2025年11月9日
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鑑賞方法:映画館
ポスターがまず素晴らしい。空と高校をバックに並ぶ4人の姿、当時のスチール写真が使われている。内側にギターの香椎由宇とベースの関根史織、向かって右にボーカルのペ・ドゥナ。この3人はVサインを出している。向かって左はスティックを両手で振り上げたドラムの前田亜季。4人の上に「LINDA LINDA LINDA 」のタイトルが黄色の英文字でのる。ザ・ブルーハーツの曲は「リンダリンダ」で、もともとタイトルにリンダが一つ多い。勢いづいて1回多く言っちゃった、というような元気の良さがタイトルにはあるのだけどそれを見事に反映したポスターであって、もちろん映画自体もまず勢いがある。
監督としては高校の文化祭というものをなるべく、リアルに再現したかったのだろう。最初と途中で出てくる実行委員会?のつくる文化祭紹介ビデオの下手くそな感じはそこを演出しているわけだ。でも2005年当時、香椎由宇こそまだ18歳だったが、前田亜季と関根史織は二十歳を超えており、ペ・ドゥナはすでに26歳だった。ちょっと職業人としての匂いがし始めている彼女たちは高校の文化祭という設定から少し浮いている感じはしないでもない。松山ケンイチが簡単にあしらわれるわけだ。でも、その点を超えて、4人はバンド練習を通して絆を強くする感じを演じるとともに、2曲だけとはいえ実演奏を仕上げてみせた。バンドもので一番大事なのはいかに「ぶっ飛ぶ」感じにいきつくかである。ここをみごとに達成している。(ベースの関根がそもそもプロであることが大きい。ベースまで素人だとあそこまで届かなかったかもしれない)
バンドはもちろん音楽をやった人間にとっては、この飛ぶ感覚は忘れられずいつまでも体で記憶されているものである。だからこの映画はいつの時代の誰にとっても懐かしく、温かい。
リンダ リンダ リンダ
