食のスペシャリスト&グルメに精通する識者で構成される「FRaU Foodies」が、今イチオシの料理やスイーツなどをお届けします。蕎麦好きミュージシャンとして、『マツコの知らない世界』に出演するなど、さまざまなメディアで蕎麦愛を語っている、DEENのヴォーカリスト・池森秀一さんが、山梨県甲府市の蕎麦店をレコメンド。全国各地で蕎麦を食べている池森さんが驚いた蕎麦とは。
池森秀一さんおすすめの蕎麦一覧▶︎
産地・挽き方の違う4種類の蕎麦を食べ比べ
「種類によって蕎麦粉の産地を変えて打たれるお蕎麦。そして唯一無二の蕎麦湯をぜひ味わっていただきたいです!」
池森さんが絶賛するお店は、山梨県甲府市にある『専心庵(せんしんあん)』。
写真提供/池森秀一
店主の佐藤正男さんは、福島県会津若松市にある『桐屋』で蕎麦を食べたときに衝撃を受け、蕎麦の世界へ踏み込みます。どうしたらこんなに美味しくなるのだろうかと考えた結果、いきなり石臼を購入します。
それから独学で蕎麦の実から蕎麦粉を挽き、手打ちで蕎麦を打ち始めます。しかし思うようにうまく打てず、違う石臼を購入して挽いてみたところ、理想的な十割の細打ち蕎麦ができたそう。
それから店を開いて、27年。多くの蕎麦好きを唸らせています。
「蕎麦は材料がよくないとダメ。生命線である材料の生産者に恵まれています」と佐藤さんは言います。
写真提供/池森秀一
韃靼そばは外国産ながら、それ以外の蕎麦は国産にこだわって産地も指定。新蕎麦の実をまとめて買い付け、味覚に響かないよう冷蔵庫を8℃にし、低温保存しています。徹底した管理のもと、蕎麦が作られているのです。
粗挽きは、長野・上村下栗の手刈りで天日干しした玄蕎麦(蕎麦の実の殻をそのままにしたもの)を石臼でふるい、十割で打っています。希少な品種ゆえ、長野・開田高原産、栃木・那珂川町馬頭産に変更される場合があります。
生粉蕎麦は、北海道産のぬき蕎麦(玄蕎麦から蕎麦殻を取り除いたもの)を十割で細打ち。水と蕎麦粉だけで仕上げます。玄生粉蕎麦は、開田高原産、馬頭産、北海道産のいずれかの玄蕎麦を十割で打っています。
韃靼そばは、韃靼蕎麦粉と生粉蕎麦の蕎麦粉を同じ割合で合わせて、クセのある韃靼そばを食べやすく調整しています。
池森さんは、ここまでこだわり抜いた蕎麦をどのように楽しんだのでしょうか?
