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今月初めに物議を醸した「シーイン(SHEIN)」初の常設店のオープンを受け、フランスのファッション・小売団体が同社への対抗姿勢を強めている。
フランスの小売連盟12団体とフランスのスーパーマーケットチェーン「モノプリ(MONOPRIX)」、ウィメンズアパレルブランド「プロモード(PROMOD)」をはじめとする複数の企業が、「シーイン」の欧州拠点であるアイルランド子会社であるインフィニット・スタイルズ・サービス(INFINITE STYLES SERVICE CO. LTD.)に対して、不正競争の差止めや欧州の製品安全基準の順守を求める法的手続きを開始した。また、業界に与えた経済的損害に具体的な金額を示すことや、欧州で事業を行うグローバルECプラットフォームの規制に関する先例を築くことも目的としている。
連盟側は、「シーイン」の極端に低い価格設定、急速な商品の入れ替え、分散型の生産モデル、労働慣行に加え、欧州の安全基準に対する不遵守が、フランスのファッションブランドにとって著しく不利な状況を生んでいると主張する。連盟側の試算によれば、フランス企業は最大30億ユーロ(約5370億円)の損失を被った可能性があるという。関係者は、この数字は収益予測や市場シェア推定を用いた財務モデリングに基づく指標であり、公式監査によるものではないと補足している。これに対して「シーイン」の広報担当者は「WWD」に対し、「複数の連盟とブランドが当社に対する不公正競争の訴えを準備していると聞いている。これらの主張には根拠がない。建設的対話ではなく訴訟を選んだことは遺憾だ」と述べた。さらに、「この動きはボイコットに近く、真正の法的争点とは言い難い。イノベーションと消費者の選択を守るという仏・EU競争法の精神に反する。われわれは内容を精査のうえ、適切に対応する」と加えた。
フランス当局はすでに大規模な税関検査を実施し、24時間にわたり国内に到着する「シーイン」の荷物をすべて開封した結果、複数の規格不適合製品が見つかったとしている。
フランス議会から注視されている「シーイン」は、欧州事業の見直しを迫られる可能性がある。他国がフランスに追随する動きや、EUレベルでの取り組みに発展し、グローバルECプラットフォームの事業慣行に説明責任を求めることも考えられる。
