
私たちは青山学院大学教育人間科学部教育学科の庭井ゼミに所属する4年生です。
ゼミ生全員で取り組む共同プロジェクトとして、2年間、フリースクールの子どもたちと一緒に「図書館」をつくる活動に取り組んできました。
活動の場は長野県北佐久郡御代田町(みよたまち)にあるフリースクール「おもがえっコ・大星クラス」(以下、大星クラス)です。大星クラスは長野県から信州型フリースクールとして認証を受け、週4日、子どもたちの居場所づくりと学びの支援を行っています。
大星クラスは
・平日の日中、安心して子どもが居ることのできる場所の選択肢を増やすこと
・その子らしさを取り戻すこと
・自分の学びのカタチやスタイルを作ること
をめざして、学校以外にも子どもが安心していられる「居場所」をつくり、生活や遊びの中から自分らしい学び方を見つけることを大切にしています。
ここでの活動は、畑づくりや料理、山や川での遊び、工作、動植物の観察、地域の人との交流などで、子どもたちの興味や日々の出来事を起点に広がっています。
私たちは大学で、学校や幼稚園、公民館、図書館など、子どもを育むさまざまな場について学んできました。遊びや体験が「もっと知りたい」という気持ちを生み、そこから世界が広がっていくと考えています。だからこそ、子どもたちの活動のすぐそばに本を置きたい。
子どもたちに会うために訪れた御代田町は、自然豊かで素晴らしい場所でした。しかしそのぶん、子どもたちが歩いて行ける場所に図書館も本屋もない、ということに気づきました。
すべての学校に図書館/図書室があるように、学びや遊びのすぐ近くに本があり、いつでも手に取れる環境をつくりたいと思いました。

「つながる ひろがる さんかくやね図書館 ~自由に遊べる第2のホーム~」
居場所がないと感じて大星クラスにやってくる子どもたちと一緒に、居心地の良い「さんかくやね図書館」を整備し、2026年4月の開館を目指しています。
野山や田んぼ、畑での活動から生まれた興味を読書で広げることはもちろん、カフェのようにくつろいだり、本を広げて工作や料理に取り組んだり、一人で静かに過ごしたり、さらに宿泊施設としても利用できる第2の居場所としての図書館づくりをすすめています。
地域の古い建物を改装して場所をつくり、本棚を据え付け、本を集めていますが、子どもたちの活動に結び付く図鑑、事典、自然科学の本、そして自分と社会へ目を向けるための本が足りません。このプロジェクトを通して、子どもたちと一緒に選んだ本を、さんかくやね図書館の蔵書として並べたいと思います。
<50万円でこんな本を購入したい!>
・『総合百科事典ポプラディア第三版』 全18巻
・昆虫図鑑、植物図鑑、地域や行事について調べる本
・その他、自然、農業、歴史、機械、体や心の成長に関する本など約150冊

私たちは、3年生の夏(2024年度)から大星クラスの子供たちと交流を始めました。
山や川で遊ぶことに慣れていない私たちに、子どもたちは畑で採れた野菜を分けてくれたり、虫や魚を見せてくれたり、川でずぶぬれになりながら一緒に遊んでくれたりして、自然のなかで豊かに活動している様子を教えてくれました。
その時、子どもたちの活動を読書と結びつけられないか、と運営している先生に持ちかけられたことが、本のある環境づくりの始まりです。
まず、地域の公立図書館である御代田町立図書館に協力してもらい、団体貸出という仕組みを使ってたくさんの本を借りられるようにしました。ただ、大星クラスの子どもや先生が毎月、活動に関連する本を選ぶことは難しい…
そこで、私たち大学生が、教員免許や司書資格を取るために勉強した知識を生かしながら、テーマに沿った本を選ぶお手伝いをしました。例えば、自然の中での活動や遊びの後に子どもたちが読みたくなる本をリストアップしています。
本が身近にあると、子どもたちは遊びながら調べものをしたり、次にやりたいことを考えたりするようになりました。また、私たちが大星クラスに行っておすすめの絵本を読むと、楽しそうにお話を聞いてくれました。



その中でも特に本が好きな一人の小学生が、みんなの様子を見て感じたこの想いが、本格的な図書館づくりのきっかけとなります。
図書館ってどうやったら作れるんだろう。
私たちも図書館をつくったことはありませんが、この小さな問いかけに、子どもと大学生と運営する大人たちが一緒になって考え、実現に向けて一歩ずつ歩いているところです。

図書館になるさんかくやねの建物と本棚は、大星クラスを運営する先生の努力と工夫で完成しました。現在は子どもたちが集めた本が500冊ほど並んでいますが、マンガや物語が中心で、大星クラスの活動に関わりの深い自然や農業分野の本は十分ではありません。

大星クラスにはどんな本が必要か、子どもたちと大学生が協働して、置きたい本のリストアップを行っています。また、入れる本をイメージしながら、本棚に置く「書架見出し」づくりにも取り組みました。


また、大学生と子どもたちが一緒に「さんかくやね図書館」のコンセプトも考えました。
「つながる ひろがる さんかくやね図書館 ~自由に遊べる第2のホーム~」
このコンセプトには、図書館にある本とつながり、興味や学びを広げること、また居場所がないと感じている子どもたちにとって第2の居場所となってほしいという願いが込められています。

図書館をつくる場所、本棚、見出しはできました。今は本を寄贈してくれる助成金に応募したり、御代田町立図書館の団体貸出に頼りながら、「図書館のある学びの場」の実現に向けて活動をしています。
私たちが本の寄贈を求めるのではなく、プロジェクトで寄付金を集めようとしているのは、大星クラスに集まる子どもたちが、自分たちで必要な本を考えて選び、購入し、本棚に並べることが大切だと思っているからです。
これまでの大星クラスでの活動やフリースクールの図書館づくりについて、「図書館総合展」にてポスター展示を行います。こちらもぜひ、いらしてください。
日時:2025年10月22日(水)〜10月24日(金)
場所:パシフィコ横浜

お寄せいただいた寄付は、さんかくやね図書館に所蔵する本を購入するために使わせていただきます。
☆500円:活動報告書
☆1000円:活動報告書&大星クラスの子どもたちからのメッセージ
☆3000円:活動報告書&大星クラスで人気の本を紹介したリーフレット
☆5000円:活動報告書&大星クラスの子どもたちからの手書きのお手紙
☆10000円:活動報告書&支援者様のお名前(ニックネーム)を本に掲載

2025年10月20日 クラウドファンディング開始
2025年10月22〜24日 図書館総合展で活動紹介
2025年10月31日〜11月2日 青山学院大学学園祭でクラウドファンディング紹介
2025年11月30日クラウドファンディング終了
2025年3月1日 リターン発送

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
学校に通っている子どもたちには当たり前の「学校図書館での読書や学び」がフリースクールでは難しい。この問題に取り組むべく、私たちは、他のフリースクールの状況を調べるアンケート調査も実施し、研究成果として発信する準備もしています。
大星クラスでは、子どもたち自身がこの図書館づくりを主導していて、私たちはそのお手伝いができることをとても誇りに思っています。みなさんもぜひ、一緒にこの図書館を育ててください。よろしくお願いします。
最後に、大星クラス図書館づくりの主要メンバーよりメッセージ。
上山はれさん(さんかくやね図書館 館長・大星クラス生)
みんながゆったりのんびりすごせるような図書館が良いです。
〝静か”と〝楽しい”というのが共存しているというのが理想です。おもがえっコ・大星クラスでは、騒がしい人が多いですが、その中でも静かに過ごしたい人が居て、その人全員が楽しく過ごせる図書館にしたいです!
お菓子やお茶なども飲めるような場所にして、地域の方々も気軽に来れるような図書館を目指しています。よろしくお願いします‼︎
上山光子さん(おもがえっコ・大星クラス共同代表)
手の届くところに本があることで、子どもたちの活動と興味・知識・思考が繋がり、広がり、深まります。目指すは、
「子どもたちの隣には、たくさんの本がある。」
今を生きる子どもたちの、知りたい、読みたい〝今”を叶えたい!と、大学の先生方を始め、学生さんたちみなさんのお力をお借りして動いています。おもがえっコ・大星クラスの子どもたちの豊かな活動環境を作るため、どうぞご協力よろしくお願い致します。
