ふるさと岩手の観客を美しい音色で魅了しました。イタリアの名門音楽院で学び続ける釜石出身のピアニスト、小井土文哉さんが16日、盛岡でリサイタルを開きました。

♪ベートーヴェンピアノソナタ第14番「月光」嬰ハ短調

情熱的な旋律を響かせ、観客を魅了したのは、釜石出身のピアニスト、小井土文哉さん(29)です。

「生まれ育った岩手の人と心からいいと思える音楽を共有したい」。リサイタルは、そんな小井土さんの思いに賛同する人たちが中心になって、おととしから開いています。

小井土さん「みなさんこんにちは」

ふるさとの温かい拍手にはにかんだ小井土さんは、盛岡一高を卒業後、桐朋学園大学の音楽部を首席で卒業。数々のコンクールで頂点に立った経歴を持つ実力派です。

3歳のころからピアノを始めた小井土さん。釜石中学校を卒業する3日前に、東日本大震災が起きました。

小井土さん(当時23歳)
「本当に転機と言うか、多分、震災がなかったら、いまはピアノを弾いていることはなかったんじゃないかってくらい本当に大きいことでした」

生まれ育ったまちが被災した中、自分だけ盛岡で高校生活を送ることに悩みましたが、「音楽の力でふるさとに恩返ししたい」と、ピアニストという険しい道に進みました。

小井土さんは、地元・釜石の海の情景を思い浮かべながら演奏することもあるといいます。

イタリアで共に学ぶ友人、髙木竜馬さんも招き、ことしは前回より1時間も多く美しい音色を届けました。

小井土さん
「お客様が皆さん本当に笑顔になってくださって、すごくうれしかったです。また、来年も開催できることをうれしく思いますし、できるだけたくさんの皆さんに、またお聞きいただけましたら幸いです」

ふるさとの応援を胸に、小井土さんは鍵盤に向き合い続けます。

Leave A Reply
Exit mobile version