編集者・作家・映画プロデューサー 井上伸一郎/167

いのうえ・しんいちろう 1959年東京都出身。アニメ雑誌『アニメック』編集部を経て、『月刊ニュータイプ』副編集長在任中の87年にザテレビジョン入社。雑誌・マンガの編集者、アニメ・実写映画のプロデューサーを歴任。2019年KADOKAWA副社長。24年8月にKADOKAWAを離れ、現在はZEN大学コンテンツ産業史アーカイブ研究センター副所長、アニメツーリズム協会プロデューサー。近著は『メディアミックスの悪魔 井上伸一郎のおたく文化史』(講談社)。小説投稿サイト「カクヨム」に初の小説『エンタメ霊媒師ナルの怪事件』連載中。

 テレビアニメ創成期から作品を見続け、「おたく第一世代」を自認する井上伸一郎さん。編集者、プロデューサーとして、国内外に発信した作品は数知れない。そして今、名古屋市を舞台に新たなイベントに挑戦している。(聞き手=永野原梨香・ライター)

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── 国際映画祭「あいち・なごやインターナショナル・アニメーション・フィルム・フェスティバル」(ANIAFF、実行委員会主催)が今年12月12〜17日、名古屋市で初めて開催される予定で、井上さんはフェスティバル・ディレクターを務めています。

井上 愛知県は国際芸術祭「あいち」や「世界コスプレサミット」などが開催され、芸術への理解が深い地域。スタジオジブリのテーマパーク「ジブリパーク」も名古屋市の隣の長久手市にありますね。愛知県の大村秀章知事、名古屋の広沢一郎市長もアニメへの関心が高い。そんな流れの中でご縁があり、映画祭の企画・運営を務めることになりました。

 新人編集者のころからお世話になっているアニメーション監督の富野由悠季さんは「自分たちは、町場の人間だ」と言い続けていて、「機動戦士ガンダム」のような有名作を手掛ける富野さんであっても自分…



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