あのマイケル・キートンが監督・主演・製作の三役を担った渾身の最新作にして、記憶を失う病に侵された老ヒットマンが人生最期の完全犯罪に挑む異色かつ極上のLAネオ・ノワール『殺し屋のプロット』が、12月5日(金)より全国公開となる。
哲学書を愛読し、犯罪にも独自の美学を貫く殺し屋ノックスを主人公に、病に侵されながらも息子のために人生最期の完全犯罪に挑む姿を描く本作。名優としての地位を確立したキートンの肝いり、まさにキャリアの集大成とも言える入魂作だ。
『殺し屋のプロット』© 2023 HIDDEN HILL LLC. ALL RIGHTS RESERVED.
そんな本作を筆頭に、2025年下半期は従来のイメージを覆すような多彩なアプローチで殺しや犯罪のプロフェッショナルたちの活躍を描く映画が目白押し。シリアスなドラマから痛快なアクション、さらには新たなジャンル融合まで、幅広い表現が秋冬のスクリーンを彩る。
そこで今回は、<死と向き合う男たち>を描いた多彩な5作品をピックアップ。それぞれの男たちの闘う理由と、その背後にある人間ドラマの深みを存分に味わっていただきたい。
『殺し屋のプロット』© 2023 HIDDEN HILL LLC. ALL RIGHTS RESERVED.
「素晴らしい脚本だ。いつ撮ろう?」マイケル・キートンが惚れ込んだ脚本を自ら映画化!『殺し屋のプロット』予告編
『フレイムユニオン 最強殺し屋伝説国岡[私闘編]』(公開中)
殺し屋×フェイクドキュメンタリーの大人気作が再びスクリーンに戻ってくる!
任務中に大きなミスを犯してしまった殺し屋・真中は、殺し屋協会から謹慎処分を受けてしまう。その一件で、京都殺し屋ランキング元祖1位である父に叱責され、実家に連れ帰られることに。家の手伝いに徹する日々を過ごす真中だったが、国岡の言葉で再び殺し屋としての人生を歩む決意を固め、特訓を開始する。そして父に決闘を申し込むのだった。果たして、過酷な修行の先に見出したものとは――?
©「フレイムユニオン 最強殺し屋伝説国岡[私闘編]」製作委員会
異例のロングランヒットを記録した『ベイビーわるきゅーれ』の鬼才・阪元裕吾監督が手掛け、日常に殺し屋が存在する独自の世界観と、軽妙なモキュメンタリー演出で話題を呼んだ「国岡シリーズ」の最新作。これまでのコミカルかつリアルな筆致はそのままに、「なぜ殺し屋を続けるのか」という本質的な問いにも踏み込み、キャラクターの内面に迫る一作。
監督・脚本:阪元裕吾 アクション監督:垣内博貴
出演:松本卓也、伊能昌幸、上のしおり、大坂健太、Rio、沖田遊戯、藤澤アニキ
公式サイト
“どうして殺し屋を続けたいの?” ファン待望!阪元裕吾監督の最新作『フレイムユニオン 最強殺し屋伝説国岡[私闘編]』
『Mr.ノーバディ2』(10月24日より公開)
平凡な中年男がまたもや派手にブチギレる!今度は家族を巻き込み全面戦争へ――!
一見ごく普通の冴えない中年男、だが裏の顔は超一流の殺し屋・ハッチは、前回の任務で被った借金返済のため、休日返上で任務を請け負っていた。だが、そのせいで家族との関係は悪化。その修復を兼ねてバカンスを計画する。しかしその寂れたリゾートは、巨悪組織の密輸ルートとなっていた。やがて地元保安官とのささいな衝突をきっかけに、巨悪組織を相手取ったド派手な全面戦争に巻き込まれていく。
『Mr.ノーバディ2』© 2025 Universal Studios. All Rights Reserved.
『ジョン・ウィック』の脚本家×『ブレット・トレイン』の87ノース・プロダクションズがストレス社会に捧げるハードボイルド・アクション『Mr.ノーバディ』の続編。冴えない父親が実は凄腕の殺し屋だったという設定が生み出す爽快感に加え、今作では家族との絆に焦点を当てた“人間ドラマ”としての厚みもプラス。容赦ないバイオレンスと心温まる家族の物語が共存する、ジャンルの垣根を超えた殺し屋映画に仕上がっている。
監督:ティモ・ジャヤント
出演:ボブ・オデンカーク、コニー・ニールセン、ジョン・オーティス、RZA、コリン・ハンクス、クリストファー・ロイド、シャロン・ストーン
公式サイト
「きっと笑みがこぼれるはず」ボブ・オデンカークが日々の“怒り”をぶつけた痛快バイオレンス『Mr.ノーバディ2』を語る
『プレデター:バッドランド』(11月7日より公開)
“殺す者”から“守る者”へ――規格外コンビが挑む極限サバイバルアクションが誕生!
一族の掟を破ったために、生存不可能とされる「最悪の地(バッドランド)」に追放された若きプレデターのデク。さらなる強敵を求め、戦いを続ける旅路の中で、思いがけず謎のアンドロイドの少女ティアに出会う。彼女の協力を得て、狩人としての生き残りを賭けた究極のサバイバルへと突き進むデクが辿る、衝撃の運命とは――?
『プレデター:バッドランド』©2025 20th Century Studios. All Rights Reserved.
人類と宇宙最強の狩人プレデターの死闘を描いてきた伝説的シリーズ『プレデター』の完全なる新章。これまで反英雄的に描かれてきた孤高の戦士・プレデターが、今作では少女に背中を預けて戦う。その姿は、シリーズの伝統的な物語に新たな視点を吹き込んでいる。殺すか、殺されるか。そんな極限状態の中で“異色の共闘”を繰り広げる二人の、予測不能な冒険の行方に注目だ。
監督:ダン・トラクテンバーグ
出演:エル・ファニング
公式サイト
『プレデター』濃厚解説! ディズニープラス『プレデター:ザ・プレイ』鑑賞前に知っておきたいシリーズAtoZ【前編】
『ボンヘッファー ヒトラーを暗殺しようとした牧師』(11月7日より公開)
聖教者、スパイ、暗殺者――信念に生きた牧師ボンヘッファーの壮絶な生き様がいま明かされる!
第二次世界大戦下のドイツ。独裁者ヒトラーを神のように崇拝する聖職者たちの姿に、「教会は聖域であり、権力の場ではない」と危機感を抱いた牧師ボンヘッファーは、ドイツ教会を守るため自らスパイとなり、やがてヒトラー暗殺計画に加わることに――。
信仰と信念を貫き、後に“20世紀を代表するキリスト教神学者の一人”と呼ばれる彼が辿った壮絶な運命が描かれる。
『ボンヘッファー ヒトラーを暗殺しようとした牧師』© 2024 Crow’s Nest Productions Limited
牧師でありながら、国家権力に命を懸けて立ち向かった実在の人物ディートリヒ・ボンヘッファーの姿を描いた伝記ドラマ。非暴力の象徴であるはずの聖職者が、正義のために“殺し”という手段を選ぶ重みが、見る者に深い問いを投げかける作品。主演は、『僕たちは希望という名の列車に乗った』でバイエルン映画賞新人賞を受賞し、高い注目を浴びるヨナス・ダスラーが務める。
監督・脚本・製作:トッド・コマーニキ
出演:ヨナス・ダスラー、アウグスト・ディール、デヴィット・ジョンソン
公式サイト
「ファシズムを許すな!」知られざる“実在の英雄”映画5選『ボンヘッファー ヒトラーを暗殺しようとした牧師』ほか
『殺し屋のプロット』
12月5日(金)よりkino cinéma新宿ほか全国公開
記憶を失う病に侵された殺し屋が息子の罪を消すために挑む、人生最期の完全犯罪
殺し屋ノックスは、ある日、医者から急速に記憶を失う病だと診断され、すべてを忘れてしまうまで僅か数週間だと告知される。妻と別れ、16年もの間、息子と疎遠になっている彼は、哲学書を読み耽り、週に一度コールガールのアニーを自宅に招くことで孤独を紛らわせていた。
だが突然、一人息子のマイルズが訪ねてくる。「人を殺した」と涙ながらに打ち明ける息子を救うため、ある計画を実行することに。果たして、薄れる記憶の中で人生最期の完全犯罪を成し遂げることはできるのか……?
『殺し屋のプロット』© 2023 HIDDEN HILL LLC. ALL RIGHTS RESERVED.
マイケル・キートンが監督・主演・製作を務めた本作は、単なる犯罪劇にとどまらず、断絶した父子の絆の再構築、そして“失われゆく自己”と“犯罪の美学”が交錯する重層的なドラマとしても深い余韻を残す。古典的なフィルム・ノワールのエッセンスを現代に継承しながら、ロサンゼルスの影に潜む孤独な殺し屋の姿を通して、一人の男の“人生の締めくくり方”を描き出してみせた。
『殺し屋のプロット』© 2023 HIDDEN HILL LLC. ALL RIGHTS RESERVED.
アル・パチーノやジェームズ・マースデン、マーシャ・ゲイ・ハーデンら豪華キャストが脇を固め、スリリングな犯罪劇と重厚な人間ドラマが見事に融合した、珠玉のLAネオ・ノワールが誕生した。
『殺し屋のプロット』© 2023 HIDDEN HILL LLC. ALL RIGHTS RESERVED.
監督・製作:マイケル・キートン
出演:マイケル・キートン、ジェームズ・マースデン、ヨアンナ・クーリク、マーシャ・ゲイ・ハーデン、アル・パチーノ
『殺し屋のプロット』は12月5日(金)よりkino cinéma新宿ほか全国公開
