京都府京都市に本社を構えるGK京都が、古代芸能『伎楽(ぎがく)』を現代に再生!最新技術×デザインで新たに蘇った仮面を、9月に奈良県明日香村で初披露した。

日本最古の仮面芸能とも呼ばれる仮面劇『伎楽』

『伎楽』は、飛鳥時代に大陸から伝わったとされ、日本最古の仮面芸能とも呼ばれる仮面劇。鮮やかな衣装と多様な仮面を用いて、舞や物語が演じられたとされるが、鎌倉時代の記録を最後に途絶えており、仮面やわずかな記録のみが現在に残されているという。その実態は“幻の芸能”とも称されてきた。

この失われた芸能を単に再現するのではなく、現代のアーティスト・デザイナー・音楽家・地域住民がジャンルや年代など様々なボーダーを超え、約1400年振りに新しいかたちで甦らせる挑戦として、「GIGAKU」プロジェクトが始動。領域にとらわれない総合的な芸術のアプローチを用い、古代の精神を受け継ぎながら、未来に開かれた文化体験として再構築することを大きな意義とし、今後も活動を続け、さらに拡げていくという。

GK京都が『伎楽』の仮面制作を支援


9月27日(土)に奈良県明日香村で行われた「GIGAKU」の「行道(練り歩き)」では、Eno-design、岡村工房、GK京都の協働によって4つの仮面「迦楼羅(かるら)」「崑崙(こんろん)」「治道(ちどう)」「獅子(しし)」を制作。


「GIGAKU」の総合演出を手がける舞踊家・森山開次氏によるスケッチをもとに、AI技術を用いて3Dデジタル化し、そのデータをベースにGK京都は、造形の精緻なブラッシュアップを施すとともに、耐候性や激しい動きにも耐えうる機能性を追求しながら、細部にわたりデザインを練り上げたという。

さらに、3Dプリンタで出力した部品に、GK京都のデザイナーによる彩色技術と、現代の塗料技術を駆使した塗装を施し、重厚かつ歴史の重みを感じられる質感を表現しながら軽量な仮面を制作。こうして、現代テクノロジーと古代芸能の精神が融合した、新たな仮面が誕生した。

これは単なる復元ではなく、「古代芸能の再解釈」に挑むデザインプロジェクトでもあるのだ。

「太子面」「布作面」も制作


また、今回は4つの面に加えて、「太子面(たいしめん)」「布作面(ふさくめん)」という二種の仮面も制作。「太子面」は、行道に参加する子どもたちが、ワークショップで自由に顔を描くための下地となる仮面で、樹脂を真空成形で加工して軽量な面に仕上げたため、子どもたちも付けやすく、次世代が文化に参加する入口になったという。

「布作面」は布で作られており、行道の進行や演出をサポートする面と当時の民衆を象徴する面の2種類がある。それらは、物語の広がりを担う新しい表現要素となり、伎楽を“地域の文化として蘇らせる”ための大切な役割を果たしているとのことだ。

新たな「GIGAKU」を創造し、2026年の公演を目指す

9月27日(土)に行われた「行道(練り歩き)」で、仮面を被った人々が村を練り歩く光景は、訪れた人々に古代の息吹と現代の創造性の両方を感じさせ、まさに“時空を超えた祭礼”になったとのこと。『伎楽』の復活は、歴史的資料を再現するにとどまらず、現代的な表現やテクノロジーを交えて再構築する試みだ。

「GIGAKU」プロジェクトは、「伎楽は人と人を繋ぎ交流させる芸能である」と語る森山開次氏と共に新たな「GIGAKU」を創造し、2026年の公演を目指しているという。

GK京都は今後も新しい文化創造に挑戦

今回GK京都は「GIGAKU」プロジェクトを通じて、文化資産を現代の視点で解釈し、未来へ継承するデザインのあり方を提示。これからも伝統と先進技術を結び合わせ、新しい文化創造に挑戦していくとしている。

GK京都の制作技術に注目するとともに、約1400年振りに蘇った古代芸能『伎楽』についてもチェックしてみては。

GIGAKU:https://www.gigaku-asuka.jp
GK京都:https://www.gk-kyoto.com

(佐藤ゆり)

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