ブルース・スプリングスティーンは、アメリカでの高い認知と評価に反し、日本の音楽リスナーにとってはやや「とっつきにくい」存在かもしれない。“Born In The U.S.A.”しか聴いたことがない、という方も多いのではないだろうか。
映画『スプリングスティーン 孤独のハイウェイ』は、そんなスプリングスティーンのディスコグラフィの中でも異色作といえるアルバム『ネブラスカ』制作中の1982年前後にフォーカスした伝記映画だ。
スプリングスティーンの内面をドラマ映画の形で描いた本作は、ファンの期待に応えるのみならず、氏について今まであまりよく知らなかった(編者のような)人たちにとっても、ブルース・スプリングスティーンという存在についての理解を深め得る映画となっている。
スプリングスティーンの大ファンとして、これまでも氏の魅力を熱弁してきた柴崎祐二が、同作とアルバム『ネブラスカ』を詳細に解説する。連載「その選曲が、映画をつくる」第32回。
※本記事には映画本編の内容に関する記述が含まれます。あらかじめご了承下さい。
