映画「ブルーボーイ事件」出演イズミ・セクシーを直撃 「まわりの俳優さんたちが素人の私を“アー子”にしてくれました」

イズミ・セクシー(C)日刊ゲンダイ

 1960年代の性別適合手術裁判から着想を得て映画化された「ブルーボーイ事件」。性別適合手術(当時は性転換手術)を受けた、通称・ブルーボーイの売春行為が違法行為に該当せず、検察は手術を行った医師を逮捕。手術の違法性を問う裁判で手術を受けた人たちが証言台に立つ。そんな裁判で証言台に立ち、物語を大きく動かすのがイズミ・セクシー演じる「アー子」だ。同作は「東京国際映画祭」ガラ部門に選出され、10月27日のレッドカーペットにも登場した。

 ──レッドカーペットはどうでした?

「いまだにウソみたいって、映画に出た自覚も薄いんです」

 ──演技はほぼ初めてというが、イズミの自然な演技にアー子に感情移入する人が続出。アー子と自身は重なる?

「私を選んでくださったのはビジュアルかな?(笑)。アー子は世界をより良くしたい気持ちにまっすぐで、怖がらない。私はシニカルだったり、笑っちゃったりちょっと変化球にするタイプですね。でも、悲しまずにいられる世界になればという気持ちは一緒です」

 ──錦戸亮との掛け合いも多かったが。

「錦戸さんはカメラが回るとギュッと集中して演技される方で、プロなんだな、と思いましたね。錦戸さんもですが、証言台のシーンなどシンプルなセットの中で、皆さんの気迫に追い込まれて私も作品の一部としてアー子にしてもらった感じです」

「誰もが抱える何かと共鳴する、深く見てもらえる内容だと思います」

 ──試写を見た人たちの評価は上々だそうだが。

「皆さん熱い、長文LINEをくださって『手ごたえのあるいい映画を見ました』って言っていただけてうれしいですね」

 ──現在、全国70館以上で公開が決定している。

「皆が邪念なく、同じゴールに向かって走った成果だと思います。ファッションなどビジュアルや会話は軽快なところもあり、セクシュアルマイノリティー、トランスジェンダーの話にとどまらず、誰もが抱える何かと共鳴する、深く見てもらえる内容だと思います」

 ──最後に見どころを。

「人それぞれが持ってる、より良い未来に向かうための勇気をくれる作品だと思います。そして、ぜひ初々しい私を見ていただけたら! よろしくお願いします!」

(取材・文=岩渕景子/日刊ゲンダイ)

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