サメ映画の代表作「ジョーズ」には、ビーチで子どもが「Killer Shark」というゲームに熱中する様子が一瞬だけ映し出されます。このゲームは一体何なのかについて、ポップカルチャー専門家のジェフ・ファイファー氏が謎を追っています。

For Over 40 Years, I’ve Wanted to Play That Cool-Looking ‘Killer Shark’ Arcade Game Briefly Seen in ‘Jaws’
https://www.remindmagazine.com/article/15694/jaws-arcade-video-game-killer-shark-atari-sega-electromechanical/

「Killer Shark」の登場シーンはわずか数秒です。画面の中で泳ぐサメを、拳銃型のコントローラーで撃つようなゲームであることが分かります。

Videogames in Movies – (1975) – Jaws – YouTube


「Killer Shark」は、セガが開発し、1972年12月から稼働したアーケードゲームでした。「ジョーズ」の公開は1975年なので、映画よりも早く誕生しています。

実際のプレイ映像は以下の通り。

Sega Killer Shark: Gameplay – Jaws – YouTube


ファイファー氏は「このシーンは映画のテーマを反映し、当時若者が夢中になっていたポップカルチャーの潮流をスティーヴン・スピルバーグ監督が確実に捉えていたことを示すだけでなく、『ライフルとサメ』の構図が映画のクライマックスを予感させる楽しい伏線にもなっています」と指摘しました。

なお、Killer Sharkで遊ぶ子どもの奥にあるゲーム機は、世界初のアーケードゲーム「コンピュータースペース」です。ファイファー氏はこの点を踏まえ「つまり、この一場面だけで70年代初頭のアーケード史が凝縮されているのです!」と語りました。


なお、ジョーズ公開後もサメを題材にしたゲームが登場しています。その1つが「シャーク・ジョーズ」で、「ホラー・ゲームズ」という会社から発売されたものでした。ホラー・ゲームズは、ジョーズの製作・配給元であるユニバーサルからの訴訟を避けるために「アタリ」が作ったダミー会社の名前でした。宣伝チラシには「ジョーズ」部分を強調し「シャーク」部分は非常に小さな文字で表記しているのが分かります。この作戦が成功したのか、「シャーク・ジョーズ」は比較的成功を収め、アタリに対する訴訟の記録は確認されていません。


もう1つ、1975年発売の「Maneater」というゲームもあります。プレイヤーはダイバーを操作し、海底の宝物を回収して水面へ持ち帰る途中、殺人ザメを回避するという内容でした。このゲーム機が「ジョーズ」関連の公式認可タイトルだったかは定かではありませんが、スピルバーグ監督がManeaterに触れている写真はあるため、少なくとも監督個人には認知されていたようです。

by Rob Brennan

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