2025年11月10日
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鑑賞方法:VOD
本作は、見応えある内容となっていました。
役者も最高で、テーマも殺人という犯罪をした人がいかに更生し社会の一員として振る舞うのが困難かを誠実に描いていて、胸を刺してくる内容となっていました。
原作は『身分帳』著者は『佐木隆三』原作は実在の人物を基にした作品となっているが、映画本編では、著者の佐木も寄り添う形で登場している。
今回の脚本で特に良かった点は、この津乃田の視点を入れた所にあります。
この人物がが入る事で、時間に取り残され、身よりもない主人公が本当の意味で社会とリンクしていく様が描かれています。そして、一番辛いのが主人公が社会とリンクする為に自分の意志を殺して、社会の一員になれた、その結果本当に死んでしまったところです。メタファーとしての死は、精神の死と同じ意味を持つ事を示唆しているように感じました。
私達は、見て見ぬふりをする事に慣れすぎたのか、そんな社会で良いのか、彼のような人が真っ直ぐのまま生きられる社会が理想なのか。。。
思案に耽けさせられる作品でした。
さて、どこが気持ち悪いか。
節々で感じる女性からの視座。って書くと蔑視の様になってしまうけれど、平等であれば、気持ち悪さも無いかもしれないのだけれど、父性がすっぽりと抜け落ちてしまっているのが、どうも気持ち悪い。
この表現は吐きそうというよりも、インナーを着ずにワイシャツを着て汗かいたみたいな気持ち悪さ。
一言だと調和が取れてない感じです。
マザコンみたいな主人公に、喧嘩を撮影して逃げ出す津乃田を責める女、主人公が地元の仲間へ帰った先の風俗嬢、地元の仲間の姉さん。
翻って主人公の友人となった男達は軟弱そうな役作りとなっています。
なんていうか、こんな監督しかいないなら邦画はもう見なくても良いかなって気持ちです。
原作を2時間かけて最高の役者で紹介してくれてありがとうございます。
それ以上には残念でしたが、私個人としてはなりませんでした。
1時間かそこらでまとめてくれたら良かったかなと思います。
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