
劇中のグループ「HUNTR/X(ハントリックス)」の歌唱を担当するEJAE(イジェ)、オードリー・ヌナ、レイ・アミが、2025 MTVビデオ・ミュージック・アワードに登場 Photo: Manny Carabel / Getty Images
公開から3か月で史上最多視聴回数を突破し、世界的なメガヒットとなっているNetflixのアニメ映画『KPOPガールズ!デーモン・ハンターズ』。オリジナルサウンドトラックが米ビルボードのアルバムチャートで首位に輝き、架空のK-popガールズグループ「HUNTR/X(ハントリックス)」が歌う主題歌「Golden」は同シングルチャートで8週連続No.1を記録。さらにはグラミー賞2026の5部門で候補入りし、大きな話題を呼んでいる。マリ・クレール インターナショナルの韓国版デジタル記事よりお届け。
『KPOPガールズ!デーモン・ハンターズ』はどれだけすごいのか
Netflixの『KPOPガールズ!デーモン・ハンターズ』(以下、略称ケデハン)が累計視聴回数3億回を突破し、公式にドラマ『イカゲーム』を抜いてNetflix史上最高のヒット作となった。この大成功を受け、制作したソニー・ピクチャーズ・アニメーションはNetflixから約219億ウォン(約1,500万ドル)のボーナスを受け取ったそうだ。
ストリーミングで新たな記録を樹立
『ケデハン』はまず、Netflixプラットフォーム内で数々の記録を塗り替えた。Netflixの公式発表によると、公開以降の累計視聴回数が3億回を突破し、Netflix史上最高記録を樹立。これまで最高だった『イカゲーム』シーズン1の約2億6,520万回を軽く超え、映画・シリーズを問わずNetflix全体で最も視聴されたコンテンツとなった。
制作・配信構造とビジネスモデルの変化
『ケデハン』が示したもうひとつの大きな革新は、制作と配信構造だ。制作会社ソニー・ピクチャーズ・アニメーションとNetflixの契約は、単なる「制作して配給する」レベルをはるかに超えたものだった。海外の報道によると、Netflixが制作費1億ドルを全額負担し、ソニーは制作を担当する対価としてあらかじめ定められたプロダクションフィー(手数料)に加え、音楽の著作権や出版権による収益を得る形式だったとのこと。その成功報酬として、約1,500万ドル(219億ウォン)のボーナスが支払われたという。
『ケデハン』は、アップフロント方式(制作を完全外注し、制作費とプロダクションフィーを支払う代わりに、作品の権利のほぼすべてを買い取る仕組み)が有効に機能し得ることを示したといえる。今後、同様の投資・配信モデルを検討する流れにも影響を与えそうだ。
音楽・ファンダム・文化の拡大
『ケデハン』はまた世界的な音楽市場やファンダム文化にも大きな衝撃を与えた。主題歌『Golden』はビルボードHOT100で1位を獲得し、グラミー賞の主要5部門にノミネート。単に映画のサントラがヒットしたという次元ではなく、架空のK-popアイドルグループ「HUNTR/Xハントリックス」(実在する韓国系アメリカ人アーティスト、EJAE(イジェ)、オードリー・ヌナ、レイ・アミの3人が歌唱を担当)が現実の世界的な音楽チャートを制覇し、物語と現実の境界をあいまいにした象徴的な出来事となった。
アニメーションによる物語表現の台頭
『ケデハン』がアニメーション映画である点も注目すべきだ。これまでNetflixで人気が高かったのはドラマシリーズやアクション映画といった実写コンテンツが中心であり、アニメ映画がここまでの視聴数を達成することはめったになかった。実際に『ケデハン』は同プラットフォームにおける前例のない快挙を果たしたアニメとなり、Netflixは公式に「Netflix史上最も視聴された映画タイトルである」と発表している。
韓流のさらなる成長の可能性が拡大中
韓国大衆文化、つまり“韓流”の観点から見ても、『ケデハン』は大きな飛躍を意味している。海外の反応では「韓国文化の発信が音楽やドラマを超え、世界のアニメーション市場にまで進出した」と分析されている。
K-popアイドルのイメージ、韓国的なビジュアルの美意識、そしてグローバルな消費スタイルを融合させた作品が世界最高記録を打ち立てたという事実は、非常に象徴的だ。
Netflixは最近、ソニー・ピクチャーズと『ケデハン』続編を2029年公開予定で契約したと発表しており、今後どんな記録を更新するのか世界的な注目を集めそうだ。
※( )内編集部注
translation & adaptation: Akiko Eguchi
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