
通夜を終え取材に応じる役所広司 (撮影・村上 大輔)
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肺炎のため8日に92歳で死去した俳優の仲代達矢(なかだい・たつや、本名元久=もとひさ)さんの通夜が13日、都内で営まれ、“愛弟子”の俳優役所広司(69)が報道陣の取材に応じた。「綺麗な顔でした」と恩師の別れを惜しみ「会う度に芝居やんなさいよと言われて芝居はやった方がいいよと言われました。僕はいい塾生じゃなくて僕が1番怒られていて、その記録は破られていないと思う。謹慎処分を受けたこともありますし。親でもないのにこんなに怒ってくれる人ありがたいと感じていました」と涙をこらえながら感謝した。
役所は仲代さん主宰「無名塾」の2期生で、公募開始翌年の78年に入塾した出世頭。大声を出す入塾テストで貧血を起こし、仲代さんが一生懸命取り組む姿勢を認めて目をかけていた。カンヌ国際映画祭の最優秀男優賞受賞など、国際的な俳優となってからも我が子のように接していた。
そんな仲代さんについて、役所は「世間では怖いイメージかもしれませんが、ユーモアのある人で、稽古で失敗することがあってもそれを愛嬌のある人」とし「入塾式に遅刻して、君は1時間2時間前に来なさいとしょっちゅう怒られていた。だから仕事に行く時は早く行かないと落ち着かない体質になってしまって、時間を守りなさい、時間を守りなさいと毎年新しい塾生が入るたびに言っていた。それが染み付いていた。教育は繰り返し繰り返しいうことだとおっしゃっていた」と現在の役所の仕事に向き合う姿勢を作ってくれたことを明かした。
「初めて仲代さんの出演するドラマに出させてもらった時、2人だけで話すシーンがあって」と振り返り「緊張してNGを出しちゃいけないと思ってセリフを用心しながらしゃべっていた。その時に仲代さんが『セリフを用心するな、NGを出してもいいから』と。それをいつも仕事する時に思い出します。用心しないようにするにはそれだけ準備しなさいということなんでしょうけど。本当にお世話になって。僕たち塾生にとって無償で教えてもらっていて、貴重な時間でした。感謝、それしかないです」と思い出をかみしめるように語った。
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