5児の父でタレント・つるの剛士が自らの半生や子育てについてつづった著書『つるのの恩返し』(講談社刊)を6月25日に発売した。「おバカタレント」「イクメン」「釣り好き」「バイク好き」などとさまざまに形容され、幅広く活躍する中、近年は子どもたちの未来に貢献したいという夢を実現させるため、保育士、認定心理士の資格を取得した。50歳を迎えた今、「学べば学ぶほど気付きと驚きの連続だった」と話す令和の教育現場でつるのが見たものとは。(取材・文=福嶋剛)

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――今年5月に50歳を迎えました。まずは今の心境を聞かせてください。

「人生は計算通りにはいかないなって思いました。子育ても家庭も夫婦関係も勉強も音楽も釣りもサーフィンも全部含めて。でも思っている通りに進まないからこそ面白いというのもあるんでしょうね」

――出版した著書『つるのの恩返し』はそんなこれまでの道のりがつづられています。

「そうですね。今みたいな未来が来るなんて全く想像できませんでした。いつもその時に与えていただいたものを楽しんでやっていたら、新しい自分の顔が次々にできていったという感じで。そんな今までやってきたことを整理して本にしようと思いました。書き始めたらすごくたくさんの気付きがあって、何が起きるか分からない世界で自分は生きてきたんだなって改めて感じました」

――たくさんの“顔”を持っていますが、「つるの剛士はいったい何者?」と聞かれたら何と答えますか。

「ほんと、何者なんだろう? たぶん、これからも分からないままだと思います(笑)。若い世代の人は、イクメンのお父さんだと思っているでしょうし、かつてウルトラマンだったことも、おバカタレント、歌を歌う人ということも知らないと思います。そういった意味では、みなさんに勝手に肩書きを付けていただいて、僕は僕で、その肩書きで表舞台に立たせていただけたらそれでいいと思っています」

――今は子どもの教育にも力を入れていますね。2020年に短大に入学し、22年3月に卒業して幼稚園教諭二種免許を取得。その後も勉強し、22年末には国家資格の保育士試験に合格しました。23年4月には、4年制大学(東京未来大/こども心理学部通信教育課程3年)に編入。今年卒業し、認定心理士の資格も取得しました。この期間は芸能界の仕事をセーブするなど生活の面でも大変だったのではないでしょうか。

「僕が短大に入学にしたのはコロナ禍だったことと、事務所との信頼関係のおかげでもあります。マネジャーに事前に『学校に行きたい』と相談していたので、あらかじめスケジュール調整ができて、勉強に集中できました。資格が取れたタイミングで普通の生活に戻れたのも大きかったです」

――5人の子育てやコロナ禍での学生生活は経済的な負担も大きかったのでは。

「これは僕の個人的な考えですが、節約よりも自分に対しての投資が大事だと思っています。もちろん学校に通うということは入学費用も学費も掛かります。でも学習した分だけ自分が成長できますし、新しい自分にアップデートできるじゃないですか。これってマイナスじゃなくて、むしろプラスなんですよ。自分にとって一つの機能拡張だと思っています。それこそ昔から『金は天下の回りもの』なんて言うじゃないですか。本当にその通りですよね。子どもたちには『お金は、ありがとうの分だけもらえる、クーポンの一つだよ』って伝えていて、やっぱり自分で汗水垂らしてもらってきたお金の大切さを分かって欲しいなって思っています」

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