ファンにフルボッコされそうだが、エイミー・ワインハウスを全く知らない。
大抵ミュージシャンは知らなくとも曲を聞けば知ってる事多いが、曲の方も…。
このドキュメンタリーや伝記映画が作られても、ふ~ん…程度。
疎さにも程があるが、その分贔屓目や忖度ナシに鑑賞。
往年の名アーティストに匹敵すると言われた歌唱力。
ハスキーボイスの歌声は確かに人を惹き付け、聞き入らせる。
性格はオープンで奔放。自分に正直。
友人は多く、男性遍歴も華麗で、周りから愛され、エイミーも皆を愛した。
そんなエイミーがスターになるのは当然だったと言えよう。
デビューアルバムがいきなり大ヒット。リリースされる毎に曲やエイミー自身は大注目。瞬く間にスターに。
これだけなら順風満帆。
が、エイミーも例外に漏れず、多くのアーティストは何故同じ道を辿るのだろう。
異性関係。ドラッグ、アルコール。拒食症も…。
歌手活動は順調の傍ら、私生活は荒れていく。
リハビリも一度や二度じゃない。
幾度もキャリアの危機に陥りながらも、リハビリを経てカムバック。
曲はやはり大ヒット。
グラミー賞に輝く。
憧れの大物歌手トニー・ベネットとデュエット。
音楽への愛は本物。
こんなにも浮き沈みの激しいスターも珍しい。
歌手として輝くエイミーは彼女の本当の姿。
ドラッグやアルコールに依存してしまうのも彼女の本当の姿。いや、脆さ。
ナチュラルだった女の子が突如スターになり、好奇の目に晒され、プレッシャーを掛けられるようになったら…?
誰だって壊れる。
誰よりも奔放で、誰よりも傷付き易かった。
生涯最後となってしまった泥酔状態で出演したコンサート。
仮にもプロでありながらあるまじき醜態。
自分自身の弱さ愚かさであり、哀しく切なくも。
それでもエイミーは歌う事を辞めようとはしなかった。
また愛するファンの前で…。
が、それは叶わなかった。限界だった。
海外の著名な歌手や俳優が27歳で早逝してる事から“27クラブ”。
それに含まれる事を恐れていたらしく、しかし奇しくも27歳で…。
見る前は全く知らなかったが、これでエイミー・ワインハウスの人となりを少なからず知り、もう忘れはしないだろう。
哀しくも愛おしく燃え。





