香港発の人気キャラクター・ラブブ(LABUBU)が、ついに映画化されるようだ。米国メディア「The Hollywood Reporter」が現地時間11月14日、ソニー・ピクチャーズによる映画化企画が進行中である報じた(外部リンク)。

報道によれば、ソニー・ピクチャーズがラブブの映画化権を取得。映画がヒットした場合は、フランチャイズ展開も視野に入れているという。

なお、監督をはじめとした制作陣は不明。アニメなのか、はたまた実写や3Dアニメーションなのか、いずれも明らかになっていない。

ブラインド仕様、BLACK PINKのLISAが愛用──世界で人気のラブブとは?

ラブブは、香港出身のアーティスト/デザイナーであるカシン・ロン(Kasing Lung)さんが生み出したキャラクター。北欧の森に住む小さくて遊び好きな妖精たちを描く「THE MONSTERS」というIPシリーズに登場するエルフの総称だ。

カシン・ロンさんは2011年、玩具デザインスタジオ・How2workとのコラボレーションにより、イラストストーリーブックやコレクタブルフィギュアの展開をスタート。2015年に「THE MONSTERS」シリーズの一環として絵本を出版しており、ラブブはこの絵本ではじめて登場した。

ラブブを含む「THE MONSTERS」の仲間たちu

2019年からは中国のアートトイブランド・POP MARTが、デザイナーズトイとしてラブブのフィギュアなどを販売開始。箱を開封するまでどのキャラクターが入っているかわからない「ブラインドボックス」というランダム性の高いガチャ的な仕様が、ユーザーのコレクション熱を刺激した。

加えて、K-POPグループ・BLACK PINKのLISAさんが愛用していることをきっかけに知名度が急拡大。世界でに爆発的な流行を見せている。

一方で、ここ数ヶ月はPOP MARTの株価急落や中古相場の下落、ブームの終焉など、人気にかげりが出てきているとする報道も多い。いずれにしてもその人気に注目が集まっているのは間違いないだろう。

ラブブは「新語・流行語大賞」にノミネート、映画公開までの人気にも注目

日本でも近年、ラブブを販売する東京・原宿の明治通り沿いにあるPOP MART原宿本店や、渋谷の渋谷PARCO内の店舗では、毎日のように日本人と観光客による行列ができるほど人気を博している。

地上波テレビの報道番組でもそのブームが取り上げられているほか、2024年12月には「Yahoo!検索大賞2024」のネクストブレイク商品部門に選出されたことからも、注目度の高さがうかがえる。

直近では、2025年10月にはラブブと大阪・関西万博の公式キャラクター・ミャクミャクとのコラボフィギュアが発売。同年11月に発表された「新語・流行語大賞」の30個のノミネート語にも選出されている。

今回報じられたラブブの映画化は、こうした急速なムーブメントを象徴するトピックスと言えるだろう。ソニー・ピクチャーズといえば、Netflixで配信されたCGアニメーション映画『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』を手がけている。

同作はNetflix史上最も観られた映画になるほど、世界的にヒットしたことも記憶に新しい。ラブブの映画は現時点でいつ公開になるのか不明だが、ラブブ人気の動向にも左右される可能性もある。ソニー・ピクチャーズがどのような展開を計画しているのか、公式からの発表に注目したい。

KAI-YOU編集部_音楽・映像部門

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ポップポータルメディア「KAI-YOU」の編集部(2013年3月15日より運営開始)。重要性の高いニュース記事に加え、クリエイターへのインタビューや発表会、展覧会などのイベントレポート、独自の視点・切り口からのレビューやコラムなども多数配信。ポップカルチャーと現代社会が相互に影響し合う歴史を記録しながら、シーンの最先端にある新たな価値観や才能を発掘・発信している。

音楽・映像部門では、VOCALOIDやDTMなど多様なカルチャーが絡み合い複雑化するインターネット音楽シーンの現状を発信。ジャニーズから歌い手、ネット発アーティストまで、音楽やMV、映画を対象に、最先端技術を使った映像や膨大な時間がかけられたアナログ手法の作品、それらを生み出すクリエイターを紹介している。

人気キャラクター「ラブブ」に映画化報道 ソニー・ピクチャーズが権利を取得

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