10月某日、MOVIE WALKER PRESS編集部に小さな訪問者が現れた。白いドレスを身にまとい、三つ編みにした黄金色の髪と真っ赤なリボン。邪悪な表情の奥に、どこかいたずらっ子のようなあどけなさが残る彼女は、“最も呪われた死霊人形”と呼ばれるアナベル人形だ。
「死霊館」といえばアナベル人形!その軌跡をプレイバック『死霊館』第1作のオープニングから登場したアナベル人形(画像は『死霊館』より)[c]Everett Collection/AFLO
アナベル人形といえば、ジェームズ・ワンが生みだしたホラー映画史上屈指のヒットシリーズ「死霊館」を象徴する存在。第1作『死霊館』(12)のオープニングに登場し、強烈なイメージと共にあまりにも邪悪な霊力を見せつけたことで人気を博し、のちに彼女を“主人公”としたスピンオフシリーズも作られたほど。
彼女のことを見たことはあるけれど、あまりよく知らないという人のために、まずは簡単にアナベル人形について振り返っていこう。「アナベル」シリーズの第2作『アナベル 死霊人形の誕生』(17)で描かれた通り、1945年に人形職人であるサミュエル・マリンズとその妻エスターの娘ビーが交通事故で亡くなり、悲しみに暮れた夫妻が人形に悪魔の侵入を許したことからすべてが始まる。
その誕生の背景には、悲しい出来事も…(画像は『アナベル 死霊人形の誕生』より)[c]Everett Collection/AFLO
その12年後、マリンズ家に暮らしはじめた孤児の少女たちがアナベル人形の封印を解き、少女たちの一人であるジャニスに悪魔が憑依。やがてジャニスはヒギンズ家に引き取られるのだが、『アナベル 死霊館の人形』(14)で描かれたように、悪魔教を崇拝するようになった彼女は両親を殺害。自らも命を落とす直前、隣人のフォーム夫妻の家にあったアナベル人形に、再び悪魔の魂が宿る。
めぐりめぐって1971年。アナベル人形を手にした2人の女性は、身の回りで起きる異変を心霊研究家のエド&ロレイン・ウォーレン夫妻に相談(『死霊館』より)。自宅に持ち帰ることにしたウォーレン夫妻は、その霊力の強さから人形を厳重なガラスケースに保管するのだが、夫妻の留守中に娘のジュディとベビーシッターのメアリー、その友人のダニエラが好奇心からケースを開けてしまい、その恐怖を味わうこととなった(『アナベル 死霊博物館』より)。
公開中の『死霊館 最後の儀式』は、ウォーレン夫妻を描く「死霊館」シリーズの最新作にして、「アナベル」シリーズや「死霊館のシスター」シリーズを含めた“死霊館ユニバース”の完結作だ。ひと足先に公開された北米では、ホラー映画歴代1位、シリーズ過去最高のオープニング成績を樹立。すでに全世界興収4億7400万ドルを超える大ヒットを記録している。
物語の舞台は1986年。ペンシルヴァニア州に暮らすある家族を不可解な現象が襲い、ウォーレン夫妻のもとにその調査依頼が舞い込んでくる。しかしエド(パトリック・ウィルソン)の持病の悪化から、夫妻は引退を考えていた。はじめは依頼を断る夫妻だったが、ある事件をきっかけにその一家の元へ。そこで待ち受けていたのは、かつて夫妻が遭遇したことのある因縁深い“呪いの鏡”。やがてその邪悪な悪魔の矛先は、結婚を控えた愛娘ジュディ(ミア・トムリンソン)へと向けられていく。
編集部に似つかわしくないこの後ろ姿は…
【写真を見る】やばい!アナベル人形が編集部員にロックオン
さて、編集部に突然現れたアナベル人形。このままでは“なにか”が起きてしまうことは止められない。どうすれば彼女の呪いを避けることができるか考えた結果、「せっかく来ていただいたので…」と人の気配が少ない会議室に誘導し、急遽独占インタビューを敢行することとなった。
12年続いたシリーズが壮大なフィナーレを迎える感慨や、最新作の見どころ。「死霊館」の“顔”ともいえるアナベルは、なにを語ってくれたのか…(なお、アナベルの発言はすべて帯同した関係者による霊視通訳によるものです)。