蒸し暑いこの時季こそ、クイっと飲みたくなるお酒のひとつがナチュラルワイン。ライトな飲み口のものも多く、休日の昼からでも気軽に楽しめる、そんなところもナチュラルワインの魅力だ。
佐々木希さんがそんなナチュラルワイン気分の時によく訪れているのが、通称“ナチュラルワイン”通りとも呼ばれている東京・幡ヶ谷エリア。「今日はナチュラルワインにどっぷり浸かりたい!という時に友人たちとよく行っています。幡ヶ谷は、商店街を中心に、ナチュラルワインを扱っているご飯屋さんがいくつもあり、さまざまなナチュラルワイン好きが集まるいわゆる“聖地”なんです」
連載第20回では、そんな佐々木さんがハシゴ酒をした際に、シメに訪れることが多いという『wineshop flow』を訪問。そこで出会ったファーストヴィンテージワインや、代表の深川健光さんとのナチュラルワインの“あれこれ”トークをお届けする。
「佐々木希の “なにはともあれ、ナチュラルワイン! ”」これまでの連載記事はこちら▶︎
店内の角打ちスペースでまずは1杯
『wineshop flow(ワインショップ フロウ)』は、2017年12月に東京・幡ヶ谷にオープン。当時はまだナチュラルワインを取り扱うお店がほとんどなく、今では幡ヶ谷エリアを象徴するナチュラルワインショップとして、ワイン好きの多くの人々に親しまれている。
地下にある入り口を開けると、角打ちスペースがあり、奥には代表の深川さんがセレクトしたワインが約200種類ストックされている。「初めて佐々木さんが来てくれた時のことはよく覚えていて、佐々木さんが入口の階段を降りてきた時に、『お人形さんがきた!』と衝撃が走りました(笑)」と深川さん。
深川さんが数本セレクトした中から、「このワインはファーストヴィンテージ」と聞き、興味津々の佐々木さん。撮影/森脇裕介
角打ちスペースで、深川さんのおすすめワインを1杯いただくことに。佐々木さんがその中から「気になる!」と手に取ったのが、ヴィクトール・エ・マルソー「オルフォン2023」。フランス・ロワール地方で若い男性2人で造っているワイナリーでの、記念すべきファーストヴィンテージの1本だ。
【ナチュラルワインMEMO】
「ファーストヴィンテージ」
そのワイナリーで初めて造られた記念すべきワインのこと。最初であると同時に、“ファーストヴィンテージ”と呼ベるのは一度きり。そこには、その土地と造り手によるストーリーがぎゅっと一本に詰まっている。この先どんなワインに変化していくのか、ワイナリーのその先を見守る楽しさもファーストヴィンテージの醍醐味。ちなみにヴィンテージとは、そのワインの原料であるぶどうが収穫された年を差す。ラベル(エチケット)に記載された西暦がそのまま収穫年を表している。
白ワインを飲みながら、深川さんと談笑する佐々木さん。撮影/森脇裕介
「さっぱりとしていながらキレがあって、爽やか。やや辛口のシードルのような味わいで美味しい。健光さん、この感想で合っていますか?きちんと答え合わせしないと(笑)」と笑う佐々木さん。
『wineshop flow』は佐々木さんがナチュラルワインを嗜むようになり、通い始めたショップでもある。「ナチュラルワインの基本も何も知らない時期に、ここに来させてもらっていろいろ知識を身につけました。健光さんは私にとってナチュラルワインの先生のような存在です」
