<初春大歌舞伎会見>意気込みを話す市川團十郎(撮影・沢田 明徳)
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 歌舞伎俳優の市川團十郎(47)、市川新之助(12)が22日、都内で来年1月3日に初日を迎える「初春大歌舞伎」(東京・新橋演舞場)の製作発表に出席した。2014年以降、毎年恒例となった公演。今年で16回目の開催となる。

 團十郎は「熊谷陣屋」「児雷也豪傑譚話(じらいやごうけつものがたり)」「春興鏡獅子」に出演する。

 例年は新作や古典をアレンジした作品も取り入れるが、今年は全作古典。「今ならば歌舞伎を好きな方も、見たことがない方も学んでみたいと思ってくださるのではないかなと。学んでいただくことで、より深みが増す古典。それを楽しんでもらえる状況に入ってきた。迎合ではなく、歩み寄ってもらえるフェーズに入ったと肌感覚で感じている」と意図を説明した。

 「児雷也」は意外にも初役。「必ずやっていただろうという役なのですが、やっていなかった。見落としていたということで、改めて現代風に少しアレンジを加えながら、決まり事はちゃんとやって、しっかりとやっていきたい」と気合を込めた。

 前日21日に、来年5月の「團菊祭五月大歌舞伎」で尾上左近(19)が「尾上辰之助」を襲名することが発表された。團十郎は「親戚ですので、自分が必要とされる部分で彼の襲名披露演目に参加したいとは、本人にも松竹さんにも伝えてある」と協力を惜しまないことを約束した。

 自身も同世代の八代目尾上菊之助(48)と尾上松緑(50)とともに「平成の三之助」と呼ばれた。「私どもは非常に年齢が近く、三之助としてバランスの取れた世代に生まれまして、ありがたく、伸び伸びと歌舞伎の勉強をさせていただいたご恩がある。そうなることが理想だと思います」と当時を振り返った。

 「令和の三之助」は左近が一回り年上だ。「左近さんが7つ年上ということでバランスをどう取っていくか。三之助という初代の辰之助兄さん、七代目(菊五郎)のおじさん、うちのおやじ(十二代目團十郎さん)が作った文化。私たちも背負わせてもらって、おのおのが大きな名跡を継がせてもらった。この歌舞伎が盛り上がっている時に、年の差関係なく、乗り越えて19歳、12歳、12歳ということで新しい三之助をつくって、歌舞伎界を盛り上げてくれたら。陰ながら応援してます」と期待を寄せた。

 市川新之助(12)も「これからもっと仲を深めていって、いつかは3人で同じ舞台に立ちたいなと思います」と共演を心待ちにした。

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