東京のどこかに“爆発予定の爆弾”が仕掛けられたという前代未聞の事態のなか、取調室での攻防と都内各地での爆弾捜索の行方を同時進行で描き出す映画『爆弾』(公開中)。本作は、呉勝浩の同名ベストセラー小説を実写映画化したリアルタイムミステリーだ。
類家(山田裕貴)vsスズキタゴサク(佐藤二朗)の駆け引きに引き込まれる![c]呉勝浩/講談社 [c]2025映画『爆弾』製作委員会
酔った勢いで自動販売機や店員に暴行を働き、警察に連行された謎の中年男。彼は「スズキタゴサク」と名乗り、自身に霊感があると言い、都内に仕掛けられた爆弾の存在を予告。秋葉原での爆破を皮切りに、「このあと1時間おきに3回爆発が起きる」と予知していく。尋問をのらりくらりとかわしながら、爆弾に関する謎めいたクイズを出し、刑事たちを翻弄していくスズキ。彼は一体何者なのか。仕掛けられた“爆弾”の正体とは?
都内の“爆弾”を追う、人気ミステリー小説を実写映画化[c]呉勝浩/講談社 [c]2025映画『爆弾』製作委員会
スズキとの交渉に挑む刑事の類家役には山田裕貴。爆弾捜索に奔走する巡査の倖田を伊藤沙莉、スズキの過去を探る刑事の等々力を染谷将太、倖田巡査の相棒・矢吹を坂東龍汰、スズキの見張り役を務める刑事の伊勢を寛一郎、類家の上司・清宮を渡部篤郎、そして物語の鍵を握るスズキタゴサク役を佐藤二朗が演じるなど、豪華キャストの競演も見どころだ。
10月31日に公開を迎え、実写映画初登場1位、公開から4日間で興行収入5.2億円を突破し、早くも話題を呼んでいる本作を、今年『怪獣ヤロウ!』で映画初主演を飾ったぐんぴぃと映画好きとして知られる土岡哲朗の、「春とヒコーキ」の2人に鑑賞してもらった。「俳優陣の芝居合戦がたまらない」「佐藤二朗さんがスゴイ!」「カメラワークがエグい」「真相が見抜けなかった」と存分に楽しんだと言う春とヒコーキの2人。映画好きの土岡は本作を「新しい群像劇」と形容し、ぐんぴぃは映画鑑賞直後からスズキタゴサクのモノマネが止まらないほど、どハマり中。すっかりお気に入りの一作となった本作の見どころをたっぷりと語ってもらった。
「爆弾があったらどうしようって頭をよぎりました」(土岡)シーンを再現しながら見どころをたっぷり紹介した春とヒコーキ撮影/河内彩 ヘアメイク/大久保里香
――お2人とも映画『爆弾』にかなりハマったとのことですが、まずはご覧になった感想をお聞かせください。
ぐんぴぃ「事前情報ナシの状態で映画を観ました。タイトルを聞いて(岡本喜八監督の)『ああ爆弾』(64)のリメイクだと思い込んでいたくらい(笑)。佐藤二朗さんが出てきた時も、ちょっと変な役でインパクトを残すゲストくらいに思っていたら、取調室でクイズを出し始めて。その構図が『クイズ!! 99人の壁』に見えてきて…」
土岡「あれはもっとポップなクイズ番組だよ(笑)」
ぐんぴぃ「でも構図がそう見えちゃって。新しい番組が始まったのかな?と。でも、気づけばスズキタゴサクの術中にハマっているのかというくらいに一気に物語に引き込まれました」
土岡「僕は映画館で予告を見た瞬間に、公開されたら観に行こうと思いました。見どころを伝える予告でこんな渋い会話劇を見せるということは、全編がおもしろい会話劇になっているはず!と思って。正直、最初は会話で進めていくおしゃれな映画かな?と高を括っていたけれど、めちゃめちゃ自分の人生観を、平和ボケのようなところを殴られてくるような映画で驚きました」
ぐんぴぃ「急に始まる感じにもびっくりしたよね」
土岡「刑事さんの平和な日常パートがあってからの事件が起きるみたいな作品が多いけれど、いきなり本題から始まる。タゴサクが捕まってきました!って。映画のなかに日常パートがない分、僕らの日常生活がフリにされているような。僕たちの生活にこんなヤツが現れちゃいましたって感じで、地続きでこんな怖いことが起きているという感覚になりました」
――一気に持っていかれる感があったのでしょうか。
【写真を見る】ぐんぴぃがスズキタゴザクをモノマネ!似すぎ!!撮影/河内彩 ヘアメイク/大久保里香
土岡「爆弾があったらどうしようって頭をよぎりました。タゴサクもこんな人いないよって感じでもないし…」
ぐんぴぃ「いなそうだけどいそう、こんなヤツもいるかもって思っちゃう。ずっとおもしろい映画だけど、タゴサクは本当に登場時からへつらう感じが不気味でしょうがなくて」
土岡「あの下手に出る感じが、なんかね」
ぐんぴぃ「『10万円貸してくださいよ〜(タゴサクのモノマネで)』から始まるあの会話」
――モノマネ、そっくりですね。褒め言葉ですが、本当に不気味です(笑)。
ぐんぴぃ「インタビュー中、タゴサクのセリフは全部モノマネで行くので、覚悟してください!」
土岡「映画を観てから、ずーっとタゴサクのモノマネをやっていて。楽屋でもどこでも(笑)」
