静けさの中に、確かな芯を感じさせるクラシック。イタリア人デザイナーと韓国の職人技の感性が出会い、2024年初頭に設立された「La Piscine(ラ ピシーヌ)」は、流行の波に左右されず、まるで時を止めるような服づくりを続けている。

デザイナーが生まれ育った山あいの町、叔母が営んでいたブティック、そして不朽の名作、映画『La Piscine』――そんな個人的な記憶と美意識が重なり合って、同ブランドの世界観は形づくられている。ブランドの根底に流れるのは、「着る人の人生に寄り添う服」という揺るぎない信念だ。

移りゆくトレンドよりも品質と心地よさを重視し、クラシックを再定義することで、ニュートラルでしなやかな女性像を描き出すデザイナー、アリス・モラシーニに話を聞いた。

PROFILE|プロフィール

アリス・モラシーニ(Alice Moraschini)

アリス・モラシーニ(Alice Moraschini)

“時を止める服”をつくる「La Piscine」の思考 「La Piscine」というブランド名には、単なる涼やかさやリゾート感を超えた、美意識の結晶が宿っている。設立者であるアリスは、イタリア北部の小さな町で育ち、叔母が営む高級ブティックでファッションに魅せられた後、ミラノのマランゴーニ学院でデザインを学んだ。

「商業的な現場でキャリアを積んだことで、創造性と消費者のリアルなニーズ、その両方を理解する視点を持てた」と語る彼女は、2019年に自身初のブランドをローンチ。その経験を経て、2024年初頭に満を持して立ち上げたのが「La Piscine」だ。

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