動画説明, ミス・ユニバース、各国代表が抗議の「集団退席」 運営側がメキシコ代表を叱ったあと
ミス・ユニバース、各国代表が抗議の「集団退席」 運営側がメキシコ代表を叱ったあと
1時間前
ミス・ユニバース世界大会の事前説明会が4日、今年の開催国タイで開かれた。途中、タイの運営責任者がメキシコ代表を公然と叱責(しっせき)し、各国の代表たちがこれに抗議して集団で退席する事態となった。
今年の大会を運営するナワット・イサラグリシル氏(60)は、ミス・メキシコのファティマ・ボッシュ氏(25)がプロモーション用コンテンツを投稿しなかったことを、各国の代表が集まる場所で批判した。
ナワット氏はこの時、メキシコのナショナルディレクターの指示に従うのならボッシュ氏は「ばか」(dumbhead)だと言ったと、広く報じられている。
ボッシュ氏も報道陣に対し、ナワット氏が「敬意を欠いた」態度で自分のことを「ばか」と呼んだと語っている。
しかし、ナワット氏はその後の記者会見で、ボッシュ氏が「損害」(damage)を招いたと言ったのだと主張した。
問題の発言があったとき、ボッシュ氏が抗議しようと立ち上がると、ナワット氏は警備員を呼んだ。こうした状況に、各国の代表らも立ち上がり、次々に退室しようとした。
するとナワット氏は「座れ」と声を荒らげ、席に戻らなければ失格にすると代表者たちを脅した。
この緊迫したやり取りの様子は、ミス・ユニバース・タイランドのフェイスブック・ページでライブ配信され、オンラインで広く拡散されている。
ミス・ユニバース機構(MUO)はナワット氏の行為を「悪意のあるもの」と非難。ナワット氏はその後謝罪した。
ボッシュ氏は後のインタビューで、「私は声を上げることを恐れない。ただそのことを母国に伝えたい。今ここで、かつてないほど強い声が響いている。私には目的がある。言うべきこともある」と述べた。そして、次のように訴えた。
「私たちは21世紀を生きている。私は化粧され、スタイリングされ、服を着せ替えられる人形ではない」
「私は、さまざまな大義のために闘うすべての女性や少女たちの声となるために、そして、私がそのことに全力を尽くしていることを母国に伝えるために、ここに来た」
4日の説明会で席を立った関係者の中には、昨年のミス・ユニバース優勝者ヴィクトリア・キア・タイルヴィグ氏(デンマーク代表)もいた。
「これは女性の権利に関わること」だと、彼女は退出しながら語った。
「こうした対処の仕方は間違っている。ほかの女性をおとしめる行為は、敬意を欠いたという程度のものではない」
MUOは国際的な幹部からなる代表団を現地に派遣し、大会運営を引き継いだという。
ラウール・ロシャMUO会長は動画声明で、ナワット氏は「真のホストたるべき本質を忘れてしまった」と指摘。
タイの運営側がボッシュ氏に「恥をかかせ、侮辱し、敬意を欠いた態度を示し」、「無防備な女性を威嚇するために警備員を呼びつけるという重大な虐待行為」を犯したと、ロシャ会長は述べた。
さらに、MUOはナワット氏の大会への関与を「可能な限り」制限するか、同氏を完全に排除する方針だと付け加えた。同氏に対しては「法的措置」を取るつもりだという。
「ミス・ユニバースは、女性が自分たちの声を世界に届くようにするエンパワーメント(力づけ)の場であることを、改めて強調したい」と、ロシャ会長は述べた。
