日本のアニメや特撮から多大な影響を受け、ホラーからアメコミ、アニメーションまで幅広いジャンルでその才能を見せつけるギレルモ・デル・トロ監督。

地元メキシコの盟友キュアロン、イニャリトゥに続いてアカデミー賞監督賞を手に入れたデル・トロ監督地元メキシコの盟友キュアロン、イニャリトゥに続いてアカデミー賞監督賞を手に入れたデル・トロ監督[c]Everett Collection/AFLO

『ゼロ・グラビティ』(13)のアルフォンソ・キュアロン監督や『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』(14)のアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督らと共に2010年代のアメリカ映画界を席巻したメキシコの映画人の1人であり、『シェイプ・オブ・ウォーター』(17)では彼らに続いてアカデミー賞監督賞の栄誉を手にしている。

長編監督デビューを果たしたのは1993年。そこからコンスタントに作品を発表してきたとはいえ、手掛けた長編作品はまだ13本。そのほとんどで自ら脚本を兼任しているように、独自の美学を追求した作品群が揃っており、新作のたびに熱心なファンが増えつづけていることはいうまでもないだろう。そこで本稿では、これまでデル・トロ監督が手掛けた長編作品のなかから映画批評を集積・集計するサイト「ロッテン・トマト」で批評家からの評価が高い10作品を一挙に紹介していきたい。

不思議な生物と発話障害をもつ女性のラブストーリー不思議な生物と発話障害をもつ女性のラブストーリー[c]Everett Collection/AFLO

「ロッテン・トマト」とは、全米をはじめとした批評家のレビューをもとに、映画や海外ドラマ、テレビ番組などの評価を集積したサイト。批評家の作品レビューに込められた賛否を独自の方法で集計し、それを数値化(%)したスコアは、サイト名にもなっている“トマト”で表される。好意的な批評が多い作品は「フレッシュ(新鮮)」なトマトに、逆に否定的な批評が多い作品は「ロッテン(腐った)」トマトとなり、ひと目で作品の評価を確認することができる。

中立的な立場で運営されていることから、一般の映画ファンはもちろん業界関係者からも支持を集めており、近年では日本でも多くの映画宣伝に利用されるように。映画館に掲示されたポスターに堂々と輝くトマトのマークを見たことがある方も多いだろう。

アカデミー賞で作品賞と長編アニメーション賞の両方を受賞している監督は、現時点でデル・トロだけ!アカデミー賞で作品賞と長編アニメーション賞の両方を受賞している監督は、現時点でデル・トロだけ![c]Everett Collection/AFLO

それでは、ギレルモ・デル・トロ監督作品の“フレッシュ”10傑を挙げていこう。

96%フレッシュ『ギレルモ・デル・トロのピノッキオ』(22)95%フレッシュ『パンズ・ラビリンス』(06) 93%フレッシュ『デビルズ・バックボーン』(01) 92%フレッシュ『シェイプ・オブ・ウォーター』(17) 88%フレッシュ『クロノス』(93) 86%フレッシュ『ヘルボーイ:ゴールデン・アーミー』(08) 86%フレッシュ『フランケンシュタイン』(25) 81%フレッシュ『ヘルボーイ』(04) 80%フレッシュ『ナイトメア・アリー』(21) 72%フレッシュ『パシフィック・リム』(13) 72%フレッシュ『クリムゾン・ピーク』(15)

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