特集です。今回は「映画の街」盛岡についてです。市内では26日、老舗映画館の「もりおかピカデリー」が閉館した一方、先週、新しい映画館がオープンしました。移ろいゆく「映画の街」の今をまとめました。

■映画館通り
昔から親しまれてきた映画の街、もりおか。

■もりおか座映画祭
映画で街を盛り上げるイベントも
永瀬正敏「こんにちは、永瀬です。本日はありがとうございます」

■フォーラム盛岡8・9・10
「3、2、1、どうぞ」
最新の音響設備映画館オープン

■盛岡ピカデリー
南部興行 小暮信人社長「どうもありがとうございました」

長年親しまれた老舗シアターも閉館

盛岡市中心部、映画館が立ち並んでいることからこう呼ばれています。名付けて「映画館通り」。そんな「映画の街、盛岡」を盛り上げるイベント、「もりおか座映画祭」が先週末、開かれました。

映画祭では、盛岡にゆかりのある11の作品が上映され、盛岡市出身の大友啓史監督らも挨拶をしました。

大友啓史監督
「映画の街盛岡。映画館通りのある街、盛岡ということでいうと映画好きの人たちに向けて、なるべく自分たちの知らなかった地元の盛岡の生み出した、映画の魅力とか映画人の方を紹介するとか新しい何かを発見して、みなさんにどんどん発信できていったらいいなと思う」

また、盛岡市大通の「フォーラム盛岡」では、10月17日から上映が始まった「おーい、応為」で葛飾北斎役を演じた、俳優の永瀬正敏さんが舞台挨拶で撮影の裏話などをして観客を盛り上げました。

永瀬正敏さん
「一番上手に描けたのが、カメの絵。でも、皆さん見ていただいたと思いますけど、 カメの絵を描くシーンが無かった。笑」

会場の一つ「リリオ」では、盛岡市にゆかりのある、映画監督や脚本家などの作品を展示する催しも開かれ、盛岡が映画とゆかりの深いことを実感させました。

もりおか座映画祭 髙橋大実行委員長
「街の中に、映画があふれているようなイメージが 楽しかったので、それを再現出来たらと思う。盛岡の街中に、 歩いて楽しむもう一つの大きなイメージとして今まで皆さんが親しんできた映画の街というのを見つめなおすきっかけになればいいなと思う」

「3、2、1、どうぞ~」

10月24日にオープンした、「フォーラム盛岡8・9・10」。このうち、8番シアターは全ての方向の壁と天井に合計30個のスピーカーを配置した「立体音響技術」を岩手で初めて備えています。様々な方向から近付いたり遠のいたりする迫力ある音を感じることができます。

フォーラム運営委員会 長澤純社長
「映画の中に入るというか、音響に包まれてまるでそこに存在しているかのような体験、これはまさに映画館でしか体験できない」

■盛岡ピカデリー
その一方で、半世紀以上56年に渡って親しまれながら閉館した劇場も・・・

南部興行 小暮信人社長
「きのう仙台から来たご婦人の方が、ここで映画を見てご主人と一緒になった劇場だと。 懐かしくてわざわざ仙台から見て頂きました。色んな思いそれぞれあると思いますが、本当に長い間ご支援いただきありがとうございました」

「盛岡ピカデリー」、最後の上映となった26日は、盛岡を舞台にした「夜霧にむせぶ寅次郎」などを上映。県の内外からおよそ30人のファンが訪れ、閉館を涙で見送る人もいました。

盛岡市内の18歳の男子高校生
「小学校6年生の時に盛岡に引っ越してきて、盛岡来る前は 映画館の無い街だったので、身近に映画館があるっていう環境が本当にありがたくて。コロナ禍があって、なかなか動きづらいという状況の中でもピカデリーは映画を届けてくれたり、やっぱり営業が終わるというニュースがあった時にはすごい悲しかったけど、やっぱり映画ってすごいなと思った」

俳優の永瀬さんも、長年親しまれたピカデリーの閉館を惜しんでいます。

永瀬正敏さん
「日本中で色んなミニシアターというか、僕らが若いころは単館系といっていたが、映画館が無くなってしまうというのは、本当に寂しい。自分らの力不足を感じる。僕たちが育ててもらった場所でもあるので、映画館というのは、もっとお客さんが 来ていただけるような作品というのをいっぱい今まで作ってきたつもりだが、 もっとつくらきゃダメだった思うのと今後も頑張っていきたい」

建物の大規模改修に伴い、閉館した「盛岡ピカデリー」。最後まで銀幕は多くの人に愛され、ついに終止符が打たれました。

移ろいゆく「映画の街」盛岡。現在、映画館は1つ減り4つになりました。しかし、新たな劇場が増えたことにより、あわせて14のスクリーンに。

これからも「映画の街」盛岡の灯を守り続けます。

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