掲載日

2025年11月5日

欧州、アジア、米国の専門家の支援を受けたアフリカの複数団体が、UNEP(国連環境計画)に書簡を送り、世界的な繊維循環プロジェクトの基盤となるデータの信頼性に警鐘を鳴らしています。また、ファストファッション大手に「従属」する関係者に与えられている信用についても異議を唱えています。

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実際、UNEPの「使用済み繊維製品の循環性と貿易」プロジェクトの前提そのものが問われています。ガーナ、トーゴ、ケニア、パキスタンの機関が署名した公開書簡(こちらから閲覧可能)は、「未検証」とされる主要データの妥当性に疑問を投げかけています。署名者らは、この将来の枠組みの目的の一つは、中古市場で再使用可能な衣類と繊維廃棄物の線引きを定義することにあるとして、そのためにもデータの信頼性が極めて重要だと強調しています。

UNEPプロジェクトは、持続可能で循環的な繊維バリューチェーンに向け、貿易改革や資金調達の選択肢に関して、政策・資金・投資・規制の主要な優先事項を特定することを目指しています。しかし、公開書簡の署名者らは、最近の意見聴取の段階が拙速で、未検証の数字により偏りが生じているとして批判しています。

「この協議プロセスを通じて私たちが目にしたものは、国連のプログラムに期待される客観性とは一致しません」と、ガーナ中古衣料販売業者協会の会長、Jeffren Boakye Abrokwah氏は述べます。「例えばガーナでは、UNEPの調査パートナーは、すでに廃棄物管理の啓発キャンペーンを展開しているNGOで、ファストファッション産業から資金提供を受けています。(…)そのため、収集されたデータの中立性が損なわれた可能性があります。」

「ファストファッションの利害に従属」

「検証されていない結論を採用しようとするUNEPの姿勢は、自ら掲げる公平性へのコミットメントに反し、公衆の信頼を損なうものです」と、英国のTextile Recycling Association(繊維リサイクル協会)の事務局長、Alan Wheeler氏は批判します。「UNEPが、ファストファッションの利害に従属している運動団体と距離を置かなければ、その取り組みは大きく損なわれかねません」と、ケニアのMitumba Consortium Association(ミトゥンバ・コンソーシアム協会)の会長、Teresiah Wairimu Njenga氏は警告します。

発展途上国における衣類の埋立地や野積みの光景が主要な衣料消費国に衝撃を与えてきたことを踏まえると、アフリカの関係者が発したこの警鐘は大きな反響を呼ぶ可能性があります。そうした国々では、西側から流入する古着が巨大なセカンドハンド市場を支え、数量ベースでは新品市場を上回っています。

しかし、署名団体とUNEPのこの応酬は、世界の古着市場が変革期にあるまさにその最中に起きています。アフリカにおける西側の古着の受け入れは、同市場にアジア産衣料が大量流入したことで、近年細っています。繊維回収が飽和状態にあるなか、スウェーデンは例外的に衣料の廃棄を認め、フランスでは回収事業者がストライキに突入し、自らのビジネスモデルが危機に瀕していると訴えています。

UNEPによれば、繊維業界で失われている価値は5,000億ドルに達し、繊維廃棄物の95%は再使用可能な衣類だと見積もられています。なお、世界の衣料品生産は過去15年間で倍増しています。

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