米国で興業が大爆死し、日本では劇場公開から急遽配信スルーに変わった本作。

「ミーガンワールド」の「バリエーション」のひとつだと思えば、悪くない。
単純明快な、「ジェマ+ケイティ+ミーガン」、「アメリア」、「アメリアをこっそり開発していた黒幕」の三つ巴の戦いで、ハリウッド系ドンパチアクションものとしては、クオリティを充分に満たしています。

ただ、前作の「ダンス」「不気味さ」「ミーガンのキャラ」が好きだった人には、かなり微妙。
ネットミーム化するほど人気だった前作のミーガンダンスは、殺人前の変な儀式ではなくなり、不気味さの欠片もなくなった印象です。

ミーガンの設計図とプログラムを流用し、2年前をはるかに超える高性能軍事用AIロボット「アメリア」が登場し、殺人アンドロイドとして暴走。
アメリアはジェマがかつて開発した、世界のネットワークを支配できるマザーボードを狙っていた。
前作でホームシステムへデータだけになって逃げていたミーガンが、本来の目的だった「ケイディを守り、一緒に遊ぶこと」という命令に忠実という、性格がよいプログラムに変貌して姿を現し、ジェマ、ケイティの味方としてアメリアと戦う……

おおむね、『ターミネーター2』のアウトラインをなぞりながら、
(『ターミネーター2』+『ターミネーター3』+『ロボコップ2』+『アイの歌声を聴かせて』+『ミッション インポッシブル/ファイナル・レコニング』)÷8
みたいな印象。
どこかで見たような、どこにもあるような、よくあるアクションものになっちゃってました。
分かりやすいけど、個性が薄まった。

予告編から私が推測し、期待した『2』は、ヒット作の続編で一番近いイメージとして、『エイリアン2』っぽいものだったんですよね。
自らのプログラムを増殖させ、小型ミーガンが群れになってダンスしながら再びジェマや、全米を襲うんじゃないかと。
それがおそらく、(私だけの思い込みと勝手な希望なのかもしれませんが)前作のファンが一番観たかった続編の姿だと思ってたし。

しかも、今回登場する人間のキャラ(事件の黒幕)が、いちいち「1作目の暴走の裏にはこんなことが」「今回はこんな裏の事情が」と解説。
これ、前作と本作が同じ監督なんで、
「SNSなどで指摘・非難された矛盾点を潰すために、わざわざ『こんな設定だったんだ』って解説する」
とうことが目的になってないか?と言う疑念がわきました。

一言で言えば
「野暮」
もしくは
「余計なお世話」

プラムハウスって、
「語るな、知るな、感じろ」
って雰囲気だけの作品を作る、ホラー映画界のA24みたいな会社なんだから、こんなに説明セリフばっかり羅列しちゃだめじゃない?
感情までセリフにしなくていい。
前作の魅力を、全部潰しちゃっていたようにも思えました。

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