外観

三井不動産は、日本橋本町一丁目における、国内初のNearly ZEB木造賃貸オフィスビル開発について、11月1日に着工したと発表した。11階建てで、主要構造部である床・壁・柱・梁に木材を使用した高層階では、純木造のオフィス(共用部等を除く)を実現する。2028年2月竣工予定。

「(仮称)日本橋本町一丁目5番街区計画」として進められているプロジェクト。COREDO室町1・2・3に近接する江戸桜通り沿いに位置し、「日本橋本町三井ビルディング &forest」に次ぐ同社2棟目のハイブリッド木造賃貸オフィスビルとなる。木造設計を強みとする山下設計、純木造建築を含む木造建築物の施工実績を持つ大林組と協働で開発する。

位置図

全体の構造は鉄骨造・木造・一部SRC造で、高層階の8~11階においては主要構造部である床・壁・柱・梁に木材を活用し、純木造のオフィス空間を実現。低層階の2~7階においても主要構造部の一部にて木造耐震壁を採用する。

エントランスホールオフィス専有部(高層部)

建物全体では900m3超の木材を活用しており、約660トンの二酸化炭素を固定化するとともに、建物全体の軽量化・構造合理化にも貢献しているという。

高層階には、三井ホームが独自開発した木造住宅向けの木造耐力壁「MOCXWALL」をオフィス向けに改良し、国内で初めて適用。また、柱の一部には、活用機会の少ない大径木(末口30㎝以上の丸太)の製材を活用している。そのほか、使用する木材の加工の合理化を図り、小梁には流通集成材(120×450)を活用するなど、一般流通規格の木材を活用する。

構造イメージ図(全体)構造イメージ図(高層階・9階平面)

内装・仕上げ材にも木材を利用。専有部内では木に直接触れられる窓際スペースを設けるなど、自然を身近に感じられる執務空間とする。

北側外観オフィス専有部(低層部)

同プロジェクトでは、1万m2超のオフィスビルで都内初となるNearly ZEB(事務所部分)の取得を予定しており、建物のエネルギー消費量を基準値に対して75%削減するとしている。運用時における環境性能の実現にあたっては、環境負荷の少ない建物計画を進めるとともに、高効率の設備を導入して省エネを推進。建物全体の基準値に対して、空調では44%、照明では26%のエネルギー消費量の削減を想定している。

また、木材活用および従前建物の既存杭の活用等の取り組みを通じて、同規模の一般的な鉄骨造のオフィスビルと比較して、躯体部分において建築時CO2排出量約25%削減を想定している。

CO2削減効果

所在地は東京都中央区日本橋本町一丁目5番地。規模は、敷地面積約2,000m2、延床面積約18,000m2、地上11階・地下1階、高さ約56m。主要用途は事務所、店舗等。

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