本作は、累計発行部数1160万部を突破した北方謙三による歴史大河小説の金字塔「水滸伝」シリーズ(全19巻/集英社文庫刊)を日本ドラマ史上、規格外のスケールで完全映像化する一大スペクタクル。「水滸伝」は、腐敗した世を憂い、法に背いてでも正義を貫こうとする“はみ出し者たち”の叛逆の物語で、現代にも通じる「理不尽な権力に抗う意志」と「仲間との絆」が壮大な群像劇として描かれる。
織田扮する主人公・宋江らが拠点とするのは、険しい山と湖に囲まれた自然の要塞・梁山泊(りょうざんぱく)。行き場を失った者たちが次々と集い、志のもとに結束し、巨大な国家権力へと立ち向かっていく。
現代にも通じる「理不尽な権力に抗う意志」と「仲間との絆」を、壮大な群像劇として描く本作において、主人公・宋江が率いる梁山泊のメンバーたちが立ち向かうのは、腐敗した国家権力だ。その国家権力側で彼らを迎え撃つのが、情報収集や秘密工作を担う──いわゆる国家のスパイ機関<青蓮寺(せいれんじ)>。国を裏から動かす存在として、あらゆる手段で反体制の芽を摘み取る。
その意志がこの国の命運を左右していると言っても過言ではない青蓮寺の中で、叛乱対策を担う幹部として宋江の前に立ちはだかるのが<李富>である。彼もまたこの国の行く末を想い、「国を倒して新たに作り直す」ことを目指す宋江とは異なり、傾いた国は内側から立て直すべきだ、という思想を持つ。国家にとって危険の種となり得る梁山泊を潰すことに執念を燃やす李富は、宋江らにとって最大の敵役だ。
冷酷非情に梁山泊を追い詰める、理と策略を武器にすべてを見通す男として、原作ファンから絶大な人気を誇る李富。公開されたビジュアルに映るのは、一癖も二癖もありそうな不敵な笑みを浮かべた表情。冷酷な悪役でありながらも人間味を宿し、勧善懲悪に収まらない複雑な魅力を、玉山鉄二が幾層もの表情で演じきることで、物語にさらなる深みが加わった。
©北方謙三/集英社 ©2026 WOWOW/NTTドコモ
そのほか、梁山泊の面々の前に立ちはだかる“強大な敵”キャストととして、諜報組織・青蓮寺の総帥であり、李富の上司にあたる冷徹な男・袁明(えんめい)を演じるのは、アニメ、洋画吹き替え、ナレーションなど幅広い分野で長年にわたり第一線で活躍してきた大塚明夫。青蓮寺のメンバーとしては、暗殺や工作を生業とする「闇軍」の隊長・王和(おうわ)を、中国で俳優デビューを果たし、現在は日中を股にかけて活躍する映画俳優・木幡竜。その副官である高廉(こうれん)を、2.5次元ミュージカルからストレートプレイ、朗読劇といった話題作に相次いで出演し、確かな実力で注目を集めている牧島輝が演じる。
さらに、青蓮寺の幹部として禁軍担当の蒼英(そうえい)を浜田信也、民政担当の何恭(かきょう)を竹森千人、地方軍担当の呉達(ごたつ)を増田修一朗が務める。そして、帝の直属軍である「禁軍」の大将で、腐敗した権力の象徴とも言える高俅(こうきゅう)役には池田成志。また、高俅の部下である陸謙(りくけん)を宮下修司が演じる。
一方、宋江らに立ちはだかるのは国家権力だけではない。宋江と晁蓋が奪取を狙う、志を失った賊徒が跋扈する砦。その砦の賊徒を束ねる頭目・王倫(おうりん)を演じるのは萩原聖人。圧倒的なカリスマと冷徹さをあわせ持つ“梁山湖の砦の絶対的支配者”を体現する。王倫の右腕で、砦の最古参メンバーのひとり、副頭目・杜遷(とせん)を演じるのは神尾佑。もう一人の副頭目・宋万(そうまん)役には、劇団EXILEのメンバーとして舞台・映画・TVドラマで活躍する八木将康。王倫、杜遷、宋万――梁山泊をめぐる三人の因縁の対峙にも期待が高まる。一筋縄ではいかない濃厚なキャスト陣が織りなす、人間ドラマの深みと迫力に注目したい。
予告編は主人公・宋江(織田裕二)の「私には大望がある。腐ってしまった今の世を正したい」という熱いセリフと腐敗した世に立ち向かおうとする強い決意の表情からはじまり、次いで、叛逆の英雄で“動”の頭領・晁蓋(反町隆史)、 “武”の化身・林冲(演:亀梨和也)、建国の英雄の末裔で正義の武人・楊志(満島真之介)とその伴侶の済仁美(波瑠)が映し出される。そしてこのほど発表された“敵”役も登場し、戦いの構図が明白になり物語はより一層熱を帯びていく。
「北方謙三 水滸伝」は、2026年2月15日よりWOWOWで放送・配信。Leminoでも同時配信される。(※Leminoプレミアムの契約が必要)
▼玉山鉄二(李富役)コメント全文
作品に対する想いが強くあって、撮影前は緊張や責任感も感じていましたが、他のキャストの皆さんや若松監督とまたご一緒できたのも嬉しかったです。ロケをはじめ、小道具や衣装もとても素晴らしくて、皆で李富を作り上げて高めてくださったなと思います。
演じた李富という役は、とてもプライドが高い一方で、無理して虚勢を張って自分を強く見せてるという感覚があって、その切なさが人間っぽいなって思えるキャラクターです。人に対してもそうせざるを得ないのが李富の心の強さなのか、また弱さなのか、男性には共感してもらえるんじゃないかなって思っています。
政府側である青蓮寺、それに敵対する梁山泊、本作には立場の異なる様々なキャラクターが登場しますが、みんな正義を掲げて戦っています。なので様々な立場に立って見ていただけると、いろんな水滸伝の姿が見えてくるような、グラデーションのある作品になっています。
