松坂慶子 26歳 『ダブル・クラッチ』 PART1
スナック 少し冒険かもしれないけど思い切ってやってみたいの。人の顔色伺いながらじめに働くのもたくさん。 気持ちはよくわかるけどさ。 東亜交換の裏にちょうど手頃な店があるのよ。 うん。 たった10粒の安ぶんだけど抜きだし 2階に80万がついてるし。 でも高いんだな。 権利金が120万で麻家賃が 8万。あと色々あって200 万近くかかるわ。 あ、そんなどこにあんだやん。 姉さんの積み立て全部下ろせば80 万ほであるわ。あとは木島先生が保証人になって新夜金庫から借てくれるって。あきちゃんと 2 人で頑張ればきっとうまくいくわ。キャバレのお客さんも引っ張れると思うし先生も色々紹介してくれるって。 姉さん、このチャンス逃したくないの。 2 人で日の当たる場所に入ら出して世見返してやりましょうよ。よし、上渡だ。やってやろうじゃないか。 大したもんだな。 え、 今日からママさんだもんな。 気明かせないでよ。 そういえば顔つきまでママさんらしくなってしたぜ。 あんただって共同経営者なのよ。 共同刑者が参ったな。 どんどん儲けて借金返してそのジャちこちに視点出すわ。 社長キャデラックでも買えますか? いいでしょう。専務はベンツにしなさい。 専務って俺のこと 決まってるじゃない。め ちゃくちゃ俺がもっ だ 1日平均3 万円か。まずまず順調な滑り出しね。あきちゃん。 うん。 水割りはワンボトルで223 倍を取んなきゃだめよ。 こ商売を細かく稼ぐのがコツなんだから。 分かってるよ。 それからあんたの口の聞き方もう少しなんとかならない?愛嬌がなさすぎんのよ。 姉ちゃんは愛嬌がありすぎんだよ。 え? キャバレじゃないんだからね。酔っ払い相手にベタベタサービスのやめてもらいたいね。 ベタベタなんかしてないわ。 してるよ。 あきちゃん。 スナックは川崎だけで何百件ってあるのよ。食うか食われるかの戦争なのよ。ここは場所が悪いんだから来てくれたお客さんだけでもがっちり捕まえないと商売になんないのよ。 木島先生に悪いと思わないのか?な んですって? スケベのご機嫌ばっかり取ってると今に愛をつかされるからな。 営業は営業です。先生は大人だも分かってくれるわ。 ああ、そうかよ。 です。
ダブル・クラッチは、1978年(昭和53年)に松竹で制作・公開された映画作品。
原作は五木寛之著の同名の短編小説。
郷ひろみ 当時23歳
松坂慶子 当時26歳