日本でも大ヒットした『最強のふたり』(2011年)の記録を塗り替え、フランスで2024年ワンバーワンの圧倒的ヒットを記録した『サムシング・エクストラ! やさしい泥棒のゆかいな逃避行』が12月26日より全国公開となる。

『サムシング・エクストラ! やさしい泥棒のゆかいな逃避行』© 2024 CINE NOMINE – M6 FILMS – AUVERGNE-RHÔNE-ALPES CINEMA – SAME PLAYER – KABO FILMS – ECHO STUDIO – BNP PARIBAS PICTURES – IMPACT FILM

本作が社会現象級を巻き起こしたフランスでは、ほかにも“障がい”をテーマのひとつとして持ち、深い愛とユーモアで観客の心をつかむヒューマンドラマが数多く生まれている。そんなフランス発の名作たちの中から、寒い冬の日にあなたの心をあたためてくれるであろう、愛に満ちた映画3作品をご紹介。

寒い夜だから…世知辛い世の中だから……観れば胸の奥からじんわりと暖かくなる『サムシング・エクストラ』ほか必見の名作たちを今こそチェックしよう。

『サムシング・エクストラ! やさしい泥棒のゆかいな逃避行』© 2024 CINE NOMINE – M6 FILMS – AUVERGNE-RHÔNE-ALPES CINEMA – SAME PLAYER – KABO FILMS – ECHO STUDIO – BNP PARIBAS PICTURES – IMPACT FILM

『最強のふたり』(2011年)

実在する富豪フィリップ・ポゾ・ディ・ボルゴのTVドキュメンタリーに感銘を受けた監督のエリック・トレダノとオリビエ・ナカシュが映画化。下半身不随となり車いす生活を送る大富豪とスラム育ちのアフリカ系介護士の、社会的立場や趣味が真反対な二人が垣根を越えて築く友情と、介護や格差といった社会的な問題を扱いながらも笑って泣ける痛快コメディ展開に心掴まれること間違いなし。

『最強のふたり』©2011 SPLENDIDO/GAUMONT/TF1 FILMS PRODUCTION/TEN FILMS/CHAOCORP

パラグライダーの事故のために首から下が不自由になり、車いす生活を送る大富豪フィリップ。介護者募集の面接にアフリカ系青年ドリスがやって来る。ドリスは不採用の証明書3枚で支給される失業手当が目的だったが、フィリップは彼を気に入って介護者に採用。介護の訓練が始まるが、マイペースのドリス。しかし、傲慢で気難しいフィリップに対してドリスがシニカルなユーモアや深い教養を示すうち、2人の間に友情が芽生えていく。

本国での大ヒットに加え、第85回アカデミー賞の外国語映画賞にノミネート、第36回日本アカデミー賞優秀外国作品賞受賞し、日本や北米で史上最もヒットしたフランス映画になるなど、映画史を塗り替えるヒット記録を次々と樹立した。2019年にはブライアン・クランストンやニコール・キッドマンら豪華キャストでハリウッド版リメイクが制作された。

『最強のふたり』DVD
価格:¥1,143(税抜)
発売・販売元:ギャガ
©2011 SPLENDIDO/GAUMONT/TF1 FILMS PRODUCTION/TEN FILMS/CHAOCORP

『エール!』(2015年)

聴覚障がい者の家族の中でただひとり耳の聞こえるCODAの少女が、歌手になる夢を家族に理解してもらおうと奮闘する姿を描いたヒューマンドラマ。少女の夢と家族への愛を乗せた歌声が起こした奇跡が観客を魅了する。主人公のポーラを演じたルアンヌ・エメラは、2013年のフランスの大人気オーディション番組「The Voice」に出場したことがきっかけで歌手デビュー。今作で銀幕デビューを果たし、夢と葛藤を抱える女子高生を等身大に演じ、フランスで権威のある映画賞であるセザール賞と、リュミエール賞で最優秀新人女優賞に輝いた。

フランスの田舎町に暮らすベリエ家は、高校生の長女ポーラ以外の全員が聴覚障がい者だったが、「家族はひとつ」 を合い言葉に明るく幸せな毎日を送っていた。ある日、ポーラは音楽教師からパリの音楽学校への進学を勧められる。しかしポーラの歌声を聴くことのできない家族は、彼女の才能を信じることができない。家族から猛反対を受けたポーラは、進学を諦めようとするが……。

本国フランスでは、公開されるやいなや4週連続でランキング1位を獲得し、12週連続TOP10入りの大ヒットを記録。米国でリメイクされた『コーダ あいのうた』(2021年)は、第94回アカデミー賞にて作品賞のほか助演男優賞、脚色賞を受賞し多くの人の心を揺さぶった。

『サムシング・エクストラ! やさしい泥棒のゆかいな逃避行』
12月26日(金)より全国公開

フランスで2024年の興行収入ランキングNo.1、1080万人動員(フランス国民の7人に1人)、公開から7週連続No.1、公開初日の動員数では『最強のふたり』を大きく上回りフランス映画史上歴代2位と、驚異の記録を次々と打ち立て、フランスで社会現象となった大注目作。

『サムシング・エクストラ! やさしい泥棒のゆかいな逃避行』© 2024 CINE NOMINE – M6 FILMS – AUVERGNE-RHÔNE-ALPES CINEMA – SAME PLAYER – KABO FILMS – ECHO STUDIO – BNP PARIBAS PICTURES – IMPACT FILM

そんな本作の原案・監督・脚本を務めながら、劇中では障がい者に間違われサマーキャンプに身を隠すことになる“やさしい泥棒”のパウロを演じたのは、フランスで大人気のコメディアン・俳優・作家であるアルテュス。自身のネタのひとつ、障がい者あるあるを描いた【“大きなお調子者”シルヴァン】という知的障がいのあるキャラクターが大きな人気を博した経験を下敷きに、SNSを通じてオーディションを行い実際に障がいのある11人のアマチュア俳優たちを起用。脚本は彼らにあて書きをし、彼らが“自分自身のまま”そこにいるような自然体で生き生きとした演技が実現している。

『サムシング・エクストラ! やさしい泥棒のゆかいな逃避行』© 2024 CINE NOMINE – M6 FILMS – AUVERGNE-RHÔNE-ALPES CINEMA – SAME PLAYER – KABO FILMS – ECHO STUDIO – BNP PARIBAS PICTURES – IMPACT FILM

宝石店に泥棒に入ったパウロ(アルテュス)とその父親(クロヴィス・コルニアック)。警察の追跡から逃げるふたりは、ひょんなことから障がい者とその介助者に間違えられ、障がいのある若者たちのサマーキャンプに身を隠すことに。とりどりの個性を持つ彼らとの笑顔にあふれたドタバタでにぎやかな日々は、やがてふたりの心をやさしく解きほぐしていく。しかし、そんなゆかいな逃避行も長くは続かず……。果たして、泥棒親子の運命は? そして、彼らが見つけた本当の宝物とは――?

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