▼ 広告枠 : singular : article-top ▼
▼ WPの本文 ▼
新宿・歌舞伎町を舞台に、生きづらさを抱えた主人公が新たな世界と出会い、他者を知ることで自分を知っていく姿を描いた映画『ミーツ・ザ・ワールド』。腐女子の由嘉里を演じる杉咲さん、ホストのアサヒを演じる板垣さんは、それぞれ腐女子やホストの方々に話を聞きながら、丁寧に役をつくり上げていった。
お互いの姿に引っ張られるように
演じることができた
板垣さんの演じるアサヒは原作から飛び出してきたみたいでした
俳優
杉咲 花
1997年生まれ、東京都出身。代表作に映画『52ヘルツのクジラたち』、ドラマ『アンメット ある脳外科医の日記』ほか多数。劇場版『緊急取調室 THE FINAL』が12月26日公開。
杉咲さんのまなざしから由嘉里のまっすぐさが伝わってきました
俳優
板垣李光人
2002年生まれ。NHK連続テレビ小説『ばけばけ』に出演中のほか、12月5日公開の映画『ペリリュー ‒楽園のゲルニカ‒』で主人公・田丸均の声を演じている。
杉咲 お話を伺った中で印象的だったのは、ある方が「BL漫画は観賞用・飾る用・保存しておく用で3冊買う」とおっしゃっていたこと。本に対するリスペクトもすばらしくて、その方から教わった絶対にシワがつかないページの開き方はお芝居でも参考にさせていただきました。
板垣 僕はホストクラブにおじゃまして、お店がどのように営業されているのか、仕事がない日はどんなルーティンで過ごしているのか……などを教えていただきました。そこで「休みの日でもお客さんから連絡が来たらすぐに返事をしなければいけないからスマホは手放せない」と聞いて、アサヒが朝起きるシーンではまず最初にスマホをチェックするようにしました。
そして、「お互いの存在があったからこそ演じることができた」と、二人は言葉を続ける。
板垣 由嘉里は好きなことに対して、ときに危なっかしいくらい突っ走る一面があって。それがアサヒにとってはすごくまぶしかったんです。そんな由嘉里が持つまっすぐさや純粋さが杉咲さんのまなざしから強く伝わってきたおかげで、アサヒとして隣にいることができたと思います。
杉咲 そんなふうに感じてくれていたということを初めて知って驚きましたし、うれしいです。というのも、クランクイン前の本読みの段階で板垣さんがつくり上げてきたアサヒは屈託がなくてチャーミング。月並みな表現になってしまうけれど原作の小説から飛び出してきたみたいだったから。撮影中はたくさんお話しできたわけではないのですが、休憩中静かにお菓子を食べている板垣さんの隣にいると不思議な心地よさがあって、アサヒと過ごしているときの由嘉里もこんなふうに感じているのかなと思いながら演じていました。
板垣 杉咲さんは、よく新大久保でチキンを買ってきて、現場に差し入れしてくれましたよね。
杉咲 はい(笑)。撮影が夜から始まることが多かったので、眠くなってきたらみんなでチキンを食べて、エネルギーをチャージしていました。
板垣 すごくありがたかったです!
劇中で由嘉里とアサヒがまとっている衣装にも、キャラクターを表現する細やかな仕掛けが。
杉咲 今回衣装を手がけてくださった山本マナさんとは約8年前に出会って以来とてもお世話になっていて。マナさんだったらすてきなスタイリングになるだろうという確信があったんです。衣装合わせでは、由嘉里が自分自身を受け入れられるようになるにつれて着心地のいい洋服を選んでいけたらという話になって、そういう視点はマナさんならではだなと感じました。
板垣 僕はアサヒの生活を思い描いたとき、ちゃんと靴下をはいて、靴ひもを結んで……という彼の姿がまったく想像できなかったんです。なので、事前にマナさんに「サンダルを用意してもらえたらうれしいです」という相談をさせていただきました。いざ撮影が始まったら、ライ(南琴奈)もオシンさん(渋川清彦)も足もとがサンダルだったんですけどね(笑)。
杉咲 たしかに、みんな靴下や靴をはくタイプじゃないもんね(笑)。
そんな二人に、気になる秋冬のファッション計画について尋ねてみると……。
杉咲 (隣で見る見るうちに笑顔になっていく板垣さんを見て)うれしそう(笑)。秋冬、どんな洋服を着ますか?
板垣 恥ずかしい(笑)。この間、派手めな花柄のウエスタンブーツを買ったんです。それを生かして、例えば洋服は上下グレーのラフなスウェットを選んで、足もとにインパクトのあるコーディネートができたらいいなと思っていて。
杉咲 私は年々シンプルなものが好きになってきているので、長く着続けられる質のいいものをゆっくり探していきたいなと思っています。最近は、すごく好きなお店で黒のニットベストを買ったので、それを早く着たいですね。
由嘉里にとっての最推しの擬人化焼肉漫画『ミート・イズ・マイン』のように、二人が今夢中になっていることは?
板垣 自分の描いた絵を展示するにあたって、どうしたら1枚の絵という枠を逸脱して作品として見せられるかを考える時間が楽しいです。
杉咲 私はガールズグループのHANAが大好きで。ファンクラブに入って、先日はファンミーティングにも行ってきたんです。そこで聞いたKOHARUさんの「この先お客さんが増えていったとしても、7人でたったひとりに向けて音楽を届けていきたい」という言葉に、すばらしいなぁととても感動しました!
[右/杉咲さん]ドレス(フォルテ フォルテ)¥231,000/コロネット イヤリング¥18,700/エテ リング¥115,500/シハラ トウキョウ その他/スタイリスト私物
[左/板垣さん]シャツ¥96,300・パンツ¥57,200[ともに参考価格](ともにCMMN SWDN)/コモン スウェーデン その他/スタイリスト私物
『ミーツ・ザ・ワールド』
擬人化焼肉漫画に全力で愛を注ぎながらも、自分のことは好きになれない由嘉里(杉咲花)。歌舞伎町で希死念慮を抱えるキャバ嬢・ライ(南琴奈)や既婚のNo.1ホスト・アサヒ(板垣李光人)と出会い、彼らとの生活に安らぎを覚えていく。ある日、かつての恋人との確執が解ければライの死にたい感情は消えるかもしれないと考えた由嘉里は、元恋人との再会を試みる。10月24日(金)より全国公開。
Photos:Teppei Hoshida Hair&Make-up:Ai Miyamoto[yosine.](for Ms.Sugisaki) KATO[TRON](for Mr.Itagaki) Stylist:Tatsuya Yoshida(for Ms.Sugisaki)
Yuto Inagaki[CEKAI](for Mr.Itagaki) Interview&Text:Yukiko Yoshikawa
▲ WPの本文 ▲