左から松田龍平、窪塚洋介、豊田利晃監督

鬼才・豊田利晃監督の7年ぶりとなる長編劇映画「次元を超える」が10月17日に公開された。2019年に発表した短編「狼煙が呼ぶ」を皮切りとした「狼蘇山(おおかみよみがえりやま)シリーズ」の集大成であり、新章とも位置付けられる本作が描くのは、孤高の修行者・山中狼介と謎の暗殺者・新野風が次元すらも超えて繰り広げる壮大な人間の物語。「破壊の日」(20)以来、5年ぶりの共演となる山中狼介演じる窪塚洋介と新野風を演じる松田龍平がW主演を務めるほか、千原ジュニア、芋生悠、渋川清彦、東出昌大など豊田監督映画ではおなじみのキャストが脇を固める。第54回ロッテルダム国際映画祭をはじめ、世界中の映画祭で賞賛を浴びる本作はどのようにしてつくられたのか。豊田利晃監督と窪塚洋介、そして松田龍平の3人に本作の制作秘話や見どころ、お互いの魅力などについてたっぷり語ってもらった。

正反対の2人をW主演に

左から松田龍平、窪塚洋介、豊田利晃監督

左から松田龍平、窪塚洋介、豊田利晃監督

——本作は既に海外の映画祭でも上映されているそうですが、その反響はいかがですか?

豊田利晃(以下、豊田):それがどこへ行ってもソールドアウトのバカ受けなんです。この2人(窪塚&松田)も海外で人気があるみたいで。ただ観終わった後に「分からない」という意見もあって、そこはアジアとヨーロッパの文化的な溝のようなものがあるのかな、とも感じました。上映された場所はキリスト教の人が大半なんで。

——豊田監督の「破壊の日」でも共演した窪塚洋介さんと松田龍平さんを再度ぶつかり合わせたということは、お二人の組み合わせに何かを感じてのことだと思います。お二人の間にどういうものを感じてW主演としてキャスティングしたのか教えてもらえますか?

豊田:2人ともキャラクターや個性がまったく違うじゃないですか。どっちが水でどっちが油かは分かりませんが、そんな正反対の2人が一つの画面に収まったときにどんな化学反応を起こすかっていうのはみんな知りたいですよね。それは僕自身も見たかったことだったので出演をオファーしました。

——今回、実際にお二人と撮影してみていかがでしたか?

豊田:面白かったですね。僕も観客の一部のようなもので、現場に入って実際にやってみるまでどうなるか分からない。で、いざ本番となると「そう来るんだ」とか「そうするんだ」みたいな部分がたくさんあってとにかく飽きなかったですね。本人たちを前にこんなこと言うのは恥ずかしいんだけど(笑)。

豊田監督の印象は?

豊田利晃監督

豊田利晃監督

——豊田監督とは数度目のタッグとなるお二人からして、豊田監督とはどういう監督でしょうか?

窪塚洋介(以下、窪塚):俺が豊田監督と一番最初にした仕事ってCMなんですよ。ただそれは結構前だった上にCMの現場だったこともあり、印象としてはそれ以降に仕事をさせてもらうようになってからのものになるんですが。ともかく豊田監督は会うとすごく柔和な印象がある一方で、内面に燃えている怒りや祈りの炎がある。そして生きることの意味を問い続けているともすごく感じていて、それが生々しいほどに作品に現れる人だなと思います。

我々はそれを代弁させてもらっていると言いますか。ただいつも演じていて思うのは、放っているのが自分の言葉なのか、監督の言葉なのか、もしくはそれ以外のモノの言葉なのか……という境界線がとても曖昧になるんですよ。それがとても楽しく魅力的な部分でもあって、演じるときは「ジョジョ」のスタンドのように、豊田監督のスタンドとしてちゃんと代弁するように仕事したいなと思わせてくれる。そんな監督ですね。

松田龍平(以下、松田):だったら俺は豊田さんのポケモンとして、ちゃんと代弁するように……。

窪塚:じゃあもう「ジョジョ」でいいじゃん! なんでちょっと変えてんの(笑)。

松田:あ……そんなこと言ってたら何言おうと思ってたのか忘れちゃった。

豊田&窪塚:あはは!

松田:豊田さんは俺が17歳くらいのときに初めて仕事をさせてもらったんですけど、あのときの印象と変わらないですね。ゆるい感じでつまらないギャグ言ったりして……。

豊田:つまんなくないよ!(笑)。

松田:それで意外とフワフワしてて、ヘラヘラ笑っててね。いやハッピーな感じなんですけどね(笑)。監督やってるときとのギャップがあって。

豊田さんの映画にはいつもワクワクさせてもらっていて。現場では自分なりに自由にやらせてもらっているんですけど、気がついたら「大きな鍋の具になってた」っていう感じで。豊田さんはそういう監督なんです。演出も細かくあるわけではなくて、役者を見て、その役者がどう言う役割なのか豊田さんは分かっているから、素直に演じていれば結果的にうまくはまってっていくっていう安心感みたいなものがあって。完成した映画を観て俺は野菜だなって気持ちになったりして。特に今回は、台詞が多いわけじゃないから、一つの会話でも見ている人に感覚的に訴えるところが大きかったから、どんな映画になるのか楽しみにしていました。

——ほとんどのシーンを栃木で撮影されたんですよね。

松田:パワースポットでしたね。そう思わせるのはそこに住んでいる人の力なのか、土地なのか、季節かもしれないけど、パワーが溢れている清々しいところで、この映画の舞台にぴったりでした。

豊田:現地の村の人も全員参加で(笑)。みなさんにスタッフとして協力してもらいました。

窪塚:豊田監督のみんなを巻き込む引力が半端ないんですよね。

豊田:いろんなところで窪塚がシャワー浴びたから、もう伝説になってるんですよ。もちろん制作部が事前に許可を取って入らせてもらうんですが、「うちで窪塚さんがシャワー浴びていった」「うちでも浴びていった!」って感じで(笑)。

窪塚:俺があちこちでシャワー浴びたがったみたいじゃん(笑)。「浴びろ」って言われたから浴びたんですよ!

松田:俺は一度村の人の家に泊まったんだけど、そこでも「窪塚がシャワーを浴びにきたことがある」って言ってて(笑)。そこの人と長いこと酒飲みながら話してたら、途中から俺のことを「窪塚君」って言いだしたんですよね。最後の方は俺も抵抗しなくなって「窪塚です」って顔してました(笑)。

窪塚&豊田:あはは!

大変だった惑星・ケルマンの撮影

映画「次元を超える」場面カット

——本作は7年ぶりの長編劇映画ですが、その間に毎年のように作り続けた「狼蘇山シリーズ」の集大成と銘打たれていますよね。

豊田:その「狼蘇山シリーズ」って実はあるようでないんですよ。一本ずつは違うんですが、短編映画を重ねていたこともあり「なにか括りが必要だな」と思って付けた冠で。狼信仰で狼の狛犬がある神社が舞台になっているというだけのこと。ただ手塚治虫さんの「火の鳥」のように、それぞれは違う作品だけど何か共通点があったり、どこかつながっているような見え方があればいいなとは思っています。

——先ほど松田さんは「感覚的な部分が大きかった」と語っていた本作ですが、お二人はこの脚本を読まれたときにどのように感じたのでしょうか?

窪塚:「これ、できるのか?」でしたね(笑)。

豊田:それ初っ端から言ってたね。最初の脚本はもっとすごかったんですよ。

窪塚:それで心配な点をいくつか投げた記憶はあります。

松田:台本に、宇宙に行く、ってしれっと書いてるんですよ。「銃口の中に入って宇宙へ飛んでいく」みたいな感じで。それがどう映像になるのか想像がつかなくて。

窪塚:だから仕上がりを見てびっくりしました。VFXと特撮の融合の仕方とか世界観がすごくて「こんなふうにつくったのか」って。YOSHIROTTEN(惑星・ケルマンデザイン)や美術の佐々木(尚)さん、特殊相談役の樋口(真嗣)さんをはじめとするみんなの力の結集がそこには込もってますよね。みんなで観終わった後、煙草吸いながら「次元を超えてたね」っていう感想しかでなかったですもん。

松田:いつか豊田さんに宇宙の話やってほしいな。SFもの。豊田さんが持ってる世界観みたいなものって、どんな話の設定でも活きると思うし、観たいです。

窪塚:ずっと俺ら鏡だらけのところで演技するの? 吐いちゃう可能性あるよ(笑)。

——窪塚さんが名前を挙げた樋口真嗣さんの名前がエンドロールで出てきて私も驚いたのですが、どのような相談をされたのでしょうか?

豊田:いろいろ紹介してくれてかなり助けてもらいました。現場での特殊効果は円谷プロダクションの人が来てくれたんですが、その人たちとつなげてくれてチームをつくってくれただけでなく、「こうやって撮れ」とか「これを使え」とかって教えてくれたり、スタジオの手配までやってくれて。でもいざそれをやるってときに、樋口さんがNteflixの「新幹線大爆破」で忙しくなっちゃって現場にはいなかったんですが、「ここまでやってくれたし、もういいか」って(笑)。

——特殊効果もですが、惑星・ケルマンのセットもこだわりを感じました。

豊田:あれは僕と美術の佐々木さんでつくりあげました。

松田:あれはセット狭かったな(笑)。鏡の反射で広く見えるけど。

豊田:実はケルマンの撮影は人生で初めて追い込まれた現場で、気が狂いそうになってたんですよ。鏡張りだからどうすればカメラが映らないか、反射をひたすら気にする必要がある上に、どのようにカットを撮ってもつながるから。みんな頭がおかしくなってカメラマンとかスタッフも変なこと言い出すから朝までやっちゃったよね。

窪塚:ちょっと揉めてましたよね(笑)。体力的にも限界が近づいてたってこともあり。こっちはこっちで宇宙服が暑くて大変でしたし。

豊田監督の演出

窪塚洋介

窪塚洋介

——役柄については、それぞれ監督とどのようなお話をされたのでしょうか?

窪塚:狼介は修行者で、社会的には事実上失踪しているという設定。ただその人となりの部分は監督から特に説明を受けたりはなかったと思います。

豊田:窪塚洋介は神社仏閣が好きだし、もともとそのような心を持っているんじゃないかという想定のもと「分かるでしょ?」という気持ちで狼介を任せたんです。

窪塚:豊田監督は芝居もそうですけど、そのバックグラウンドごとすごく委ねてくれるんですよ。それは龍平やほかの役者さんに関してもそう。だから現場であまり演出もしないんですが、さっき話を聞いていたら「監督もそれを楽しんでるのか」って肚落ちしたんですよね。

松田:実は、新野風という役は豊田さんの映画「I’M FLASH!」(12)で演じた役なんですけど、あのときから自分もいろいろと変化があったし、きっと新野もいろいろあっただろうな、とか思って。自分と重ねながら演じていたような気がしています。台本の段階でどこか、僕に当てて書いてくれたような。読んで僕もいろいろと思うところがあって、うれしかったんです。撮影中、法螺貝(ほらがい)を吹くところまで撮って、そのあと1年くらい撮影が出来なくて空いちゃったんですけど、それも自分的にはありがたくて。法螺貝を吹くことで浄化されて、また戦いに向かう新野をそのまま演じられて。役だけじゃなく、映画そのものが自分自身と重なってくる。それは豊田さんの作品の面白さだなと思いました。

——演技はお二人に委ねたとのことですが、本作ですさまじい存在感を放っていた千原ジュニアさんもそこは同様だったのですか?

豊田:もちろん役者全員に演技を委ねるということはしませんが、ジュニアに関してはジュニアそのままですね。少しやりすぎだから抑えてとか出してとか、もうちょっと右とか左とか、気色のポイントはつくります。でもそれで十分なんですよ。

阿闍梨役を演じた千原ジュニア

——先ほど法螺貝の話が出てきましたが、かなり練習されたのではないですか?

松田:法螺貝を買ったから家で練習はしてたんですけど、音が大きいし、なかなか聞き慣れない音だから、ご近所さんも不安がるんじゃないかって。練習する場所がなくて……。なんか、法螺貝持って1人でカラオケいくのも嫌だったし(笑)。だから、撮影の合間に山で吹いて。

豊田:俺は栃木で吹いてる。夜中の12時くらいに吹いても近隣に人もいないので怒られないんですよ。

窪塚:でも豊田監督が狛江駅前の居酒屋で法螺貝を吹いてたって噂を聞きましたよ。

松田:俺は(六本木の)ミッドタウンの広場で吹いてたって聞いたな。

豊田:なんで知ってんの。どこでも吹いてるんですよ。ミッドタウンはものすごい響きが良くって(笑)

窪塚&松田:あはは!

撮影現場で印象に残っていること

松田龍平

松田龍平

——みなさんを見ていると撮影中の雰囲気が良かったんだろうなと思うのですが、それぞれ印象に残っている出来事はありますか?

豊田:ある日、窪塚が「昨日ジュニアさんと飲みましたけど大丈夫ですかね。あの人台詞なにも覚えてないのに遅い時間まで飲んでましたけど」って言ってたんです。それを聞いて、俺は「全部あいつの仕掛けやから」って言ったらその通りやったんですよ。嘘ばっかりついてる(笑)。

窪塚:深夜12時くらいに「台詞覚えてないねん」って言って、ジュニアさんが居酒屋で寝ちゃってたんですよ。それで「えぇ……」と思いつつ、マネージャーと部屋まで送っていって。あの状態で台詞入るのかな……と心配してたら翌日完璧なんですよ。それを見てすごいなと。

豊田:芸人だから。演技でも食いにくるよね。

松田:俺が印象に残っていることは……なんかありましたかね?

豊田:岩山での撮影のとき、そのままだと危ない場所だったので山岳部の人がロープを貼ってくれて登れるようにしてくれたんです。衣装合わせのときに龍平は「俺はスーツ姿だし、革靴で大丈夫ですよ」って、革靴のまま現場に入ったんですよね。で、いざ撮影が始まったら「俺、間違えたな……」ってなってた。手を使いながら登らないといけないようなところで、結構危なかったよね。

松田:法螺貝を吹くところですよね。けっこう険しかったけど、登ったときは達成感あったし、気持ちの良い所でしたね。でも、俺は自分のことだけ考えてれば良かったけど、大人数だから、スタッフの方が心配だった。

豊田:みんな重いもの持ってるしね。本当に村の人がいないと成立しなかった(笑)。その場所を熟知している村人たち十数人の協力のもと、何往復も行き来してもらってね。俺より年上の人もいましたよ。

——本作は「歩く」シーンがとても印象的ですよね。スローモーションも使い歩くお二人の姿がとても格好良くて。

豊田:立ち姿が美しい役者が好きなんですよ。それは窪塚洋介も松田龍平も、千原ジュニアだってそう。そして立ち姿が美しいと歩かせたくなる。向こうからカメラに向かって歩いてくるだけで何かを感じさせることができるのが、良い役者だと思うんですよね。

——窪塚さんと松田さんは今回、改めてお互いと共演されていかがでしたか?

豊田:そういえば打ち上げをやってないから、そういう話もしてないよね。打ち上げをやらねば……。

窪塚:豊田監督の作品自体がそうではあるんですが、龍平には「得体の知れなさ」が具現化したような存在感があって。それは演じる上での迫力にもなるし、一緒に演じていても楽しいんですよね。

松田:窪塚君は物知りだし話していて面白いです。いつもハッピーでフラットな感じで。でも今回の撮影現場で初めて会ったときは、けっこう日焼けしてて、髪もめちゃ長くて。役作りなのか、バカンス行ってたからなのか分からない感じで。すごく修行者っぽかった(笑)。

——確かに修行者の姿がものすごくお似合いでした。

窪塚:自分でもしっくりきた感じがあったので、先ほど監督が言っていたように、自分がもともと持っているものと役がシンクロしていたんだと思いますね。

——本作では窪塚さんの息子である愛流さんも声で出演されていますよね。直接的ではないにせよ、共演するにあたってなにかお話はされたんですか?

窪塚:そもそも愛流がデビューするきっかけとなったのが、豊田さんの「プラネティスト」(20)というドキュメンタリー作品なんです。その撮影で愛流と一緒に小笠原諸島へ行ったときに、豊田監督が愛流を認識してくれて。そこから「泣き虫しょったんの奇跡」(18)で使ってくれて、彼の役者人生が始まったんです。だから豊田監督がいなかったらあいつが今この仕事をしていたか分からない。そして今回改めて声というかたちだけど共演できてうれしいですね。愛流からは「この作品に出る」と言われましたが、「声だけだし大丈夫かな……」と思いつつそこは委ねるしかないなと。

豊田:でも「泣き虫しょったんの奇跡」のときとは違って役者っぽくなっててびっくりしたよ。俺はもうお父さんの気分だから。「見ない間に大きくなったな〜」って(笑)。

窪塚:前は声変わりしてなかったですもんね。

豊田:若い声がほしくてね。それで愛流がいいんじゃないかって思ったんですよ。

体感する映画

左から松田龍平、窪塚洋介、豊田利晃監督

——改めて本作の見どころを教えてもらえますか?

豊田:今って映画は全て「コンテンツ」のように扱われていると感じるんです。でもこの映画は体験してほしい。可能であれば映画館まで来てもらって、音と映像を浴びて、体感して。これは多分、答えをそれぞれが発見するような映画だと思うんですよ。冒頭に千原ジュニアが「自分の物語を作り直せ」と言うんですが、この映画自体が「自分の物語をつくりだす体験ができる」作品になっている。それを楽しんでもらいたいですね。

窪塚:一本一本がパラレルワールドである「狼蘇山シリーズ」の中で、本作は豊田版「火の鳥」のSF編なのか、はたまた完結篇なのかどうかを見届けてほしいですね。監督は「これが最後の映画」と言ってましたが、個人的にそれは閉店しない店の閉店セールと同じような売り方だと思っていて(笑)

豊田:やっぱりつくり続けるしかないんだよね。やめられない。

窪塚:それを聞けて良かったです。先ほど「コンテンツ」の話をしていた監督の発言とは逆になっちゃうかもしれないけど、本作の公開を機にこれまでの「狼蘇山シリーズ」をサブスクで解禁するのも良いと思うんですよね。そしたら「このキャラクターはこういうつながりがあって、これの生まれ変わりなんじゃないか」とかってお客さんが自由に想像して楽しんでくれたり。こっちから明確に提示しないことで無限に広がる可能性があるシリーズだと思うんです。

最近流行っているアニメって過度に説明していないじゃないですか。それぞれのキャラクターや背景にしたって、ファンが勝手に相関図をつくったり掘り下げることで盛り上げて、自分のものにして、それぞれが宣伝したりして。それの映画版のようなものを生む力のある作品だと思うので、そういうムーブメントも密かに期待しています。

豊田:実は10月にサブスク解禁予定だよ。(注:解禁済み)

窪塚:そうなんですね。じゃあ改めて楽しみにしてます。

松田:でも、この映画は長いこと豊田さんがやってきた作品の完結って……。

窪塚:さっき言ったことを覆してきた(笑)。

豊田:俺、これで終わりなの⁉︎

松田:いや、豊田さんは終わらないですけど。豊田さんが短編や「狼蘇山シリーズ」でやってきた映画の区切りなのかな、とは感じてました。だって一旦終わらないとずっと撮ってそうだから(笑)。

——窪塚さんもお話されたように、監督は制作前のコメントで「次元を超えた視点に辿り着くために、この映画を作らねばならぬと思った。最後の映画になる気がしている」と書かれていましたよね。先ほど監督の口から「つくり続けるしかない」と聞いて安心したのですが、次回作の構想などはしているのでしょうか?

豊田:いや、この映画をつくり終わってから、完全に止まりましたね。

松田:恋愛ものはどうですか?

窪塚:急だな! さっきはSFって言ってたじゃん(笑)。

豊田:これまでは常に頭の中にあったんですよ。映画をつくっている最中にも次の作品のことを考えていたし、つくり終えたらまた2、3本のアイデアがパーっと出てきたんですが、そういうのが一旦消えたんです。

松田:ほら、フィナーレだ!

窪塚:中締めだよ!

豊田:でも今日の朝、ちらっと出てきた(笑)。しかも3本くらいね。ともかく、撮り続けないといけないんだなというのはなんとなく認識しています。

——「今後こういう豊田監督の作品が観たい」というお二人の希望はありますか?

松田:やっぱりSFかな。SFの恋愛もの。ダンスありのやつ。

豊田:あはは。それウケるかな。でも龍平はダンスできるもんね。

松田:小躍りしかできない。

窪塚:あはは! 俺はまた舞台もやりたいですね。

豊田:スケジュールを押さえてくれるならぜひやりましょう!

PHOTOS:MASASHI URA
STYLING:[RYUHEI MATSUDA]SHOHEI KASHIMA(W)
HAIR & MAKEUP:[YOSUKE KUBOZUKA]SHUJI SATO(botanica make hair)、[RYUHEI MATSUDA]MOTOKO SUGA

映画「次元を超える」

映画「次元を超える」メインビジュアル

映画「次元を超える」場面カット

映画「次元を超える」場面カット

映画「次元を超える」場面カット

映画「次元を超える」場面カット

映画「次元を超える」場面カット

映画「次元を超える」場面カット

映画「次元を超える」場面カット

◾️映画「次元を超える」
ユーロスペース他で絶賛公開中
監督・脚本・エグゼクティブプロデューサー:豊田利晃
エンディングテーマ:「抱きしめたい」The Birthday(UNIVERSAL SIGMA)
音楽:Sons of Kemet Mars89 中込健太(鼓童) 住吉佑太(鼓童) ヤマジカズヒデ
出演:窪塚洋介 松田龍平
千原ジュニア 芋生悠 / 渋川清彦 東出昌大
撮影:槇 憲治
美術:佐々木 尚
衣装デザイン・キャラクターデザイン:澤田石和寛
編集:村上雅樹
VFX スーパーバイザー:道木伸隆
惑星ケルマンデザイン:YOSHIROTTEN
惑星ケルマンCG:敷山未来(YAR)
宇宙船デザイン:マイケル・アリアス
特殊相談役:樋口真嗣
製作:豊田組
配給:スターサンズ
©️次元超越体/DIMENSIONS
2025年/日本/96分/ビスタサイズ/5.1ch/PG12
https://starsands.com/jigen/

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