『M3GAN/ミーガン』(23)や『ハッピー・デス・デイ』(17)で知られるホラーファンにおなじみのスタジオ、ブラムハウスが製作した『ブラック・フォン』(22)の続編『ブラックフォン 2』が11月21日(金)に公開される。このたび、少女の夢に出現する連続殺人鬼グラバーの本編映像が解禁された。

【写真を見る】観る者を恐怖に陥れる連続殺人鬼グラバーをイーサン・ホークが怪演【写真を見る】観る者を恐怖に陥れる連続殺人鬼グラバーをイーサン・ホークが怪演[c] 2025Universal Studios. All Rights Reserved.

監督は『ドクター・ストレンジ』(17)や『エミリー・ローズ』(05)、『フッテージ』(12)などホラーからアメコミまで幅広いジャンルを手掛けるスコット・デリクソン。ハリウッド映画界に欠かせない存在である彼が新たに放つのは、ホラージャンルの枠を超えた“怨心電信サイコスリラー”だ。

前作『ブラック・フォン』は、断線した黒電話に届く“死者からのメッセージ”を頼りに、監禁された少年フィニーが連続殺人鬼からの脱出を試みるという斬新な設定で注目を集めた。恐怖の先に描かれる兄妹の絆が感動を呼び、2021年のジャンル映画祭「ファンタスティック・フェスト」では大喝采。翌年6月の全世界公開を迎えると1億6000万ドルを超える大ヒットを記録した。そんな前作の衝撃と感動を引き継ぐ、待望の続編がついに完成した。

『ブラックフォン 2』は11月21日(金)より公開『ブラックフォン 2』は11月21日(金)より公開[c] 2025Universal Studios. All Rights Reserved.

北米初登場1位スタートを切り、続編で描かれる連続殺人鬼の復讐劇に絶賛の声が相次いだ映画『ブラックフォン2』。日本公開直前にして、イーサン・ホーク演じる連続殺人鬼グラバーが、死者となり、無敵の悪と化した本編映像が解禁。前作を凌駕するグラバーのすさまじく、緊迫したシーンの連続は、前作の恐怖が単なる序章に過ぎなかったことを物語っている。

解禁された本編映像は、おぞましい形相の凍てついたマスクをつけ、斧を構えた連続殺人鬼グラバーが厨房でグウェン(マデリーン・マックグロウ)に詰め寄るという、彼女の夢の世界にグラバーが初めて現れるシーンだ。斧は4年前の惨劇で、自分の弟を死に追いやったものだろうか?

むき出しの悪意を込めて斧を振り下ろし、執拗にグウェンへ襲い掛かるグラバー。グウェンが必死に抵抗するなか、彼女とともにウィンターキャンプを訪れた友人アーネストたちが飛び込んでくる。しかし彼らの目に映るのは、首を絞められているかのようなうめき声をあげながら、1人床に転がるグウェンと、なにもないところで揺れるライト。異様な光景に固まるアーネスト(ミゲル・モラ)たちにグラバーが気づくと、グウェンを壁に向けて激しく投げつけた。しかし、グウェンに降りかかるこの恐怖すらも、死んだことで無敵となったグラバーによる復讐劇の始まりに過ぎない。前作『ブラック・フォン』でグラバーを葬ったことにより、怨念を向けられた兄フィニー(メイソン・テムズ)と妹グウェンは、どんな危機を迎えることになるのか。

死者として現れたホーク演じる連続殺人鬼グラバー。脚本、製作のC・ロバート・カーギルは、「現世では人が死ぬと、その人間を形づくっていた“余計な部分”が消えていく。残るのは、もっとも強い核です」と語り、「地下室の少年たちにとってそれは“恐怖”でした。でも、フィニーの友人ロビンにとっては“道徳心”だった。だがグラバーの場合、それは“純粋な怒り”です。彼は最後に自分の弟を殺したが、その罪を受け入れず、フィニーのせいにした。その憎悪こそが彼を死後の世界へと導きました」とグラバーが再び兄妹の前に舞い戻った理由を掘り下げた。

そして、グラバーの姿を“怒りと残虐性そのもの”といい、「彼が求めているのは復讐だけではありません。フィニーの愛する家族、妹グウェンを苦しめ、彼自身にも地獄を味わわせたい。その思いが、グラバーという怪物を構成していたすべての要素を、さらに増幅させています」と、続編で深化する邪悪さの正体を説明する。

デリクソン監督もまた、ホークが続編で演じたグラバーについて「復讐に囚われた怨霊を演じている。ジャンルとしては定番ですが、復讐霊が語る姿が描かれることはほとんどありません」と語り、「私は彼の動機や過去を探りたかった。なぜ彼は現れたのか?第1作で描かれなかったなにを知ることができるのか?そこに興味がありました」と、残虐さを増すグラバーの深層へと結びつく動機や過去が本作で描かれることを示唆した。

単なる殺人鬼から、憎悪と怨念を核とする怨霊へと変貌を遂げたグラバーの再登場は、前作で描かれた恐怖をさらに引き上げ、観客に想像を絶する地獄を突きつける。そして真の悪は、死をも超越するのか。連続殺人鬼グラバーの凍てつくまでの恐怖をお見逃しなく。

文/山崎伸子

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