BSSTO作品にレビューを寄せてくださったTAKERUさん。
映画が趣味になって約10年。
Instagramや、Youtube/Podcastで映画の魅力について発信している活動と、TAKERUさんのシネマチックなライフスタイルをインタビューしました。
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TAKERUさんは、「映画に夢中になっていたら30歳がそこまで迫って来て少し焦っている」という社会人。作り手が誠意を持って作ってることが伝わってくる映画が好きだそう。
小津安二郎監督の『東京物語』で胸をつつかれ、ジム・ジャームッシュ監督の『パターソン』の詩的映像表現に魅了され・・・

Photo by MARY CYBULSKI (C)2016 Inkjet Inc. All Rights Reserved.
映画を好きになったきっかけはクリストファー・ノーラン監督の『インセプション』。
「複雑な構成をこれほど面白くエンタメに昇華してる手腕に驚き、色んな映画を見るようになりました。そこから多様な作品に出会っていくうちに、小津安二郎監督の『東京物語』で描かれた日本人らしい家族との距離感に胸をつつかれ、ジム・ジャームッシュ監督の『パターソン』が描く詩的な映像表現に魅了されていきました。一応固有名詞は出したのですが、一口に映画といっても様々な味わいがあることを知り、映画という媒体が持つグラデーションを自分なりに咀嚼していくことが楽しく、映画を趣味にしてもう10年くらい経ちます。」と教えてくれました。
「毎週休日になると映画館に行ったり、家に帰ったらサブスクでまた映画を見たりしています。映画館でかかる新作は毎週何かしら気になる作品が公開されるので、毎週行くと決めているよりは、結果的に毎週行ってしまってる感じがします(笑)」
サブスクはAmazonprime、U-NEXT、ディズニー+を中心に時期によってはNetflixにも加入して、新しいものから古いものまで色んな作品を楽しんでいるそうです。
17分という時間で面白さと社会性を両立させていく作り手の凄さ
「ショートフィルムはこれまでにも10本前後観たことはあったのですが、やはり短い時間で様々な国の作品に触れられる経験はとても豊かなだなと感じています。」と語るTAKERUさんは、映画祭ではブラジル、オランダ、スコットランド、フィンランド、インドネシア、そして日本の作品を、BSSTOではウクライナ、スペイン、アメリカの作品と、たくさん鑑賞いただいています。
「長編映画だと普段触れる機会が少ない国もありますので、映画好きとして多様な映画表現を1度に浴びるという行為はとても貴重」とし、
「その中で特に印象的だったのはスペインの『予感』という作品です。占い師を営んでいる女性がある予感に基づいて真相に迫っていくお話です。最初は直感を頼りに周りを巻き込む彼女にどこか懐疑的だったのですが、真相が明らかになった時には本当に驚きました。エンタメ的な展開で進行しつつ、物語の根幹には深い問題意識がある。17分という時間で面白さと社会性を両立させていく作り手の凄さも感じましたね。」と感想を教えてくれました。

『予感』ポスター
偶発的で直感的に色んな映画に出会ってほしいという想いをこめて、インスタから発信
Podcast/YouTubeでは『映画喫茶の〇〇』を展開

Instagramや、Youtube/Podcastで映画の魅力について発信しているTAKERUさん。
「Instagramではサブスクリプションで見ることができて、かつ個人的にお勧めの作品をテーマごとに紹介しています。各作品の詳細を述べて紹介するというよりは、「こんな人におすすめ!」という要素を箇条書きで書いていて、あらすじや役者などに関係なく偶発的で直感的に色んな映画に出会ってほしいという想いがあります。」
「Youtube/Podcastは『映画喫茶の〇〇』という番組名で主に劇場公開している新作を中心に感想・考察という形式でやっています。これは1人でやっているのではなく、映画ライターのヨダセアとモデルのKasminと一緒にわいわい楽しくやっています。
会話の中で新しい発見があったりするので、3人で話すことによって1本の映画をより深く味わいながら楽しく発信しています。」と語ります。
これまでにとり上げてきた中でも、9/19(金)に公開された『宝島』を扱った回が印象的だったといいます。「沖縄におけるアメリカとの関係を扱った作品になるのですが、私たち3人は沖縄出身ではない。その上で本土の人間として自分たちが感じた事や映画が作られた意義を等身大の言葉で話すよう努めました。YouTubeのコメント欄ではこの作品を鑑賞した沖縄の人たちからの真摯なメッセージがいくつか届きまして、とても感慨深く、『宝島』を扱って良かったなと胸が熱くなりました。」と紹介してくれました。
もっと映画の楽しみに触れてもらえるような企画をやりたい
最後に、今後挑戦してみたいことは、とお聞きしました。「Instagramでの映画紹介やYouTube/Podcastでの新作映画の感想/考察は継続しつつ、もっと映画の楽しみに触れてもらえるような企画をやりたいと思っています。まだ何も決まっていないですけど、例えば映画史に残るようなクラシックな作品や監督の紹介だったり、映画を深く見ていくために知っておきたい観点なども話したいなと思っています。」と話してくれました。
「僕自身映画を観始めた頃と現在では見えてくるものも変化したり、多様な映画を嗜めるようになりました。1930年代~50年代の日本映画を支えた黒澤明、小津安二郎、溝口健二、成瀬巳喜男などいわゆる巨匠と呼ばれる人たちの作品は本当に面白いです。古い作品だからといって敬遠せず、素晴らしい作品は時代を超えてくるということも伝えていきたいと思っています。
夢というものではないんですが、自分の発信がきっかけでいままで触れてこなかった映画と出会ったり、新たな視点を得られたという反応を見ると本当にうれしいので、そのような影響を与え続けられるようにこれからも様々な視点や作品に触れながら発信していきたいです。」





