Netflixシリーズ「ストレンジャー・シングス 未知の世界」の最終章となるシーズン5がいよいよ11月27日(木)より配信される。11月22日には配信に先駆けて「ファンフェスタ〜One Last Adventure〜」と題したファンイベントが行われ、来日を果たしたフィン・ヴォルフハルト(マイク役)、ゲイテン・マタラッツォ(ダスティン役)、ケイレブ・マクラフリン(ルーカス役)、ノア・シュナップ(ウィル役)、本シリーズの企画・脚本・監督を務めるダファー兄弟(マット&ロス)が登壇。約2000人から大歓声を浴びた。
【写真を見る】ド派手な演出にびっくり!フィン・ヴォルフハルトやノア・シュナップがあらゆる表情を見せて会場も大盛り上がり
本作は、1980年代の小さな町ホーキンスに突然出現した“裏側の世界”という異世界の脅威に、オタク気質な少年少女とその家族や仲間が力を合わせて立ち向かう、ミステリー・アドベンチャー&青春物語。ついに迎える最終章では、仲間たちがシリーズ最大の脅威であるヴェクナを倒すために再び団結する。
レッドカーペットでファンサービスに専念!
この日の会場では、ホーキンスの街やシーズン4の舞台となったカリフォルニア、そして“裏側の世界”を再現。フォトスポットに80年代風のコーディネートに身を包んだ人や、キャラクターのコスプレをした人などが行列を作るなど、監督、キャスト陣が登場する前から会場は熱気ムンムン。いよいよメンバーが姿を現しレッドカーペットに降り立つと、ファンのボルテージは最高潮に達し、興奮で一体となった会場から大歓声が沸き起こった。さらにサインや写真撮影に応じる気さくなメンバーの素顔に、観客は大喜び。終始、あちこちから拍手喝采が上がっていた。
フィン・ヴォルフハルト(マイク役)がダイスを蹴ると…
ステージでは、「僕らは日本が大好き」と日本への愛を叫んだ彼ら。20面ダイスを使ってゲームをする場面もあった。マイク役のヴォルフハルトがダイスを蹴ると偶然にも、劇中で特別な絆で結ばれるキャラクター「11」(イレブン)の数字を出して、これにはファンも「フー!」と大歓喜。会場を巻き込んだゲームも、大盛り上がりとなった。ステージに上がったダファー兄弟は改めて「すばらしい光景」と感激し、「日本でジブリのグッズをたくさん買った。子豚カフェにも行ってみたい」と日本を満喫している様子。「『AKIRA』や『エルフェンリート』、『サイレントヒル』、『バイオハザード』など、日本のいろいろなものから、たくさん影響を受けてきた」と日本は刺激をくれる場所だと話していた。
本シリーズのショーランナーを務めるマット&ロス・ダファー
いよいよフィナーレを迎える本シリーズ。大人気シリーズの結末に向けて、どのような工夫をしたのだろうか。マットは「それぞれのキャラクターが満足のいく結末にすることは、とても難しいことでした。ただどのようなフィナーレを迎えるかは、数年前に決まっていたんです。目的地ははっきりとしていた」と打ち明けつつ、「最後の30分は、数週間かけて練り上げていきました。そこに着地させるために、逆算しながら積み上げていきました」と制作の過程を回顧。ロスも「キャストの皆さんとは10年にも及ぶ付き合い。もちろんいろいろな超常現象を作るのも大変だったけれど、キャストの皆さんも納得のいくようなエンディングを迎えさせることが大事だった」とそれぞれのキャラクターを大切に描くことにこだわったという。
ルーカス役のケイレブ・マクラフリン
ヴォルフハルトは「まだこの作品自体、最後まで世に出ていない。感覚としては、まだ終わっていない。小さなグッドバイという瞬間はありますが、またみんなでこうやって集まっているから」と仲間との時間は「まだ終わっていない」と強調。「僕たちは現場で成長した」と切り出したマクラフリンは、「僕たちは子どものころから、この役を演じていて。瞬時にその役に入り込めたり、お互いの考えていることを読めるような関係でもある」と特別な関係を築いたことに触れ、「今後、違う場所や違う役者さんと一緒に作品づくりに挑んだら、自分のジョークが伝わらないかもしれない。この家族が恋しくなると思います」とチームに愛情を傾けていた。
ウィル役のノア・シュナップ
最後の撮影日について話が及ぶと、シュナップが「みんなで集まって、最後のハグをして。みんなで一緒に泣きました」と告白。「その時に、ものすごい絆を感じた。自分の人生のなかでも、忘れられない経験になりました」としみじみと語る。するとマットも「感動的な最後でした」と続き、ロスも「辛い最終日でした。こうやってお互いに会いますし、話しますし、いまでも家族のような付き合いが続いている。でもそれぞれが演じるキャラクターとのお別れとなり、みんなが一丸となって、同じストーリーを語っていく作業の終焉。感動的だったし、辛かったです」とせつない瞬間になったと振り返っていた。
ダスティン役のゲイテン・マタラッツォ
勇気を持つことや、それぞれの成長を伝えてきた本シリーズ。チャーミングかつ勇敢な少年ダスティンを演じたマタラッツォは、「ダスティンが僕を助けてくれた」とニッコリ。「恐れというのは持つよりも、克服することが大切。みんなもそうだと思う。彼を10年演じてきて、とても楽しかった。これから彼を恋しく、寂しく思うはず。自分が成長期にこのような役を演じることができて、このすばらしい経験は自分のなかに一生残るものだと思う。自分の人生において、大切にするものになる」と役柄に愛着を寄せた。
笑顔があふれた「ファンフェスタ〜One Last Adventure〜」の様子
マクラフリンは「この作品は、居場所が見つけられない者たちが集まっている作品。だからこそ、皆さんに共感してもらえた。居場所を見失っている人たちに、声を与えるような作品。何年か後に観たら、また違った声が聞こえてきたり、愛されることもあると思う。友だちのこと、どのように人を愛すればいいのかなど、いろいろなことを教えてくれる作品」だと胸を張り、「それはすべて、マットとロスがすばらしい作家だから」とダファー兄弟に敬意を表した。
ステージ上のトークからも固い絆を築いてきた様子がうかがえた
ファンからも愛すべきメンバーと出会えた喜びの声と共に、シリーズのフィナーレを寂しがる声が最後まで上がり続けていたが、ロスは「10年という旅路をファンと歩んできた気持ちでいる」とコメント。「そのドアをいよいよ閉めることになる。物悲しい気持ちでいます。この旅路を歩めたことを、本当にありがたく思っている。そうやって僕らがいま感じていることがそのまま、ファン皆さんにも伝わり、同じような味わいでいてくれたらうれしいなと思います」とメッセージを送った。マットは「『ストレンジャー・シングス』は成長を語ってきた作品。シーズン5では、登場人物たちがいよいよ大人になっていく過程を描く。自分の声や居場所を探すこと、成長と共にやってくるハードルを乗り越えていくことを描いてきた。皆さんも本シリーズから勇気を得て、自分の居場所を探すことができたのであれば幸いです」と心を込め、歓声を浴びていた。
取材・文/成田おり枝
