連続テレビ小説「ばけばけ」で朝ドラ初出演を果たした北川景子。演じる雨清水タエは物乞いに…(C)NHK
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 キャリア20年超を誇る女優の北川景子(39)がNHK連続テレビ小説「ばけばけ」(月~土曜前8・00、土曜は1週間振り返り)で念願の朝ドラ初出演を果たした。第28回(11月5日)、演じる主人公・松野トキ(髙石あかり)の“親戚”雨清水タエが物乞いに身をやつした姿が描かれ、視聴者は衝撃。同局から北川のコメントが到着し、初挑戦への驚きや喜びとともに、長丁場の大阪撮影と家庭との両立への不安も吐露。実現の裏には、夫で歌手のDAIGO(47)や双方の両親の協力があった。

 <※以下、ネタバレ有>

 「バイプレイヤーズ」シリーズやNHK「阿佐ヶ谷姉妹ののほほんふたり暮らし」など会話劇に定評のある、ふじきみつ彦氏がオリジナル脚本を手掛ける朝ドラ通算113作目。松江の没落士族の娘・小泉セツと、その夫で日本の怪談を世界に紹介した明治時代の作家・小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)をモデルに、怪談を愛してやまない夫婦の何気ない日常を描く。

 松江随一の名家に生まれ、凛とした気品と厳しさを兼ね備えるタエ。しかし、夫・雨清水傳(堤真一)に先立たれ、織物工場は閉鎖。松江を離れたはずだったが、困窮の末に物乞いとなった姿をトキが目撃した。

 北川は「朝ドラにはご縁がないんだろうなと思っていたので、お話を頂いた時は『えっ、朝ドラですか』とビックリしました。若い頃、凄く出たくてチャレンジしていたので、とてもうれしかったです」とオファー時の心境。「ただ、今は子どもが2人いるし、撮影場所が東京ではなく大阪で(大阪放送局制作)。撮影期間も長いので喜びと同じくらい家庭と両立していけるのか不安があったのですが、夫やお互いの両親が協力すると背中を押してくれました」と打ち明けた。

 お市&茶々の1人2役が反響を呼んだ2023年のNHK大河ドラマ「どうする家康」のチーフ演出・村橋直樹監督と再タッグ。「一回ご一緒した方から声が掛かるのは凄くうれしいです。タエの登場シーンは朝ドラというより大河みたいで『あれ?朝ドラって聞いてたんやけどな』と思いました(笑)。1人で大河をしている感じも面白かったです」と関西弁交じりに振り返る。

 主人公・トキとの関係については「あの時代なので、もう気持ちが割り切れていると思います。子どもが生まれない家にはたくさん生まれたところから渡し、家の力を強くすることが大切だとタエも教えられてきたはず。過去に私が演じてきた武家の娘もそうでした。傳さんも死に際に『わしとおタエの子ではない』と明言していましたし、タエもその通りだと思っているのではないでしょうか。もちろん母性やトキを手元に置いておきたい気持ちもあったと思いますが、松野家を途絶えさせるわけにもいきません。愛情を持って育ててくれる親族にお渡しした以上は口出ししないのがルールですし、おフミさん(池脇千鶴)に失礼になるので『産んだお母さんは私』という空気だけは出さないように気にしながらやっていました」と明かした。

 今後の展開については「ふじきみつ彦先生の脚本は深く描く部分と跳ねる部分のバランスが良く、真剣にやるところはやるし、笑わせるところは笑わせるので、そのメリハリがとても面白い作品になっていると思います。豪華すぎるおばという感じで登場したタエは物乞いとなりましたが、やはり人間は危機に直面したときの生き方が大事。死にたいところを死なず、タエなりに諦めず、自分と向き合いながら何とか生きようとする姿、そして息子を生かせようとする姿を見守っていただけたらうれしいです」と視聴者へメッセージ。

 「第15回(10月17日)で三之丞(板垣李光人)に『手放した分、愛おしくなるなら、だったら私も他所で育ちたかったです』と言われた時は、いかに間違った育て方をしていたのかを目の当たりにして愕然としました。あんなに三之丞を追い込んでいたとは、親としての呵責を感じましたね。傳さんの『何を言うんじゃ、三之丞』という台詞も台本よりずっと切実な響きを持っていました。この先どんな話になるか、まだ私にも分かりませんが、タエと三之丞の親子関係にどこかで雪解けが来ることを信じながら頑張ります」。北川のさらなる新境地が注目される。

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