生ける屍=ゾンビとして蘇った少女たちが、佐賀県を盛り上げるご当地アイドル“フランシュシュ”として奮闘する姿を描いたアニメ「ゾンビランドサガ」。その待望の劇場版『ゾンビランドサガ ゆめぎんがパラダイス』が10月24日より公開中だ。
第2期「ゾンビランドサガ リベンジ」放送終了後のライブにて劇場版の製作決定が発表されてから約4年。ついにフランシュシュと佐賀を待ち受ける運命の続きが描かれるわけだが、アニメ最終回の放送から長い月日が経ってしまっているため、物語の詳細がおぼろげになってしまっている方も多いのではないだろうか。そこで本稿では、物語を彩る個性豊かなキャラクターを紹介すると共に、これまでの「ゾンビランドサガ」の物語を振り返っていく。
ゾンビ×アイドルが佐賀県を救う?「ゾンビランドサガ」佐賀愛がたっぷり詰まったアニメ「ゾンビランドサガ」[c]劇場版ゾンビランドサガ製作委員会
謎のプロデューサー、巽幸太郎(声:宮野真守)の手によってゾンビ(幸太郎曰く“ゾンビィ”)となって現代に蘇った7人の伝説の少女たちが、ゾンビィであることを隠しながらアイドルグループ、フランシュシュとして活躍する姿を描く「ゾンビランドサガ」。ストーリーを重ねながら明かされていくメンバーの壮絶な過去、次々と行く手に立ちはだかる予測不能の困難の展開はまさに怒濤。また、佐賀県唐津市をおもな舞台にしていることから、聖地巡礼や地元企業とのコラボも盛んで、フランシュシュが住む洋館は「唐津市歴史民俗資料館」がモデルであるほか、鏡山展望台や嬉野温泉など実在の地名や建物が多数登場。地元で有名なチェーン店「ドライブイン鳥」のテレビCMや、人気のイベント「鹿島ガタリンピック」まで登場するなど、「ゾンビランドサガ」の名にふさわしく“佐賀愛”は細部にわたる。アイドルソングだけでなく、ラップやメタルなど多彩な音楽ジャンルを落とし込んだ挿入歌も話題を呼び、幕張メッセなどで開催されたライブでも成功を収めるなど、フランシュシュはアニメを飛びだし、リアル世界でも人気を集めている。
時代を超えて集結した、伝説の少女たち
●1号:不運で普通な少女、源さくら
メンバーたちと共にアイドル活動するゾンビィ、源さくら(劇場版『ゾンビランドサガ ゆめぎんがパラダイス』)[c]劇場版ゾンビランドサガ製作委員会
本作の主人公であり、アイドルを夢見る“普通”の女子高生だった源さくら(声:本渡楓)。「ゾンビランドサガ」の物語は、元気いっぱいに家を飛びだしたさくらがトラックに跳ね飛ばされるという、衝撃的なシーンで幕を開ける。生前の記憶を失くしながらもゾンビィとなって目覚めたさくらは、幸太郎に言われるままに、生きた時代も環境も様々な少女たち、もといゾンビィたちと共に佐賀を盛り上げるためのアイドル活動を始めることに。個性あふれるメンバーに振り回されながらも、彼女たちをまとめ上げ、しだいにグループのセンターとして輝きを放っていく。
しかし第1期の終盤、グループとして最大規模となる「アルピノホール」でのライブを一週間後に控えた日、再びトラックに跳ねられ、不運続きだった日々やアイドルになりたいと思ったきっかけといった生前の記憶が戻る代わりに、ゾンビィになってからの記憶を失ってしまう。メンバーの力を借りながら、なんとか全員でステージに立つも、またしても大雪で天井が崩落するというアクシデントに見舞われる。その時、さくらの脳裏に、ゾンビィとして仲間と絆を育んできた日々の記憶、そしてアイドルという夢がフラッシュバックし、記憶を取り戻すことに成功。騒然とする会場で瓦礫のなかから立ち上がり、ボロボロになりながらも歌うことを止めない姿は、多くの視聴者を感動させた。
