ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2025.11.07 15:00
Kビューティーの人気が世界的に高まる中、韓国のビューティー企業の製品を装った「偽化粧品」による被害規模が、今年だけで220億ウォン(約23億円)に達したことが分かった。6日、中央日報が情報公開請求を通じて韓国関税庁から入手した資料によると、関税庁が今年1〜9月に摘発した韓国ビューティーブランドの知的財産権侵害による被害規模は総額220億ウォンで、前年(9億ウォン)に比べ24倍以上に急増した。韓国のビューティーブランド製品であるかのように装った模倣品だ。2020年当時は1億ウォン程度にすぎなかったが、爆発的に増加した。
偽造化粧品の主な輸出元は中国だった。偽造化粧品は実際に出荷された国(積出国)を基準に摘発されるが、今年9月までに摘発された偽造化粧品のうち99%が中国から、0.1%がタイから出荷されていた。関税庁関係者は「今年は中国発の偽造化粧品が米国を経由して韓国に流入したケースが異例に多かった」とし、「摘発金額のうち81%(178億ウォン)がそのような事例だった」と説明した。
偽造化粧品は韓国ビューティーブランドのデザインや製品名をそのままコピーし、消費者が肉眼で判別するのが難しい場合がほとんどだ。ビューティーテック企業APRの自社調査によると、同ブランド「メディキューブ」のコラーゲンマスクの模倣品は、正規品の製品名の「コラーゲン」という単語を「ゴラーゲン」と変え、容量やパッケージを正規品と全く同じにして消費者に消費者に誤認を与えていたという。
偽造品の製造業者らは、高価なKビューティーブランドからコスパ重視のブランドまで幅広くコピーしている。
◇製品名「コラーゲン」を「ゴラーゲン」に…肉眼では判別困難
祖国革新党のチャ・ギュグン議員室が関税庁から提出を受けた資料によると、昨年、海外で製造された偽造化粧品のうち最も多かったのはアモーレパシフィックの「Sulwhasoo(雪花秀)」の模倣品(541点)だった。今年に入ってからは大衆ブランドを対象にした偽造が急増しており、コスパ化粧品の代表格である「manyo(魔女工場)」の模倣品が952点で1位、「Sulwhasoo」が812点で2位(9月基準)だった。
業界の悩みも深まっている。APR関係者は「偽造化粧品は成分を正確に把握できず、消費者被害が懸念される」とし、「企業の知的財産権侵害にとどまらず、Kビューティー製品全体の信頼度を損なう恐れがある」と指摘した。
各企業は独自のモニタリングを強化し、関係機関と協力して偽造化粧品への対応を強化する方針を示している。アモーレパシフィック関係者は「海外税関と緊密に協力し、偽造品が輸入通関段階で流入しないよう遮断措置を強化している」と述べ、「偽造品の製造や流通に関与した者に対しては厳格に法的対応を行っている」と話した。
韓国政府も企業と協力し、官民実務協議体を構成する案を検討している。関税庁関係者は「Kビューティーの知的財産権侵害を識別できるガイドブックを作成し、税関および関連機関に配布している」と述べ、「知識財産処や海外通販プラットフォームと協力して偽造品摘発を強化し、来年中に『Kブランド保護』のための官民実務協議体を運営する計画だ」と説明した。
一方、同日アモーレパシフィックは7-9月期連結基準で売上高1兆1082億ウォン、営業利益1043億ウォンを記録したと公示した。米国への輸出増加と中華圏市場の事業構造再編の影響で、前年同期に比べ売上高は3.8%、営業利益は39%それぞれ増加した。ビューティー業界の時価総額1位であるAPRは、7-9月期の売上高3859億ウォン、営業利益961億ウォンを記録し、過去最高の四半期業績を達成したと明らかにした。
