窪塚洋介と松田龍平が導く未知なる世界『次元を超える』
『次元を超える』
自分が好きなものに対して興味を示すのは当然のことですが、例えば、目の前に差し出された箱があり、その箱の色や形やデザインは自分好みだけれど、中身はなんなのかわからない。開けてみないことにはわからない。わからないからこそ、無性に知りたいと惹かれることがあります。
豊田利晃監督の新作は、まさにそれです。窪塚洋介、松田龍平をはじめ、豊田作品の常連俳優がずらりと顔を揃えていて、この組み合わせにそそられる人はきっと多い。そして、タイトルが『次元を超える』です。空間としての次元、物理量としての次元、思考としての次元、言葉の意味は理解していても、次元を超えるって、一体どんな映画なのだろうかと惹かれる。
そもそもこの『次元を超える』は、豊田監督の狼蘇山シリーズ三部作——『狼煙が呼ぶ』『破壊の日』『全員切腹』の新章に位置づけられます(ですが、シリーズ未見でも楽しめます!)。
主人公は、孤高の修行者・山中狼介(窪塚洋介)。ある日、危険な宗教家・阿闍梨(千原ジュニア)の家で行方不明になった狼介を心配する恋人・野々花(芋生悠)は、謎の暗殺者・新野風(松田龍平)に捜索を依頼します。やがて、狼介と新野は、法螺貝に導かれて狼蘇山で対面し、次元を超えて鏡の洞窟へ……。
「なんなんだ、これは!」と、自身の予想を超えてくる展開が待っているので、理解しようとするのではなく、ただ素直に「なんなんだ、これは!」を楽しむのが正解かなと。未知度数、コメディー度、高めです。血が苦手な人は少しだけ身構えてください。
とにもかくにも、「次元を超えるってこういうことなのか!?」を体験できる、なんとも奇抜な映画です。
次元超え度
★★★★★
これ何?度
★★★★☆
俳優豪華度
★★★★☆
監督・脚本
豊田利晃
出演
窪塚洋介
松田龍平
千原ジュニア
芋生悠
渋川清彦
東出昌大
板尾創路
祷キララ
窪塚愛流(声の出演)
飯田団紅
マメ山田
配給
スターサンズ
2025年10月17日(金)よりユーロスペースほか全国にて順次公開中
Ⓒ次元超越体/DIMENSIONS
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