(CNN) フランスのパリ市が異色の抽選会を実施すると発表した。当選者が得られるのは、賞金ではなく、市内の著名な墓地に埋葬される権利だ。

市役所は声明で、今回の計画について、老朽化した墓を修復するとともに、パリ市民に人気の高い墓地の区画を確保する貴重な機会を提供することを目的としていると説明した。

市内の墓地は20世紀初頭からほぼ満杯で、放棄された墓を整理する作業は地元の規制により複雑化しているという。

ドアーズのフロントマン、ジム・モリソンもペール・ラシェーズ墓地に埋葬されている/Bertrand Guay/AFP/Getty Images
ドアーズのフロントマン、ジム・モリソンもペール・ラシェーズ墓地に埋葬されている/Bertrand Guay/AFP/Getty Images

今回、当選者は三つの墓地にある30基の墓のうちのひとつを購入し修復する機会を得られる。市役所は一定の基準を満たす者に対し、対応する埋葬区画を貸与することに合意した。

「ここ数十年、フランス全土の墓地を訪れる人々は、墓地の利用権を得るために歴史的な墓碑の修復に関心を示している」と市役所は述べた。

墓がある土地を管理する法律によって、その機会を与えることは複雑化している。墓地は国が所有しており、家族が一定期間区画を借りる制度が適用されているためだ。

フランス・パリにあるモンマルトル墓地=2018年/Lucas Barioulet/AFP/Getty Images
フランス・パリにあるモンマルトル墓地=2018年/Lucas Barioulet/AFP/Getty Images

今回、市役所はその解決策を見いだしたとしている。ペール・ラシェーズ墓地では10区画を用意している。この墓地には、ロックバンド「ドアーズ」のフロントマンだったジム・モリソンや、劇作家オスカー・ワイルド、歌手エディット・ピアフらが眠る。

モンパルナス墓地(作家のジャンポール・サルトル、シモーヌ・ド・ボーボワール、スーザン・ソンタグら)でも10区画、モンマルトル墓地(画家エドガー・ドガ、作家エミール・ゾラ、舞踊家ワツラフ・ニジンスキーら)でも10区画が対象となる。

既存の墓はそれぞれ4000ユーロ(約70万円)で購入でき、修復費用は当選者の負担となる。

当選者はその後、墓地のリース契約を購入できる。期間10年の契約は976ユーロからで、永久に安置される場合は1万7668ユーロまで上昇する。

申し込みは3日に始まり、12月31日に締め切られる。応募者は登録料として125ユーロを支払う必要がある。

Leave A Reply