映画『正体』(24)で第48回日本アカデミー賞最優秀監督賞を受賞した藤井道人と、名キャメラマンの木村大作が初タッグを組んだ、舘ひろし主演映画『港のひかり』が11月14日(金)に公開される。このたび、本作から3種類のショートPVが一挙解禁された。
北陸の港町を舞台にした完全オリジナル脚本で描く本作で、主人公の元ヤクザの“おじさん”こと三浦を演じるのは7年ぶりの単独主演となった舘。歌舞伎界の新星として注目を集める尾上眞秀が盲目の少年、幸太を、成長した青年の幸太を人気と実力を兼ね備えた眞栄田郷敦がそれぞれ演じる。本作は、そんなおじさんと幸太との年の差を超えた、十数年の友情を描く感動エンタメ大作となっている。
公開されたのは、「僕とおじさん編」「知らない背中編」「12年の物語編」と題した3種類のショートPVだ。仁義に生きてきた過去を捨てて生きる男、三浦(舘)と、不慮の事故で両親を亡くした盲目の少年、幸太(尾上)。「僕とおじさん編」では、地方の港町で出会った三浦と幸太が、何気ない時間をともにしていくなかで心を通わせていく様子が映しだされる。目の見えない幸太は、ある日三浦に“海が見たい”とささやかな願いを打ち明ける。やがて幸太のために自らを犠牲にする三浦の姿も映され、2人の織りなす切ない物語の行方に期待が膨らむ。
一方、「知らない背中編」で映されるのは、任侠の過去を捨て、常に誰かのために生きてきた三浦という男の生き様である。裏社会から足を洗いカタギの世界で生きる三浦に対し、「その正義感が原因で親父から追い出されたんだから、皮肉なもんだよな」と吐き捨てる河村組の組長、石崎(椎名桔平)。石崎と対峙する姿や、1人佇む姿からは、三浦の心の奥に潜む孤独を感じさせるが、先代の組長である河村(宇崎竜童)の言葉を胸に、愚直に生き抜こうとする三浦の姿が印象的だ。
そして「12年の物語編」では、不遇の事故により両親、視力を失い1人ぼっちで生きる少年、幸太にフォーカス。しかし三浦との出会いで暗闇の世界に光が差し、幸太の心にも少しずつ変化が生じていく。映像では大人になり刑事になった幸太(眞栄田)が隠されていた真実に辿り着き、長年の時を経て再び三浦と心を通わせていく姿が感動的に映しだされている。
さらに公開に先駆け、本作の見どころに注目した特番が10月26日(日)から11月16日(日)まで、全国29局のテレビ局にて放送が決定。さまざまな思いが詰まった本作の魅力を初出しのメイキング映像、キャストのコメント映像を交えながら、藤井監督と木村大作の化学反応で起こった奇跡のフィルム映画を紹介する見応えたっぷりの30分特番となっている。
交わるはずのなかった孤独な2人に光を照らす、運命の出会いと別れ、そして再会。心を通わせあう孤独な2人が紡ぐ、涙なしでは見られない物語の行方を、ぜひスクリーンで堪能してほしい。
文/山崎伸子
