2025年10月15日、映画『ミーツ・ザ・ワールド』の舞台となった新宿歌舞伎町からほど近い成子天神社にて大ヒット祈願イベント開催され、杉咲花、南琴奈、板垣李光人、松居大悟監督が登壇。
イベント前には、杉咲らは境内の中で御祈祷を受け、その後、トークセッションが行なわれた。

南琴奈/松居大悟監督/杉咲花/板垣李光人
本作は、芥川賞作家である金原ひとみ氏の同名小説を松居大悟監督が映画化した、生きづらさを抱えるすべての人に贈る現代版「不思議の国のアリス」ともいえるマスターピースだ。
イベントレポート
■トークノーカット動画レポート

■フォトレポート
撮影地・新宿での思い出
‐映画の舞台となっている新宿での撮影は、およそ1年前の夏だったとのことですが、特に思い出に残っていることや印象深い出来事があれば教えてください。
杉咲花(三ツ橋由嘉里 役)
撮影は夏の盛りの時期に行われ、とても暑い中、みんなで何とか乗り越えた日々でした。この映画がクランクインする前に、新宿の神社でみんなでお祓いをしたことも、今振り返るとすごく懐かしいです。
ロケハンをする中で、監督が「場所に嘘をつきたくない」とおっしゃっていて、ライさんの家としてお借りしていたマンションから全部徒歩で行ける場所でロケをしていたので、とても手触りのある撮影の日々でした。
撮影を通して、新宿という場所が自分にとっても心地のいい場所になっていきました。今まで見えてこなかった景色が見えたり、朝日を迎えるシーンの撮影ではすごく綺麗な街に見えたりと、新宿が新しい場所になったと感じています。

杉咲花

南琴奈(鹿野ライ 役)
ライの家が新宿にあるので、私は新宿での撮影が全てでした。今、このイベントが行われている時間帯(昼間)の新宿にはあまりいなかったですね。
ナイターシフトで、夜の歌舞伎町で撮影し、朝方朝日が登った頃に終わることが多かったです。普段、その時間帯に新宿に行くことがなかったので、それも新鮮でしたし、その朝日をすごく覚えています。

南琴奈

松居大悟監督/南琴奈/杉咲花/板垣李光人
板垣李光人(アサヒ 役)
僕が演じているアサヒは、朝起きてすぐチョコフラッペを飲まないと死んじゃう病気だと作中で言っています。由嘉里(杉咲さん)と一緒に神社の階段に座って、由嘉里のぬい活を手伝いながらチョコフラッペを飲むシーンがあったのですが、あれは結構時間との戦いでしたよね。すぐに溶けちゃうので。
しかも、あのチョコフラッペは、スタッフさんが買ってくると間に合わないからと現場の近くで作ってくれた手作りのものだったんです。今日ここに来て、あの暑い夏での時間との勝負を思い出しました。

板垣李光人
松居大悟監督
そうですね。映像には映らなくても、きっと匂いだったり、そういったものが絶対映画の中には描かれるだろうと思っていました。
新宿で撮影をやっていくと、本当にライや由嘉里やアサヒが、まるで歩いているような気持ちにこうなっちゃうぐらい、実在感がすごいありますね。

松居大悟監督
共演者の第1印象
‐本作は新たな出会いの物語ですが、共演が初めてだったお互いの第1印象を教えてください。
杉咲花
南さんとはちょうど2年ぐらい前、ライ役の最終オーディションの時が初対面でした。当時高校2年生だったと思います。
私が立ち会うことを皆が知らなかった状態でひっそりとしていたら、南さんが気づいてくれて、「うわ、可愛い!」と言ってくれました。その屈託のない瑞々しさもありながら、お芝居をするとすごく大人びて見えて、艶っぽい芝居でした。
特に、南さんが自分の髪に触れてくれた時にドキッとしてしまい、思わずセリフが飛んでしまったんです。すごく不思議な方で、一気に魅了されました。

南琴奈
(オーディションで杉咲に会った時のことについて)杉咲さんがいらっしゃることを知らなかったので、監督やプロデューサーの方に挨拶をしていたら杉咲さんがいて、すごい綺麗な2度見をしました。「なんて可愛いんだ」と思ってすごく衝撃でしたし、すごく嬉しかったです。


南琴奈/杉咲花
杉咲花
板垣さんとは本読みの時が初めましてでした。最初はもの静かな印象があったのですが、本を読み始めた瞬間にものすごいバイタリティで一気にボルテージが上がっていく姿に圧倒されました。
「こんな風にアサヒを用意してきたんだな」と思いました。由嘉里が新しく出会っていく一人として、すごく力強くその扉を開いてくれる感じがして心強かったです。

杉咲花/板垣李光人
南琴奈
板垣さんは第1印象ですごく綺麗な人だなと思いました。本読みをすると、本当にいきなり人が変わるというか、本当にアサヒがそこにいるようだったので、すごくびっくりしました。お芝居でもいつもリードしてくださってありがたかったです。

板垣李光人
杉咲さんとは、本読みで初めてお会いした時、「あ、杉咲さんだ」と思ったのと同時に、その時私服ですごいラフな格好にサンダル姿だったのをすごく覚えていて、勝手に「見てはいけないものを見てしまったような感じがした」んです(笑)

板垣李光人
でも、実際の撮影では、杉咲さんが持っているあったかい空気や優しさに本当に救われることばっかりで、すごく幸せな撮影期間でした。
南さんもすごいお綺麗な方だなと思いました。撮影当時(昨年)は、ちょっとどっかとした瞬間に消えてしまいそうな、ライみたいな儚い雰囲気があったのですが、今年に入って1年ぶりに会ったら、そこにすごい強さが宿って、成長だなって感じた。前髪も作られていて、1年でこれだけ10代は変わるんだなってすごい感じましたね。

共演者の「ちょっと好き」なところ
‐作品のキャッチコピー「明日の私がちょっと好きになる」にちなんで、共演者について「ちょっと好き」なところ、または「ずっと好き」なところを教えてください。
杉咲花
(南琴奈について)撮影期間は琴奈と本当に六時中一緒に過ごし、たわいもない話を毎日していました。
彼女の、クールに見えるけどすごく人懐っこいところや、優しいところ、ちょっと不真面目なところも含めて全部大好きです。本当に可愛らしい。
すごいいい抜け感がある人で、私は生真面目なところがあるので、その対極なところが良いですね。
悩み事を相談すると、「もう悩んだってしょうがないんだから美味しい物食べて寝たらいいんだよ」と言ってくれる、そんなかっこ良さがある人です。

南琴奈
(杉咲さんといると)こんなことまで話してくれるんだっていうぐらい、すごくいい意味でくだけて話してくださるので、こちらも構えずにいられます。
私が嬉しかったことなどを一番に報告したくなってしまうんです。喜んでくれたり、ニコニコしてくださる花ちゃんを見て、何でも言いたくなるので、花ちゃんはずっと好きです。

南琴奈
(板垣李光人について)私は人見知りで、自分からあまり話しかけに行けないタイプなのですが、板垣さんは多分そこも見て、構えずに話しかけてくださるのを感じました。
撮影の合間の時間とかに話しかけてくださったり、車の中で2人で通行人を観察し、ずっと色々と話し合っていたのが記憶に残っていて、不思議な楽しい時間でした。

板垣李光人
お2人(杉咲&南)の空気感がとにかくすごい素敵で、撮影中、南さんの部屋で2人でラーメン作って食べてたりしていたと聞いています。
神聖な領域が2人の中にあると感じており、そこに入っていくというよりは、「ちょっと遠くで見守りたいな」と思わせる空気が素敵でした。
でも、プロモーション期間中に杉咲さんと1つ共通点を見つけました。それは寝れない時の対処法が一緒だということ。

‐どんな対処法ですか?
杉咲花
「寝たふり」をすることです。寝ようと頑張ると、かえって眉間にシワが寄っていきますが、寝たふりだと思うと意外と力が抜けていくんです。
板垣李光人
そうですね、呼吸とかもそうですし、ちょっとなんか軽く口とか開けちゃったりして。普段寝ているであろう状態を形から作るみたいなのが、意外な共通点でした。
杉咲花
(板垣李光人について)大阪キャンペーンで濃密な時間を過ごさせてもらいました。エレベーターでみんなが降りるまで最後まで残っている姿や、打ち合わせで全員が着席するまで最後まで立っている姿を見て、すごく礼儀正しい方だと感じ、「なんでそんなことができるんだろう」と素晴らしいと思いました。

絵馬に込めた願い事
‐今日は神社でのイベントということで、皆様に映画の大ヒットを祈願して絵馬を書いていただきました。それぞれ、どんな願い事を書かれたかご紹介ください。
杉咲花
「みんなで健やかにいられますように。」
月並みですが、無事に初日を迎えるまでも、その後も、まずは健康が一番大事なので。ここでいう「みんな」は、世界を生きてる全員のことです。


南琴奈
「多くの人に愛されますように」
これは、作品や、皆さんが演じたキャラクターが多くの人に愛されますようにという気持ちを込めて書きました。


板垣李光人
「目薬を使い切れますように」
もっとまじめなのを書けば良かった(苦笑)
‐その心は?
板垣李光人
目薬を使い切れたことがなくて、大体半分ぐらいで失くしてしまうんです。
目が乾燥しやすいので、役衣装のポケットに入れっぱなしにして忘れて返してしまうことが多くて、『ミーツ・ザ・ワールド』の撮影時にも失くしました(笑)
今使っている目薬があと1/5ぐらいなので、この調子でなくさずに使い切れたらいいなと思っています。


松居大悟監督
「とどけ!!ミーツ・ザ・ワールド」
シンプルにこの作品が届いてほしいなと。観てからいろんなこと考えたり、感じてもらえたらなと思います。


最後にメッセージ
松居大悟監督
映画『ミーツ・ザ・ワールド』は来週10月24日から公開です。今の時代にすごく必要な映画だと思っています。
いろんな選択肢がある中で、グレーなまんまでいいじゃないかという思いを込めて作りました。ちょっとでも悩んでいる方がこの映画を見て、少しでも息がしやすくなったらいいなと思っています。お気軽に映画館にお越しください。

板垣李光人
観てくださったお客さんがこの『ミーツ・ザ・ワールド』の中の住人となって、それぞれの感じ方や思いを抱いていただける体験・経験ができる作品になっています。
来週やっと皆様の元に届くと思うと、すごく楽しみな気持ちとドキドキしている気持ちでいます。本当にたくさんの方に届いて欲しいと思います。

南琴奈
来週いよいよ映画公開ということで、皆さんにお届けできる日がどんどん近くなっていて嬉しいです。
多くの人に愛されて、たくさんの人がこの映画を観て少しでも救われたらいいなと思っています。

杉咲花
映画の舞台になったこの新宿でご祈祷できたこともすごく嬉しかったです。この映画は、他者と関わることとか自分自身と付き合っていくことにエールをくれるような映画になっていると思います。是非大きなスクリーンで見ていただけると嬉しいです。



松居大悟監督/南琴奈/杉咲花/板垣李光人
■フォトギャラリー
[動画・写真・記事:三平准太郎]
■御祈祷フォトギャラリー
映画『ミーツ・ザ・ワールド』
芥川賞作家・金原ひとみが歌舞伎町を舞台に描き、第35回柴田錬三郎賞を受賞した同名小説を、監督に松居大悟、主演に杉咲花を迎えて映画化した『ミーツ・ザ・ワールド』が10月24日(金)に全国公開‼
《INTRODUCTION》
歌舞伎町を舞台に、擬人化焼肉漫画「ミート・イズ・マイン」をこよなく愛するも自分のことは好きになれない27歳の主人公の新たな世界との出会いを描いた『ミーツ・ザ・ワールド』。
原作は、第35回柴田錬三郎賞を受賞した金原ひとみの同名小説。自著の映画化は、第130回芥川賞を受賞したデビュー作「蛇にピアス」以来、17年ぶりとなる。
監督を務めるのは、これまで青春という一瞬の輝きを描き、若者から圧倒的な支持を得る松居大悟。初めて“生きること”についての映画に挑み、新境地を開いた。
撮影は本作の舞台である歌舞伎町で敢行。この街で生きる人々の居場所をスクリーンに焼き付ける。
主人公の由嘉里を演じるのは、演技力に定評のある杉咲花。擬人化焼肉漫画「ミート・イズ・マイン」の推しカプに全力で愛を注ぐも、自分を好きになれず、仕事と趣味だけで生きていくことへの不安と焦りを感じる等身大の主人公の姿を体現する。
由嘉里が歌舞伎町で出会う住人、希死念慮を抱えた美しいキャバ嬢・ライを南琴奈、既婚者で不特定多数から愛されたいホスト・アサヒを板垣李光人、人が死ぬ話ばかりを書いている毒舌な作家・ユキを蒼井優、街に寄り添うBAR『寂寥』店主・オシンを渋川清彦が演じる。
歌舞伎町を舞台に新たな世界との出会いを描いた本作は、まさに現代版“不思議の国のアリス”。生きづらさを抱えるすべての人に贈るマスターピースが誕生した。
《STORY》
擬人化焼肉漫画「ミート・イズ・マイン」に全力で愛を注ぎながらも、自分のことは好きになれない由嘉里。27歳になって結婚・出産…と違う世界に次々と離脱する腐女子仲間をみて、このまま仕事と趣味だけで生きていくことへの不安と焦りを感じ、婚活を始める。しかし参加した合コンで惨敗。歌舞伎町で酔いつぶれていたところ、希死念慮を抱えるキャバ嬢・ライに助けられる。ライになぜか惹かれた由嘉里は、そのままルームシェアを始めることに。やがて、既婚のNo.1ホスト・アサヒ、人の死ばかりを題材にする毒舌作家・ユキ、街に寄り添うBARのマスター・オシンと出会い、歌舞伎町での生活に安らぎを覚えていく。そんな日々の中でもライのことが気がかりな由嘉里は、かつての恋人との確執が解ければ死にたい感情は消えるかもしれないと考え、アサヒやユキ、オシンに相談する。だが、価値観を押し付けるのはよくないと言われてしまう。それでもライに生きてほしいと願う由嘉里は、元恋人との再会を試みるが―。
出演:杉咲花
南琴奈 板垣李光人
くるま(令和ロマン) 加藤千尋 和田光沙 安藤裕子 中山祐一朗 佐藤寛太
渋川清彦 筒井真理子/蒼井優
(劇中アニメ「ミート・イズ・マイン」) 村瀬歩 坂田将吾 阿座上洋平 田丸篤志
監督:松居大悟
原作:金原ひとみ『ミーツ・ザ・ワールド』(集英社文庫 刊)
脚本:國吉咲貴 松居大悟
音楽:クリープハイプ
主題歌:クリープハイプ「だからなんだって話」(ユニバーサルシグマ)
製作:藤本款 和田佳恵 津嶋敬介 大好誠
プロデューサー:深瀬和美 白石裕菜
撮影:塩谷大樹
照明:藤井勇
録音:西條博介
美術:井上心平
装飾:遠藤善人
編集:瀧田隆一
スタイリスト:山本マナ
ヘアメイク:風間啓子
音響効果:渋谷圭介
VFXスーパーバイザー:鎌田康介
助監督:山下久義
制作担当:緒方裕士
アニメーション制作:UWAN Pictures
キャラクターデザイン:あおいれびん
製作委員会:クロックワークス テレビ東京 ホリプロ 集英社
制作プロダクション:ホリプロ
製作幹事・配給:クロックワークス
©金原ひとみ/集英社・映画「ミーツ・ザ・ワールド」製作委員会
助成:文化庁文化芸術振興費補助金(日本映画製作支援事業)|独立行政法人日本芸術文化振興会
2025年/日本/カラー/アカデミー(1.37:1)/5.1ch/126分/G
公式Instagram:@mtwmovie
公式TikTok:@mtwmovie
予告編

2025年10月24日(金)より全国公開

メインポスター

ティザーポスター第二弾

ティザーポスター第一弾
