フジテレビがドラマ制作費の大幅削減を検討していることを、10月21日配信の『デイリー新潮』が報じた。プライム帯(午後7時〜11時)の1時間枠を、これまでの3000万円から2000万円近くに下げる方針だという。だが、その逆境が新たなチャンスを生む可能性があるとの声も上がっている。

 

「現在フジテレビのドラマ予算は他局と同じ水準の約3000万円ですから、報道が正しければ、3分の1にあたる1000万円もの削減となります。その理由は、やはりCM売上高の大幅な減少でしょうね。今年度第1四半期のCM売上高は約60億円で前年度同期比マイナス約293億円、日本テレビの約559億円と比べると、大差がついています。

 

 当然、その背景にあるのは中居正広さんが起こした元フジテレビアナウンサーとのトラブルです。CMそのものは戻ってきていますが、やはり売り上げは落ちたままですから。スポンサーも悪いイメージを持ったままです。そもそも、フジのプライム帯の個人視聴率は5年連続4位という低迷が続いています。見逃し配信の再生数が重要とも言われていますが、視聴率が上がらなければCM収入も増えませんから、このままでは放送ビジネスが成り立たなくなってしまいます」

 

 フジテレビのドラマ予算削減について、X上ではさまざまな反応がある。

 

《幹部の給料減らすのが先じゃないの?》

 

《フジテレビの連ドラはこれからさらに安っぽくなってしまいます》

 

《配信サイトに流れていってしまうよ》

 

 といった、悲観的なコメントも見られた。これからフジテレビのドラマはどうなってしまうのだろうか。

 

「これまでフジテレビはバラエティ番組のセットがチープになる中でも、ドラマだけは予算を惜しまず、映画化も高確率で実現してきました。ところが制作費の削減で俳優のギャラも下げられることは必至。対してNetflixやAmazonプライム、WOWOWは潤沢な資金のもとでギャラを支払うことができますから、俳優たちが配信プラットフォームに流れることも考えられます。

 

 そもそも、すでに一部の芸能人は同じタイミングでテレビ局と配信プラットフォームから声をかけられた場合、配信プラットフォームを優先する人も多いですからね。ギャラは違うし、作品の豪華さも別ですから」(芸能プロ関係者)

 

 ただ、これが“凋落の始まり”と簡単には言い切れない面もあるという。

 

「大御所脚本家や演者はギャラが高額ですから、よりやる気のある若手へシフトする可能性があります。おカネをかけられない分、アイデア勝負の作品が増えるはず。数字優先でよく見る出演者による同じような作品が多い昨今、斬新な作品が生まれてくる可能性がありますよ」

 

 逆境をバネに再び立ち上がれるかどうか。フジテレビの真価が問われているーー。

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