2025.11.18

男性中心の芸術史観の見直しを促す『男性のいない美術史 女性芸術家たちが描くもうひとつの物語 -THE STORY OF ART WITHOUT MEN-』(パイインターナショナル)が刊行されました。
ジャクリーヌ・マルヴァルやマリー・ローランサンを紹介するページ
著者のケイティ・ヘッセルはイギリスの美術史家、配信者、キュレーター。原書は2022年に発刊され、「ニューヨーク・タイムズ・ベストセラー」に選ばれるなど、欧米で高く評価されました。
ルイーズ・ブルジョワも登場
同書では、これまで「男性中心」だった美術史の影に隠され、評価されてこなかった女性芸術家たちに焦点を当てました。ルネサンスから現代まで、300点を超えるカラー作品とともに、語られることのなかった芸術の物語を紐解いていきます。
ヒルマ・アフ・クリントの作品
登場する女性芸術家はヒルマ・アフ・クリント 、 ベルト・モリゾ、 メアリー・カサット、 マリー・ローランサン、フリーダ・カーロ、葛飾応為、田中敦子、オノ・ヨーコ、 石内都、草間彌生ら250人以上です。
葛飾応為の作品を高く評価
翻訳の鮫島さん「過去の女性芸術家を知る機会に」
同書を翻訳したのは「美術展ナビ」でもおなじみの鮫島圭代さん。鮫島さんのコメントを紹介します。
『みなさんには、「好きな画家」はいますか? ゴッホ? ピカソ? それとも若冲?北斎?
いずれも男性ですね。現代の芸術家であれば女性の名前も挙がりやすいですが、近代以前の有名な芸術家の大半は男性です。
古来、世界各地で数多くの女性が素晴らしい芸術作品を生み出してきましたが、彼女たちの作品はしばしば無視されたり、過小評価されたりしてきました。
その結果、現代を生きる私たちもなお、そうした過去の女性芸術家たちが手がけた作品を知る「チャンス」を十分に持てないままでいます。
本書は、ルネサンスから現代まで、多様なジェンダーや性的指向の女性芸術家の功績を時系列で追い、「美術史」として編み上げたという点で、非常に画期的な本です。
著者は英国の美術史家ですが、西洋のみではなく、日本を含む世界各地の芸術家に光を当てています。エルンスト・H・ゴンブリッチの名著『THE STORY OF ART美術の物語』といった従来の美術史書に欠けていた部分を補う一助となり、ニューヨーク・タイムズ・ベストセラーとなるなど、欧米で大きな脚光を浴びました。
さあ、いまがチャンスです! この本を通して、これまで知らなかった芸術家と出会ってください。
みなさんの「好きな画家」のリストにもきっと女性の名前が増えることでしょう。』
<書籍概要>
書名:『男性のいない美術史女性芸術家たちが描くもうひとつの物語 -THE STORY OF ART WITHOUT MEN-』
仕様:B5判変型(240×161mm)/ハードカバー/512Pages(Full Color)
定価:本体6,800円+税
ISBN:978-4-7562-5873-1 C0071
発売日:2025年9月19日
著:ケイティ・ヘッセル 翻訳:鮫島圭代 装幀:福岡南央子(woolen)
発売元:パイ インターナショナル
購入:アマゾン パイ インターナショナルへ
(美術展ナビ編集班 岡部匡志)
