり、オズの魔女たちの知られざる物語を描く作品である。キャストはアリアナ・グランデが善き魔女グリンダ役を、シンシア・エリヴォが西の邪悪な魔女エルファバ役を演じる。

オープニング記録を塗り替える興収ペース

もしこの予測どおりの数字に到達すれば、本作は女性層が牽引する作品として数々のオープニング記録を塗り替えることになる。北米では、ブロードウェイ・ミュージカルの映画化として史上最大のスタートを飾る見通しであり、現時点での記録保持作は昨年の『ウィキッド ふたりの魔女』の1億1,250万ドル(約175億9,000万円※)である。また、ミュージカル映画全体で見ても、2019年の『ライオン・キング』、2017年の『美女と野獣』に次ぐ歴代3位の幕開けとなる。

アリアナ・グランデ、シンシア・エリヴォ、映画『ウィキッド ふたりの魔女』よりアリアナ・グランデ、シンシア・エリヴォ、映画『ウィキッド ふたりの魔女』よりアリアナ・グランデ、シンシア・エリヴォ、映画『ウィキッド ふたりの魔女』より 写真:Giles Keyte/Universal Pictures

さらにユニバーサル作品としては、『ジュラシック・ワールド』(2億880万ドル=約326億5,000万円※)に次ぐ史上2番目の北米オープニング、感謝祭直前の週末としては『ハンガー・ゲーム 2』(1億5,810万ドル=約247億円※)に次ぐ2位、そして2025年の3日間オープニングとしては『マインクラフト/ザ・ムービー』(2億890万ドル=約326億7,000万円※)に続く2番手につける計算だ。

全世界の興行収入が10億ドルを突破したディズニーの実写映画『リロ&スティッチ』Courtesy of Disney全世界の興行収入が10億ドルを突破したディズニーの実写映画『リロ&スティッチ』Courtesy of Disney全世界の興行収入が10億ドルを突破したディズニーの実写映画『リロ&スティッチ』Courtesy of Disney

なお、メモリアルデー週末に公開された『リロ&スティッチ』は、3日間で1億4,700万ドル(約230億円※)、4日間のホリデー枠全体では1億8,260万ドル(約285億6,000万円※)を記録している。

世界興収でもブロードウェイ映画史上最大級のスタート

世界的に見ても、チュウ監督の本作は『ウィキッド ふたりの魔女』を上回り、ブロードウェイ作品の映画化として史上最大のスタートを切ることになりそうだ。また、ミュージカル映画全体でも、『ライオン・キング』(2019年)、『モアナと伝説の海2』(2024年)、『アナと雪の女王2』(2019年)、『美女と野獣』(2017年)に続く歴代5位のオープニングに位置づけられる見込みである。

『ライオン・キング』(2019年)より 写真::WALT DISNEY STUDIOS MOTION PICTURES/PHOTOFEST『ライオン・キング』(2019年)より 写真::WALT DISNEY STUDIOS MOTION PICTURES/PHOTOFEST『ライオン・キング』(2019年)より 写真::WALT DISNEY STUDIOS MOTION PICTURES/PHOTOFEST

さらに本作は、『スーパーマン』を押しのけ、今年の3日間オープニング成績で『ジュラシック・ワールド/復活の大地』、『マインクラフト/ザ・ムービー』、『リロ&スティッチ』に次ぐ4位に浮上する可能性が高い。

低迷する北米興行を救う女性客のパワー

『ウィキッド 永遠の約束』は、北米興行の低迷ムードを吹き飛ばす一撃となっている。今秋の興行は、男性向け作品の供給過多と、女性層およびファミリー層向け作品の不足により、近年まれに見る不振に陥っていたからだ。本作の予想を大きく超える好スタートは、女性の購買力がいかに強いかを如実に示している。現地時間11月21日(金)の上映では、観客の約70%が女性だったという事実が、その力を雄弁に物語っている。

舞台ミュージカル映画化の難しさ

ちょうど1年前の同じ週末にも、シリーズ第1作『ウィキッド ふたりの魔女』が歴史的なデビューを飾り、最終的には世界興収7億5,000万ドル近くを記録。ブロードウェイ・ミュージカル原作としては空前の成功作となった。こうした舞台作品の映画化は、これまでハリウッドがもっとも攻略に苦戦してきたジャンルの1つである。

しかし、NBCユニバーサルのエンターテインメント部門トップであり、長年スタジオを率いてきたドナ・ラングレーは、『キャッツ』(2019年)の大失敗を経験した後も、このジャンルの成功に挑み続けた。そしていま、その執念が実を結んだのである。

『キャッツ』(2019年)より 写真:Universal Pictures『キャッツ』(2019年)より 写真:Universal Pictures『キャッツ』(2019年)より 写真:Universal Pictures

※2025年11月23日時点の為替レートで換算

※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。

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