ダウンタウンの松本人志さんが、有料ウェブコンテンツ「ダウンタウンプラス」で活動を再開した。地上波よりも厳しいコンプライアンスを求められない配信コンテンツは今後どうなっていくのか。ネットメディア編集者の城戸譲さんは「芸能人や制作陣には魅力的に映るが、好調を維持できるかというと疑問が残る」という――。

写真=時事通信フォト
日本テレビが大みそかに放送する「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで‼大みそかスペシャル」の会見に松本人志さんが登場。最近、髪を染めたことについて「白髪が増えてきた。この番組のせい」=2014年12月3日、東京都内
「ダウンタウンプラス」はエンタメの治外法権になり得るか
「ダウンタウン」の松本人志さんが、吉本興業が新たに始めた動画配信サービス「DOWNTOWN+(ダウンタウンプラス)」で芸能活動を再開した。テレビ業界は、コンプライアンス意識の高まりや、コーポレートガバナンス(企業統治)の順守を背景に、松本さんの復帰に厳しい姿勢を保っている。そこで今回は「ダウンタウンプラスは、エンタメの治外法権になり得るのか」という視点から、その成否を考えてみたい。
ダウンタウンプラスは2025年11月、松本さんによる生配信からサービスを開始した。2023年末に『週刊文春』が報じた疑惑を受けて、松本さんは文藝春秋などを相手取り訴訟を行うことを理由に、芸能活動を休止。約1年10カ月ぶりの表舞台とあって、ファンのみならず、多くの人々から注目を集めた。
しかしながら、松本さんに対する風向きは、依然として強い。なかでも強固な姿勢を見せているのがフジテレビだ。「酒のツマミになる話」をめぐる一件は、松本さんを取り巻く“テレビ業界の現状認識”を強く感じさせるものだった。
同番組の10月24日放送分は、ハロウィーン直前とあって、出演者がコスプレ姿で出演する内容が予定されていた。しかし当日になって、過去回の再放送に差し替えられてしまう。一部報道によると、千鳥の大悟さんが、前任MCである松本さんのコスプレをしていることを、フジ上層部が問題視したとされる。これを受けて、千鳥は番組降板を申し入れ、結果的に年内での番組終了が決まった。
